60 / 221
名所を巡ろう~虹の架け橋から神帝のほこらへ
第60話 勇者己れの非力を呪う
しおりを挟む
神帝のほこらにて、魔王六魔将のひとり、影の騎士を倒した俺。
ユミコの強化呪文のおかげだ。
そんなユミコは、ドラゴンと化してゴーストアリンバと戦っている。
「ユミコ!」
ユミコがその姿を見られたくないと分かってても、俺はユミコの名を叫んでしまう。
ユミコはゴーストアリンバを殺さないよう、手加減しているのが分かる。
対してゴーストアリンバは全力全開。
これではユミコの身体が保たない!
徐々に弱ってく、ドラゴンのユミコ。
そう言えば、聞いた事がある。
伝説の竜化呪文には、致命的な弱点がある事を。
それは、戦闘が終わるまで、竜化が解けない事。
そして呪文はいっさい使えなくなる。
このままだとユミコは、衰弱死してまう!
「ユミコ逃げろ!」
俺は対ゴーストアリンバ戦に参戦する!
「下がりなさい、ユウタ!」
ユミコは尻尾を振って俺をふっ飛ばす。
ユミコが俺にかけた強化呪文は、すでに解けている。
今の俺では、ゴーストアリンバとは戦えない!
「ちっくしょー!」
俺は、今ほど俺の非力さを呪った事はない!
目の前でユミコが死んでいくのを、ただ見ている事しか出来ない!
くそ。動けよ、俺の身体!
「ヒーリング!」
俺は思わず回復呪文を唱える。
そうだ、忘れてたぜ。
最近回復呪文はユミコに唱えてもらってて、俺自身使う機会が無かったから。
体力を回復させた俺はユミコに近づき、唱え続ける。
「ヒーリング!
ヒーリング!
ヒーリング!」
しかし、俺のマジックパワーは少ない。
「ヒーリング!
ヒーリング!
ヒーリング!」
マジックパワーのこもらない呪文は、ただの叫び声でしかない。
こうなったらやくそうの出番だが、今のユミコにやくそうを使うには、口の位置が高すぎる。
格ゲーキャラでない限り、ジャンプしても届かない。
俺は騎神のいななきを手に持って、振り回す。
これがアリンバ関連で、何か役に立つ気がする。
でも、使い方がわからない!
「ちっくしょー!
出てこい、サタンマリリン!
アリンバを元に戻せぇ!」
「ち、このタイミングだと、出ずらいじゃねーか。」
「え?」
俺の無念の叫びに呼応するかの様に、誰かの声がする。
ユミコの斜め上の空間が、パリンと音を立てて割れる。
時空の裂け目に、ひとりの女性が立っている。
紫色した髪は、軽くウエーブしている。
両サイドに羽飾りのある兜をかぶり、剣と盾を持っている。
赤いブーツと赤い手袋を身につけて、両肩の肩パットも赤い。
そしてこの女性、なぜか赤いビキニ姿だった!
なんてハレンチな格好してるんだ!
「アケミ?」
その女性を見て、ドラゴン姿のユミコがつぶやく。
「久しぶりだな、ユミコ。」
アケミって確か、ユミコと一緒に勇者ウラワと旅した人だよね?
ユミコの強化呪文のおかげだ。
そんなユミコは、ドラゴンと化してゴーストアリンバと戦っている。
「ユミコ!」
ユミコがその姿を見られたくないと分かってても、俺はユミコの名を叫んでしまう。
ユミコはゴーストアリンバを殺さないよう、手加減しているのが分かる。
対してゴーストアリンバは全力全開。
これではユミコの身体が保たない!
徐々に弱ってく、ドラゴンのユミコ。
そう言えば、聞いた事がある。
伝説の竜化呪文には、致命的な弱点がある事を。
それは、戦闘が終わるまで、竜化が解けない事。
そして呪文はいっさい使えなくなる。
このままだとユミコは、衰弱死してまう!
「ユミコ逃げろ!」
俺は対ゴーストアリンバ戦に参戦する!
「下がりなさい、ユウタ!」
ユミコは尻尾を振って俺をふっ飛ばす。
ユミコが俺にかけた強化呪文は、すでに解けている。
今の俺では、ゴーストアリンバとは戦えない!
「ちっくしょー!」
俺は、今ほど俺の非力さを呪った事はない!
目の前でユミコが死んでいくのを、ただ見ている事しか出来ない!
くそ。動けよ、俺の身体!
「ヒーリング!」
俺は思わず回復呪文を唱える。
そうだ、忘れてたぜ。
最近回復呪文はユミコに唱えてもらってて、俺自身使う機会が無かったから。
体力を回復させた俺はユミコに近づき、唱え続ける。
「ヒーリング!
ヒーリング!
ヒーリング!」
しかし、俺のマジックパワーは少ない。
「ヒーリング!
ヒーリング!
ヒーリング!」
マジックパワーのこもらない呪文は、ただの叫び声でしかない。
こうなったらやくそうの出番だが、今のユミコにやくそうを使うには、口の位置が高すぎる。
格ゲーキャラでない限り、ジャンプしても届かない。
俺は騎神のいななきを手に持って、振り回す。
これがアリンバ関連で、何か役に立つ気がする。
でも、使い方がわからない!
「ちっくしょー!
出てこい、サタンマリリン!
アリンバを元に戻せぇ!」
「ち、このタイミングだと、出ずらいじゃねーか。」
「え?」
俺の無念の叫びに呼応するかの様に、誰かの声がする。
ユミコの斜め上の空間が、パリンと音を立てて割れる。
時空の裂け目に、ひとりの女性が立っている。
紫色した髪は、軽くウエーブしている。
両サイドに羽飾りのある兜をかぶり、剣と盾を持っている。
赤いブーツと赤い手袋を身につけて、両肩の肩パットも赤い。
そしてこの女性、なぜか赤いビキニ姿だった!
なんてハレンチな格好してるんだ!
「アケミ?」
その女性を見て、ドラゴン姿のユミコがつぶやく。
「久しぶりだな、ユミコ。」
アケミって確か、ユミコと一緒に勇者ウラワと旅した人だよね?
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
前世魔王の伯爵令嬢はお暇させていただきました。
猫側縁
ファンタジー
前世、我は魔王であった。
王座について勇者を待ち、倒しては新たな勇者を待ち……。そんな日々に飽きていた我。しかしいつのまにか人間の令嬢なんぞに転生していた。
何?我が居るせいで姉2人の結婚が決まらない?義母は毒殺しようとしてくるし、父親も基本我に関わらず。……ふむ。ならば我、好き勝手生きたいから出てく。
これは見た目は可憐な令嬢(中身数千年生きた魔王)が、元配下と料理長のせいでついた変な常識の元、無自覚チートで逞しく世界を進んで行くお話。
人質から始まった凡庸で優しい王子の英雄譚
咲良喜玖
ファンタジー
アーリア戦記から抜粋。
帝国歴515年。サナリア歴3年。
新国家サナリア王国は、超大国ガルナズン帝国の使者からの宣告により、国家存亡の危機に陥る。
アーリア大陸を二分している超大国との戦いは、全滅覚悟の死の戦争である。
だからこそ、サナリア王アハトは、帝国に従属することを決めるのだが。
当然それだけで交渉が終わるわけがなく、従属した証を示せとの命令が下された。
命令の中身。
それは、二人の王子の内のどちらかを選べとの事だった。
出来たばかりの国を守るために、サナリア王が判断した人物。
それが第一王子である【フュン・メイダルフィア】だった。
フュンは弟に比べて能力が低く、武芸や勉学が出来ない。
彼の良さをあげるとしたら、ただ人に優しいだけ。
そんな人物では、国を背負うことが出来ないだろうと、彼は帝国の人質となってしまったのだ。
しかし、この人質がきっかけとなり、長らく続いているアーリア大陸の戦乱の歴史が変わっていく。
西のイーナミア王国。東のガルナズン帝国。
アーリア大陸の歴史を支える二つの巨大国家を揺るがす英雄が誕生することになるのだ。
偉大なる人質。フュンの物語が今始まる。
他サイトにも書いています。
こちらでは、出来るだけシンプルにしていますので、章分けも簡易にして、解説をしているあとがきもありません。
小説だけを読める形にしています。
美しくも残酷な世界に花嫁(仮)として召喚されたようです~酒好きアラサーは食糧難の世界で庭を育てて煩悩のままに生活する
くみたろう
ファンタジー
いつもと変わらない日常が一変するのをただの会社員である芽依はその身をもって知った。
世界が違った、価値観が違った、常識が違った、何もかもが違った。
意味がわからなかったが悲観はしなかった。
花嫁だと言われ、その甘い香りが人外者を狂わすと言われても、芽依の周りは優しさに包まれている。
そばに居るのは巨大な蟻で、いつも優しく格好良く守ってくれる。
奴隷となった大好きな二人は本心から芽依を愛して側にいてくれる。
麗しい領主やその周りの人外者達も、話を聞いてくれる。
周りは酷く残酷な世界だけれども、芽依はたまにセクハラをして齧りつきながら穏やかに心を育み生きていく。
それはこの美しく清廉で、残酷でいておぞましい御伽噺の世界の中でも慈しみ育む人外者達や異世界の人間が芽依を育て守ってくれる。
お互いの常識や考えを擦り合わせ歩み寄り、等価交換を基盤とした世界の中で、優しさを育てて自分の居場所作りに励む。
全ては幸せな気持ちで大好きなお酒を飲む為であり、素敵な酒のつまみを開発する日々を送るためだ。
元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜
ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。
社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。
せめて「男」になって死にたかった……
そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった!
もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!
成り上がり令嬢暴走日記!
笹乃笹世
恋愛
異世界転生キタコレー!
と、テンションアゲアゲのリアーヌだったが、なんとその世界は乙女ゲームの舞台となった世界だった⁉︎
えっあの『ギフト』⁉︎
えっ物語のスタートは来年⁉︎
……ってことはつまり、攻略対象たちと同じ学園ライフを送れる……⁉︎
これも全て、ある日突然、貴族になってくれた両親のおかげねっ!
ーー……でもあのゲームに『リアーヌ・ボスハウト』なんてキャラが出てた記憶ないから……きっとキャラデザも無いようなモブ令嬢なんだろうな……
これは、ある日突然、貴族の仲間入りを果たしてしまった元日本人が、大好きなゲームの世界で元日本人かつ庶民ムーブをぶちかまし、知らず知らずのうちに周りの人間も巻き込んで騒動を起こしていく物語であるーー
果たしてリアーヌはこの世界で幸せになれるのか?
周りの人間たちは無事でいられるのかーー⁉︎
前世は最悪だったのに神の世界に行ったら神々全員&転生先の家族から溺愛されて幸せ!?しかも最強➕契約した者、創られた者は過保護すぎ!他者も!?
a.m.
ファンタジー
主人公柳沢 尊(やなぎさわ たける)は最悪な人生だった・・耐えられず心が壊れ自殺してしまう。
気が付くと神の世界にいた。
そして目の前には、多数の神々いて「柳沢尊よ、幸せに出来なくてすまなかった転生の前に前の人生で壊れてしまった心を一緒に治そう」
そうして神々たちとの生活が始まるのだった...
もちろん転生もします
神の逆鱗は、尊を傷つけること。
神「我々の子、愛し子を傷つける者は何であろうと容赦しない!」
神々&転生先の家族から溺愛!
成長速度は遅いです。
じっくり成長させようと思います。
一年一年丁寧に書いていきます。
二年後等とはしません。
今のところ。
前世で味わえなかった幸せを!
家族との思い出を大切に。
現在転生後···· 0歳
1章物語の要点······神々との出会い
1章②物語の要点······家族&神々の愛情
現在1章③物語の要点······?
想像力が9/25日から爆発しまして増えたための変えました。
学校編&冒険編はもう少し進んでから
―――編、―――編―――編まだまだ色んなのを書く予定―――は秘密
処女作なのでお手柔らかにお願いします。文章を書くのが下手なので誤字脱字や比例していたらコメントに書いていただけたらすぐに直しますのでお願いします。(背景などの細かいところはまだ全く書けないのですいません。)主人公以外の目線は、お気に入り100になり次第別に書きますのでそちらの方もよろしくお願いします。(詳細は200)
感想お願いいたします。
❕只今話を繋げ中なためしおりの方は注意❕
目線、詳細は本編の間に入れました
2020年9月毎日投稿予定(何もなければ)
頑張ります
(心の中で読んでくださる皆さんに物語の何か案があれば教えてほしい~~🙏)と思ってしまいました。人物、魔物、物語の流れなど何でも、皆さんの理想に追いつくために!
旧 転生したら最強だったし幸せだった
森に捨てられた俺、転生特典【重力】で世界最強~森を出て自由に世界を旅しよう! 貴族とか王族とか絡んでくるけど暴力、脅しで解決です!~
WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
事故で死んで異世界に転生した。
十年後に親によって俺、テオは奴隷商に売られた。
三年後、奴隷商で売れ残った俺は廃棄処分と称されて魔物がひしめく『魔の森』に捨てられてしまう。
強力な魔物が日夜縄張り争いをする中、俺も生き抜くために神様から貰った転生特典の【重力】を使って魔物を倒してレベルを上げる日々。
そして五年後、ラスボスらしき美女、エイシアスを仲間にして、レベルがカンスト俺たちは森を出ることに。
色々と不幸に遇った主人公が、自由気ままに世界を旅して貴族とか王族とか絡んでくるが暴力と脅しで解決してしまう!
「自由ってのは、力で手に入れるものだろ? だから俺は遠慮しない」
運命に裏切られた少年が、暴力と脅迫で世界をねじ伏せる! 不遇から始まる、最強無双の異世界冒険譚!
◇9/25 HOTランキング(男性向け)1位
◇9/26 ファンタジー4位
◇月間ファンタジー30位
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる