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ユミコ奪還編~十二宮殿の戦い
第80話 勇者牡羊座ゴーレムと対峙する
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ちゃーちゃちゃちゃちゃちゃちゃーん。
この世に邪悪がはびこる時、必ずや現れると言う希望の闘士、勇者が現代のサーイターマルドに甦った。
精霊ルギアの怒りに触れたユミコを救うため、十二時間以内に十二の宮殿を突破しなければならない。
急げ、ユミコの勇者たちよ。
第一の宮殿のゴーレムが、黄金の騎士の姿に形を変える。
「このまま突っ込むぞ!」
シリウスシスターズの四人は、クダ状の武器を剣の形に変える。
「くらえ、カルテットアタック!」
「クリスタルウオール!」
どごーん!
黄金の騎士の前に、薄い膜の様な壁が出現。
シリウスシスターズ四人の攻撃を跳ね返す。
「な、」
俺より後方に、四人は吹っ飛ばされる。
やはりゴーレムは強すぎる。強さの次元が違う。
だけど俺には、これがある。
俺は精霊の笛を取り出す。
「無駄ですよ。」
と言いながら、黄金の騎士は歩み寄る。
ぬかせ。強がってられるのも、今のうちだ。
俺は精霊の笛を吹く。
ちゃんちゃんちゃーあちゃーららんちゃんちゃーちゃーらーらーららん。
精霊の笛を吹いてるにも関わらず、黄金の騎士のあゆみが止まらない!
俺のそばまで来た黄金の騎士の指先が輝く!
「スターダストレボリューション!」
「ぐはっ。」
俺の身体が吹っ飛ぶ。
黄金の騎士が、どんな技を繰り出したのか、俺には見えなかった。
やばい、実力差がありすぎるぞ!
「その精霊の笛は、無機物に宿った魂の伝達を、一時的に遮断する物。
ですが、この次元空間では、我々も一個の生命体。
その笛の効果は及びません。」
「な、」
そう言えば、ここでは普通に喋ってやがる。
チチブで相手にしたゴーレムとは、質が違うのか?
だけどユミコを救うためには、戦うしかない。
こいつら十二体のゴーレムと。
俺たちは、ゆっくりと立ち上がる。
「まだ戦うつもりですか。」
「あ、当たり前じゃないか。」
「あなたが我々と対等に戦うためには、最強の鎧の装備と、勇者の証の加護が必要。
どちらも所持していない今のあなたに、勝ち目は無いのです。」
最強の鎧?勇者の証?
そんなアイテムがあるのか。
なら、それをゲットしてくれば、戦えるって事か。
「仮に最強の鎧と勇者の証をゲットしてくるとして、世界のどこにあるかも分からないアイテムを、どこからゲットしてくるのですか。
それも、十二時間以内にゲットして、この十二宮殿を突破しなければならない。
それが可能だと思いますか?」
「な、」
俺はその場にへたり込む。
黄金の騎士の言葉は、俺の心を折るのに充分だった。
この世に邪悪がはびこる時、必ずや現れると言う希望の闘士、勇者が現代のサーイターマルドに甦った。
精霊ルギアの怒りに触れたユミコを救うため、十二時間以内に十二の宮殿を突破しなければならない。
急げ、ユミコの勇者たちよ。
第一の宮殿のゴーレムが、黄金の騎士の姿に形を変える。
「このまま突っ込むぞ!」
シリウスシスターズの四人は、クダ状の武器を剣の形に変える。
「くらえ、カルテットアタック!」
「クリスタルウオール!」
どごーん!
黄金の騎士の前に、薄い膜の様な壁が出現。
シリウスシスターズ四人の攻撃を跳ね返す。
「な、」
俺より後方に、四人は吹っ飛ばされる。
やはりゴーレムは強すぎる。強さの次元が違う。
だけど俺には、これがある。
俺は精霊の笛を取り出す。
「無駄ですよ。」
と言いながら、黄金の騎士は歩み寄る。
ぬかせ。強がってられるのも、今のうちだ。
俺は精霊の笛を吹く。
ちゃんちゃんちゃーあちゃーららんちゃんちゃーちゃーらーらーららん。
精霊の笛を吹いてるにも関わらず、黄金の騎士のあゆみが止まらない!
俺のそばまで来た黄金の騎士の指先が輝く!
「スターダストレボリューション!」
「ぐはっ。」
俺の身体が吹っ飛ぶ。
黄金の騎士が、どんな技を繰り出したのか、俺には見えなかった。
やばい、実力差がありすぎるぞ!
「その精霊の笛は、無機物に宿った魂の伝達を、一時的に遮断する物。
ですが、この次元空間では、我々も一個の生命体。
その笛の効果は及びません。」
「な、」
そう言えば、ここでは普通に喋ってやがる。
チチブで相手にしたゴーレムとは、質が違うのか?
だけどユミコを救うためには、戦うしかない。
こいつら十二体のゴーレムと。
俺たちは、ゆっくりと立ち上がる。
「まだ戦うつもりですか。」
「あ、当たり前じゃないか。」
「あなたが我々と対等に戦うためには、最強の鎧の装備と、勇者の証の加護が必要。
どちらも所持していない今のあなたに、勝ち目は無いのです。」
最強の鎧?勇者の証?
そんなアイテムがあるのか。
なら、それをゲットしてくれば、戦えるって事か。
「仮に最強の鎧と勇者の証をゲットしてくるとして、世界のどこにあるかも分からないアイテムを、どこからゲットしてくるのですか。
それも、十二時間以内にゲットして、この十二宮殿を突破しなければならない。
それが可能だと思いますか?」
「な、」
俺はその場にへたり込む。
黄金の騎士の言葉は、俺の心を折るのに充分だった。
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