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ユミコ争奪編

第32話 勇者硬くなる

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 ついに始まったユミコ争奪戦。
 俺は赤髪の女性に首4の字をきめるのだが、色々あって俺の股間は硬くなってしまった。


「おのれ、なんて卑猥なヤツなんだ。」
 銀髪の女性が、わなわな震えている。

 あ、いや、これ不可抗力だからね。
 俺はその誤解を解きたくても、股間をふくらましたまま、立ち上がるわけにもいかない。
 ここは股間が鎮まるのを待って、それから首4の字を解くのがベスト。

 なんだけど、やばい。
 この赤髪の女性は、普通に美しすぎる美女だ。
 それは、四人全員に言える事だが。
 それを意識したら、俺の股間も硬さを増す。
 鎮まる気配はない。

「ひ、」
 赤髪の女性は、硬さが増してくのを直に感じ、さらに怯える。
 うーん、これはやばい。
 ここまできたら、溜まったモノを出さないと、鎮まらないかもしれない。

「さあ勇者ユウタ、このまま公開凌辱を始めてしまうのかぁ!」
 ユミコの実況に、会場が静まりかえる。
 俺の出かたを、会場中が注目してやがる。
 それにしてもユミコのヤツ、なんて実況しやがるんだ。
 俺が出すしかないのかと思ったら、的確に実況しやがった。

「させない、させないぞ、そんな事は!」
 銀髪の女性が、怒り狂う。
 両手に剣を持って、鬼の形相で近づいてくる。

「待ってマイン!」
「今はユアの命がかかってるのよ!」
 金髪と青髪の女性が、銀髪の女性を止めにはいる。

「く、殺せ。」
 とうとう赤髪の女性は、そのセリフを口にする。
「このまま生き恥を晒すくらいなら、死んだ方がマシだ!」

「ああっと、勇者ユウタ、ついにこのセリフを言わせてしまったぁ!
 何という鬼畜の所業!
 勇者を名乗る者が、こんな事をしていいのかぁ!
 美しい女性勇者が、このまま汚されてしまうのかぁ!」
 ちょっとユミコさん、なんでノリノリで、そんな実況してるんですか。
 変な方向に持ってかないで下さいよ!

「許せ、ユア。
 こんな男を、あの女性と組ませる訳にはいかない。」
 銀髪の女性は、涙を流しながら歩み寄ってくる。
 彼女を抑えていたふたりの女性も、銀髪の女性を解き放ち、うつむいて涙に身体を震わせている。

 って、なんだよこの流れ。
 完全に俺が悪役じゃないか!
 ここは、試合放棄してでも、逃げ出した方がいい!
 変な悪評が広まったら、今後の勇者活動に支障をきたす!
 もう手遅れかもだけど。

 そんな俺の両足を、赤髪の女性がガッチリ抑える。
 え?ちょっと?何してんですか?
 そのまま逃げれば、良くないじゃないですか?
 つか、この騒ぎになってから、俺の首4の字はゆるまったままだったぞ。
 なんで逃げなかったんだよ!

「やれ、マイン。
 あの女性の事、頼んだぞ!」
「ああ、後は任せろ!」

 銀髪の女性が、剣を振り下ろす!
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