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06 それぞれの魔法使い(上)
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リーベルが啖呵を切った後、一同は食事を済ませ砦の訓練所へと赴いた。
彼女は鍋壺を固い地面の上に置くと、片手で長い棒を意気揚々と回す。
「ふっふっふっ。これからお鍋の魅力を隊長さんに存分にお伝えしちゃいます! 腕が鳴りますよぉ!」
「おー、たのしみです」
レクティタがパチパチと手を鳴らすと、リーベルは答えるように鍋の縁を棒で叩いた。レクティタの後ろで待機している男達が、こそこそと話し合う。
「ひひ……なんであんなに張り切っているの、リーベルちゃん」
「意外と子供好きっぽいみたいですね。『お姉ちゃんの血が騒ぐ』って昨夜言っていました」
『だがリーベルが張り切ると、その、大概ろくな目に合わない気が……』
男達の心配を露も知らず、リーベルは得意気に己の魔法を説明し始めた。
「私の魔法は、ご存知の通り『鍋魔法』です! お鍋は生命の源なのです。肉片を煮込めば体を作り、血液を混ぜれば心が宿り、その上薬の生成や料理までできちゃう最強万能唯一無二の魔法道具! 素晴らしいでしょう?」
「??」
レクティタが疑問符を浮かべていると、隣のフトゥが補足した。
「つまり、リーベルの魔法はあの大鍋を使用して、命を付与することができるのじゃ。言葉で説明するより見せた方が早いんじゃないか?」
フトゥは足元にあった石を拾い、リーベルに向かって投げる。彼女は鍋を少し傾け、放物線線を描いて落ちてきた石をそのまま鍋の中に受け入れた。
「それもそうですね。では、隊長さん。一緒にお鍋をぐるぐるしましょう!」
リーベルは膝を付き持っていた棒を鍋に入れ、レクティタを手招きする。
よそよそしくレクティタが木製の棒を両手で握ると、リーベルは歌うように鍋をかき混ぜ始めた。
「ぐるぐるぐるぐる、回しましょう、かき回しましょう。回せば回すほど、幸せになりますから」
「こ、こう……?」
ぎこちなく腕を動かすレクティタに、リーベルは「上手、上手です!」と背中を押す。
「もっともっと回しましょう! ぐるぐるぐるぐる、目が回っちゃうぐらい!」
「ぐ、ぐるぐる」
リーベルの言う通り大げさにかき回せば、乾いた鍋底から水が湧いてくる。リーベルが棒を伝って魔力を鍋に注いだのだ。
ぐつぐつと音を立てながら緑色に怪しく発光するそれに、レクティタは目を輝かせる。幼き隊長が驚く姿に、鍋の魔法使いは悪戯が成功したように笑った。
「そう! その調子です! もっともっと、ぐるぐる、ぐるぐるー」
「ぐ、ぐるぐる、ぐるぐるー」
「ぐるぐる、ぐるぐる」
「ぐるぐる、えへへ。ぐるぐるー」
楽しくなってきたのか、レクティタは段々と棒を回す動きを速くしていった。
比例して緑色の発光も強くなっていき、鍋がガタガタとひとりでに揺れる。
「魔力の入れすぎではないか?」、と後ろに控えていた男達が嫌な予感を覚える中、リーベルがトドメと言わんばかりに宣言した。
「さあて、ここで最後の仕上げです! 勢いよく締めの魔力をドーン!!」
「どーん!!」
リーベルは手のひらに上に緑色に発光した球体を出現させると、言葉と共に鍋に投げ入れた。レクティタが彼女の真似をした直後、鍋の中身が爆発した。
大量の煙が周囲に立ち上る。レクティタが咳き込みながらも目を開ければ、大きな影が自身をすっぽりと覆っているではないか。日の光を遮る正体を知るため上を見てみると――
「わあ!? なにこれ!?」
砦より大きい、岩で出来た人形がそこにいた。
安物の人形と同様、人型に作られているだけで頭はあっても顔はなく、手足の指すら存在していない。突如現れて謎の物体にレクティタが困惑していると、「これはゴーレムっていうんです」と煙を払いながらリーベルが言った。
「ご覧の通り、これが鍋魔法の力です! そこらへんにある石ころをお鍋で魔力と混ぜるだけで、あら不思議。何でも言うことを聞いてくれる魔法生物の出来上がりです!」
「へぇ~。それが、リーベルおねえちゃんのお仕事なの?」
「ええ。ここは人手が少ないでしょう? だから、洗濯や掃除とかの雑務はゴーレムに任せているんです。それから門番とかも。私だってちゃんと働いているんですよぉ~」
「そうなんだー」
レクティタの頭上にパラパラと土塊が降ってくる。後ろで控えていた男達が、一瞬で血相を変えた。
「じゃあ、この大きなゴーレムも、おそうじできるんだ」
「あっはっはっはっ。本当はそうなんですけどね~。大きすぎてほぼハリボテですね~。魔力注ぎすぎました。そろそろ崩れます」
「えっ」
落ちてくる土塊の量は増え、ぐらりと頭上の影が揺らぐ。見れば、巨大なゴーレムがこちら側に倒れようとしてきているではないか。「あわわわわわー!!」と動揺するレクティタに対し、リーベルはやけに呑気な仕草で後ろを振り返った。
「結界お願いします、アルカナ」
彼女は鍋壺を固い地面の上に置くと、片手で長い棒を意気揚々と回す。
「ふっふっふっ。これからお鍋の魅力を隊長さんに存分にお伝えしちゃいます! 腕が鳴りますよぉ!」
「おー、たのしみです」
レクティタがパチパチと手を鳴らすと、リーベルは答えるように鍋の縁を棒で叩いた。レクティタの後ろで待機している男達が、こそこそと話し合う。
「ひひ……なんであんなに張り切っているの、リーベルちゃん」
「意外と子供好きっぽいみたいですね。『お姉ちゃんの血が騒ぐ』って昨夜言っていました」
『だがリーベルが張り切ると、その、大概ろくな目に合わない気が……』
男達の心配を露も知らず、リーベルは得意気に己の魔法を説明し始めた。
「私の魔法は、ご存知の通り『鍋魔法』です! お鍋は生命の源なのです。肉片を煮込めば体を作り、血液を混ぜれば心が宿り、その上薬の生成や料理までできちゃう最強万能唯一無二の魔法道具! 素晴らしいでしょう?」
「??」
レクティタが疑問符を浮かべていると、隣のフトゥが補足した。
「つまり、リーベルの魔法はあの大鍋を使用して、命を付与することができるのじゃ。言葉で説明するより見せた方が早いんじゃないか?」
フトゥは足元にあった石を拾い、リーベルに向かって投げる。彼女は鍋を少し傾け、放物線線を描いて落ちてきた石をそのまま鍋の中に受け入れた。
「それもそうですね。では、隊長さん。一緒にお鍋をぐるぐるしましょう!」
リーベルは膝を付き持っていた棒を鍋に入れ、レクティタを手招きする。
よそよそしくレクティタが木製の棒を両手で握ると、リーベルは歌うように鍋をかき混ぜ始めた。
「ぐるぐるぐるぐる、回しましょう、かき回しましょう。回せば回すほど、幸せになりますから」
「こ、こう……?」
ぎこちなく腕を動かすレクティタに、リーベルは「上手、上手です!」と背中を押す。
「もっともっと回しましょう! ぐるぐるぐるぐる、目が回っちゃうぐらい!」
「ぐ、ぐるぐる」
リーベルの言う通り大げさにかき回せば、乾いた鍋底から水が湧いてくる。リーベルが棒を伝って魔力を鍋に注いだのだ。
ぐつぐつと音を立てながら緑色に怪しく発光するそれに、レクティタは目を輝かせる。幼き隊長が驚く姿に、鍋の魔法使いは悪戯が成功したように笑った。
「そう! その調子です! もっともっと、ぐるぐる、ぐるぐるー」
「ぐ、ぐるぐる、ぐるぐるー」
「ぐるぐる、ぐるぐる」
「ぐるぐる、えへへ。ぐるぐるー」
楽しくなってきたのか、レクティタは段々と棒を回す動きを速くしていった。
比例して緑色の発光も強くなっていき、鍋がガタガタとひとりでに揺れる。
「魔力の入れすぎではないか?」、と後ろに控えていた男達が嫌な予感を覚える中、リーベルがトドメと言わんばかりに宣言した。
「さあて、ここで最後の仕上げです! 勢いよく締めの魔力をドーン!!」
「どーん!!」
リーベルは手のひらに上に緑色に発光した球体を出現させると、言葉と共に鍋に投げ入れた。レクティタが彼女の真似をした直後、鍋の中身が爆発した。
大量の煙が周囲に立ち上る。レクティタが咳き込みながらも目を開ければ、大きな影が自身をすっぽりと覆っているではないか。日の光を遮る正体を知るため上を見てみると――
「わあ!? なにこれ!?」
砦より大きい、岩で出来た人形がそこにいた。
安物の人形と同様、人型に作られているだけで頭はあっても顔はなく、手足の指すら存在していない。突如現れて謎の物体にレクティタが困惑していると、「これはゴーレムっていうんです」と煙を払いながらリーベルが言った。
「ご覧の通り、これが鍋魔法の力です! そこらへんにある石ころをお鍋で魔力と混ぜるだけで、あら不思議。何でも言うことを聞いてくれる魔法生物の出来上がりです!」
「へぇ~。それが、リーベルおねえちゃんのお仕事なの?」
「ええ。ここは人手が少ないでしょう? だから、洗濯や掃除とかの雑務はゴーレムに任せているんです。それから門番とかも。私だってちゃんと働いているんですよぉ~」
「そうなんだー」
レクティタの頭上にパラパラと土塊が降ってくる。後ろで控えていた男達が、一瞬で血相を変えた。
「じゃあ、この大きなゴーレムも、おそうじできるんだ」
「あっはっはっはっ。本当はそうなんですけどね~。大きすぎてほぼハリボテですね~。魔力注ぎすぎました。そろそろ崩れます」
「えっ」
落ちてくる土塊の量は増え、ぐらりと頭上の影が揺らぐ。見れば、巨大なゴーレムがこちら側に倒れようとしてきているではないか。「あわわわわわー!!」と動揺するレクティタに対し、リーベルはやけに呑気な仕草で後ろを振り返った。
「結界お願いします、アルカナ」
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