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Episode4 京子

プロローグ

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 その闇が燻ぶり出したのは、もう何十年も前の事だ。

 アルガス解放の少し前、外の世界に自由を求めた男が居た。
 彼は自らの意思で檻を抜け銀環ぎんかんを外したが、理想とかけ離れた現実に苦悩し、一人の女を助けて死んでいった。

 もう一人は、生きる理由を探していた。
 男は外の世界を彷徨い、唐突に彼と出会う。

 そんな二人に関わった彼は、正義を唱えて三人目のキーダーへ手を差し伸べた。

「ねぇ、俺と手を組まない? こんな不条理な世の中を変えられるのは、痛みを知った人間だけだろう?」

 絶望の淵に居た少年は、男の暗い瞳から逃れることができなかった。むしろその言葉が唯一の救いに聞こえたのだ。

 だから、迷わずに手を取った。
 望まぬ未来を引き起こす歯車の一つになるとも知らずに──


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