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ローザ姫救出編
第106話 勇者姫の匂いをかぐ
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海底洞窟でドラゴンを倒した後、その場でグダってしまったが、ようやく動く事が出来た。
俺はローザをだっこしたまま、海底洞窟をぬける。
海底洞窟内では、魔物に遭遇する事はなかった。
「くくく、いよいよだわ。
魔物との戦闘で、私が邪魔して殺してあげるわ。覚悟なさい。」
ローザは小声でつぶやく。
俺に聞かれてないと思ってるので、俺はあえて突っ込まない。
俺が死んでも、勇者専用の転移蘇生の儀式だかで、俺は甦る事を知らんのか?
その場合、残されたローザは、どうなるのだろう?
まあいっか。
「ホーリーバリア。」
俺は破邪呪文を唱える。
これで俺よりレベルの低い魔物は、襲ってはこれない。
俺はそのまま、オオミヤ城を目指す。
一般の成人男性は、一時間で四キロは歩くと言う。
だがレベルの上がった今の俺は、同じ時間でその五倍は歩ける。
しかし、今はローザをだっこしている。
いつものように歩く訳にもいかない。
「おかしい。なんで魔物が襲ってこないの?」
オオミヤ城が近づくにつれ、ローザは焦りだす。
「ああ、安全に帰れて、よかったな。ローザ。」
俺はローザに笑顔を向ける。
「そ、そうね。ユウタ。」
ローザも愛想笑いを浮かべ、俺に答える。
ローザは破邪呪文を知らんのか?
まあ、ここら辺の魔物相手なら、ローザをだっこしたままでも、軽く蹴散らせるが。
「お、見えてきたぞ。オオミヤ城。」
「ま、待ってユウタ。」
オオミヤ城に向かう俺の足を、ローザが止める。
たくぅ、ここら辺の魔物が、俺を倒せるとでも思ってるのか?
「こ、このままお城に帰ったら、ローザ姫は汚くて臭いって噂されるわ。」
「そうか?」くんくん。
俺はローザの匂いをかいでみる。
「きゃ、いきなり何するのよ、ユウタのえっちぃ。」
「な、何やってるのよ、ユウタ。」
俺はローザに嫌がられ、ユミコに注意される。
「いや、別に臭くないけど。」
俺は責められるのは心外だ。
「はあ、ユウタがお風呂に入ったのって、何日前よ。」
なぜかユミコが、ため息混じりに尋ねてくる。
「そういや、いつ以来だ?」
確かチチブに行く前にレベル上げしてたけど、その時に宿屋に泊まって以来だよな。
あれ?
三十話近く、風呂に入ってないのか?
俺が狼狽するのに、ユミコは気づいたようだ。
「はあ、つまりユウタは臭いって事。
臭いユウタの鼻では、匂いなんて分からないものよ。」
「そ、そうなのか。」
ユミコの言葉に、俺は少なからずショックを受ける。
それはローザも同じらしい。
「そんな。私は臭いユウタにしがみついてるって事なの?
汚された。ドラゴンさんの仇であるこいつに。
こいつは絶対殺す。私の生涯をかけても、絶対殺してやる。」
ローザは俺にしがみついたまま、ぶつくさ言ってる。
とりあえず聞かなかった事にして、カスカベの街の宿屋に向かった。
俺はローザをだっこしたまま、海底洞窟をぬける。
海底洞窟内では、魔物に遭遇する事はなかった。
「くくく、いよいよだわ。
魔物との戦闘で、私が邪魔して殺してあげるわ。覚悟なさい。」
ローザは小声でつぶやく。
俺に聞かれてないと思ってるので、俺はあえて突っ込まない。
俺が死んでも、勇者専用の転移蘇生の儀式だかで、俺は甦る事を知らんのか?
その場合、残されたローザは、どうなるのだろう?
まあいっか。
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俺は破邪呪文を唱える。
これで俺よりレベルの低い魔物は、襲ってはこれない。
俺はそのまま、オオミヤ城を目指す。
一般の成人男性は、一時間で四キロは歩くと言う。
だがレベルの上がった今の俺は、同じ時間でその五倍は歩ける。
しかし、今はローザをだっこしている。
いつものように歩く訳にもいかない。
「おかしい。なんで魔物が襲ってこないの?」
オオミヤ城が近づくにつれ、ローザは焦りだす。
「ああ、安全に帰れて、よかったな。ローザ。」
俺はローザに笑顔を向ける。
「そ、そうね。ユウタ。」
ローザも愛想笑いを浮かべ、俺に答える。
ローザは破邪呪文を知らんのか?
まあ、ここら辺の魔物相手なら、ローザをだっこしたままでも、軽く蹴散らせるが。
「お、見えてきたぞ。オオミヤ城。」
「ま、待ってユウタ。」
オオミヤ城に向かう俺の足を、ローザが止める。
たくぅ、ここら辺の魔物が、俺を倒せるとでも思ってるのか?
「こ、このままお城に帰ったら、ローザ姫は汚くて臭いって噂されるわ。」
「そうか?」くんくん。
俺はローザの匂いをかいでみる。
「きゃ、いきなり何するのよ、ユウタのえっちぃ。」
「な、何やってるのよ、ユウタ。」
俺はローザに嫌がられ、ユミコに注意される。
「いや、別に臭くないけど。」
俺は責められるのは心外だ。
「はあ、ユウタがお風呂に入ったのって、何日前よ。」
なぜかユミコが、ため息混じりに尋ねてくる。
「そういや、いつ以来だ?」
確かチチブに行く前にレベル上げしてたけど、その時に宿屋に泊まって以来だよな。
あれ?
三十話近く、風呂に入ってないのか?
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「はあ、つまりユウタは臭いって事。
臭いユウタの鼻では、匂いなんて分からないものよ。」
「そ、そうなのか。」
ユミコの言葉に、俺は少なからずショックを受ける。
それはローザも同じらしい。
「そんな。私は臭いユウタにしがみついてるって事なの?
汚された。ドラゴンさんの仇であるこいつに。
こいつは絶対殺す。私の生涯をかけても、絶対殺してやる。」
ローザは俺にしがみついたまま、ぶつくさ言ってる。
とりあえず聞かなかった事にして、カスカベの街の宿屋に向かった。
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