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18 石窯の新調
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ユーカリという青年は噂とは違う性格だと、サリクスはここ数日の間でよく理解していた。
人伝では、気難しく人間嫌いという話だった。無愛想で他人と必要最低限しか関わらず、いつも一人だったらしい。戦場では独断専行も多かったとか。そのため、同僚や他部署との衝突も少なくなかったという。
サリクスも最初、ユーカリのことをとっつきにくい竜人なのだと想像していた。実際、初めて顔を合わせた時は取り付く島もなかった。
だが、ユーカリは、雨に濡れたサリクスを世話を焼いたり、しばらくの間面倒を見たりなど、噂とは正反対な行動を取った。ククリの客達とのやりとりでも、険悪な雰囲気はなく、むしろ仲良さげだ。
ただ、火のないところに煙は立たないように、噂の内容が全て間違っていたわけではない。
彼はお人好しではあったが、人嫌い——正確には、人間(・・)嫌いであった。
そのため彼の顧客のほとんどが亜人であり、今回も例に漏れなかった。
「いやあ、悪いな。ユーカリ。急に呼び出しちまってよ」
「構わないさ。俺の店にもようやく新人が入ってきたからな。いい機会だ、勉強させてもらうぜ」
「おいおい、俺の店を実験台にするなよ——て、なんだぁ、このちびっ子いのが噂の新人か」
サリクスはユーカリに連れられ、ククリにある大衆食堂に来ていた。
店のカウンターで彼と親しげに会話しているのは、筋肉隆々の大男。厳つい顔はまるで鬼のように恐ろしく、目を引く二本の角は鋭く大きい。身体の所々に纏っている炎と、笑い声と共に口から漏れる熱気に押され、サリクスは思わず後ずさった。
この人物こそ、今回の依頼主、火の魔人イフリートだ。
亜人の中でも特に魔法に秀でている種族。彼は物珍しげな目でサリクスを観察し、ユーカリへ言った。
「ほぉ。いかにもお嬢様って感じの娘っ子だな。なんだ、お前、お偉いさんの子供でも預かっているのか? それとも、こういうのが好みだったのか? 案外素直な趣味してるしな、お前」
「無駄口を叩いた分修理代を割増にするぞ。後ろの娘が、新人のサリクスだ。サリクス、こいつはこの店の店主、フラマだ」
「サリクスと申します。よろしくお願いします」
ユーカリに紹介され、サリクスは丁寧に頭を下げた。初めての外部の仕事で緊張していたが、顔に出さないよう気をつけて微笑む。
彼女の洗練された雰囲気は活気と安さが売りの食堂とは不釣り合いで、店主はその場違いさに苦笑した。
「ああ、よろしくな。ユーカリが雇っているぐらいだ、魔法の腕には期待しているぜ」
「はい。ご期待に添えるよう努力します」
「ガハハ、そんな畏まらなくても平気だぜ、サリクス。若い頃からしっかりしすぎると、色々と損するぞ。ま、生意気すぎても俺の炎で焼いちまうがな、ガハハ!」
フラムは口から火を吹きながら豪快に笑った。反応に困ったサリクスを見かねて、ユーカリが口を挟む。
「氷の妖精も凍っちまうような冗談はおいといて、フラム、ぶっ壊れた石窯ってのはどれだ? それが使えないと店が開けられねえんだろ。さっさと直しちまおうぜ」
「ああ、頼むぜ。なんせウチの看板メニューはアイツでしか作れないからな。ほれ、見てほしい石窯はこっちだ」
フラムはカウンターの奥を指差し、二人を厨房へ案内した。
厨房には調理台や竈が備え付けられており、天井から肉や魚、野菜を吊るしている。嗅ぎ慣れない生臭さの中、サリクスは件の石窯をすぐに見つけた。
「おいおい、こりゃあ……」
ユーカリが絶句する。
さほど広くない厨房の奥を陣取っている石窯は、半球状に積まれた煉瓦が崩れ、半分ほどが無くなっていた。所々焦げてあり、特に煉瓦が崩れている境目は赤茶色の氷柱ができている。煉瓦が溶けて固まった、ということだろうか。
原型を失った石窯にユーカリが言葉を失っていると、バツが悪そうにフラムが言った。
「いやあ、ちょいっと失敗しちまってよぉ……久々に派手にやっちまったわけだ。どうだ、直せるか?」
「流石にこれは新調しなきゃ無理だ……それよりも、俺は今、ここで火事が起きなかったことに安堵している……下手すれば、ククリ一帯が火の海になってたぞ」
サリクスが「それほどの火力なのですか?」と驚くと、フラムが誇らしげに言った。
「俺たちイフリートは、鉄どころか岩をドロドロに溶かせるほどの炎を操れる。そんな特技を活かして、石みたく固い魔物——例えば、ガーゴイルとかを調理してるってわけだ。……まあ、普通の調理器具はそんな高火力に耐えられるわけねえから、こうして特製の魔道具を使っているわけだが——」
見事に壊してしまい、困っているというわけだ。
サリクスは無惨な姿となった石窯から、ユーカリを見た。どうやらこれほどの損傷は予想外だったらしい。彼は珍しく弱音を吐いた。
「参ったな。一から釜を作るとなれば、材料の調達、魔法の調整諸々含めて一ヶ月はかかる。今すぐは無理だフラム。こいつで作ってた料理はしばらく出せねえぞ」
「一ヶ月!? そんなにかかるのか!? 看板メニューの『岩亀の丸焼き』はコイツがねえと作れねえんだ。一ヶ月も間が空いちゃあ、客が逃げちまうよ。なんとかしてくれねえか、ユーカリ。金なら弾むからよお」
「無茶言うな。だいたい、俺に正確な状況を伝えなかったお前が悪い。こんだけ派手にぶっ壊していると知っていれば、先に材料ぐらい手配していた。無理なもんは無理だ」
ユーカリはフラムの懇願をバッサリと切り捨た。腕を組み、損傷した石窯をまじまじと見る。
「それにしても、火の魔法に長けているお前が珍しい。一体なにがあったんだ?」
「ああ、それは……」
その時、サリクスの足に何かがぶつかった。驚いた彼女が下を向けば、子供のイフリートがサリクスのスカートを引っ張っていた。
「いしがま、直らないの……?」
「えっと、あなたは」
「うぅ……」
サリクスが狼狽えていると、子供が泣き始めてしまった。
二人の様子に気づいたフラムが「ホムラ!」と近づき、子供を抱き上げた。
「どうした。ママと一緒じゃないのか」
「こっそりこっちに来たの……いしがま、直らないの?」
「あーいや、それは――」
「……やっぱり、直らないんだ。ホムラがこわしたせいで……ごめんなさい……」
ぐすぐすと鼻を鳴らすホムラに、ユーカリは事情を察したようだ。
彼は眉間に皺を寄せ、頭を掻いたあと、ぶっきらぼうに言った。
「あー……すぐには直せねえが、営業に支障がないように手を打つことはできるぞ」
本当か、とフラムが驚く。ユーカリは、ホムラとサリクスを指差した。
「そのためには、そこのチビ助にも協力してもらうぜ。サリクス、今回は俺の手助けはなしで、自力で解決してみろ」
話を呑み込めていないホムラがサリクスを見る。サリクスは、胸の前で手を組み、こくりと頷いた。
「わかりました。それで、何をすれば良いのでしょうか」
「なに、サリクスとフラムの娘がいれば簡単にできるさ」
ユーカリはポケットから赤い魔石を取り出して、サリクスに渡した。
「それを使って、仮の石窯をつくればいいのさ」
人伝では、気難しく人間嫌いという話だった。無愛想で他人と必要最低限しか関わらず、いつも一人だったらしい。戦場では独断専行も多かったとか。そのため、同僚や他部署との衝突も少なくなかったという。
サリクスも最初、ユーカリのことをとっつきにくい竜人なのだと想像していた。実際、初めて顔を合わせた時は取り付く島もなかった。
だが、ユーカリは、雨に濡れたサリクスを世話を焼いたり、しばらくの間面倒を見たりなど、噂とは正反対な行動を取った。ククリの客達とのやりとりでも、険悪な雰囲気はなく、むしろ仲良さげだ。
ただ、火のないところに煙は立たないように、噂の内容が全て間違っていたわけではない。
彼はお人好しではあったが、人嫌い——正確には、人間(・・)嫌いであった。
そのため彼の顧客のほとんどが亜人であり、今回も例に漏れなかった。
「いやあ、悪いな。ユーカリ。急に呼び出しちまってよ」
「構わないさ。俺の店にもようやく新人が入ってきたからな。いい機会だ、勉強させてもらうぜ」
「おいおい、俺の店を実験台にするなよ——て、なんだぁ、このちびっ子いのが噂の新人か」
サリクスはユーカリに連れられ、ククリにある大衆食堂に来ていた。
店のカウンターで彼と親しげに会話しているのは、筋肉隆々の大男。厳つい顔はまるで鬼のように恐ろしく、目を引く二本の角は鋭く大きい。身体の所々に纏っている炎と、笑い声と共に口から漏れる熱気に押され、サリクスは思わず後ずさった。
この人物こそ、今回の依頼主、火の魔人イフリートだ。
亜人の中でも特に魔法に秀でている種族。彼は物珍しげな目でサリクスを観察し、ユーカリへ言った。
「ほぉ。いかにもお嬢様って感じの娘っ子だな。なんだ、お前、お偉いさんの子供でも預かっているのか? それとも、こういうのが好みだったのか? 案外素直な趣味してるしな、お前」
「無駄口を叩いた分修理代を割増にするぞ。後ろの娘が、新人のサリクスだ。サリクス、こいつはこの店の店主、フラマだ」
「サリクスと申します。よろしくお願いします」
ユーカリに紹介され、サリクスは丁寧に頭を下げた。初めての外部の仕事で緊張していたが、顔に出さないよう気をつけて微笑む。
彼女の洗練された雰囲気は活気と安さが売りの食堂とは不釣り合いで、店主はその場違いさに苦笑した。
「ああ、よろしくな。ユーカリが雇っているぐらいだ、魔法の腕には期待しているぜ」
「はい。ご期待に添えるよう努力します」
「ガハハ、そんな畏まらなくても平気だぜ、サリクス。若い頃からしっかりしすぎると、色々と損するぞ。ま、生意気すぎても俺の炎で焼いちまうがな、ガハハ!」
フラムは口から火を吹きながら豪快に笑った。反応に困ったサリクスを見かねて、ユーカリが口を挟む。
「氷の妖精も凍っちまうような冗談はおいといて、フラム、ぶっ壊れた石窯ってのはどれだ? それが使えないと店が開けられねえんだろ。さっさと直しちまおうぜ」
「ああ、頼むぜ。なんせウチの看板メニューはアイツでしか作れないからな。ほれ、見てほしい石窯はこっちだ」
フラムはカウンターの奥を指差し、二人を厨房へ案内した。
厨房には調理台や竈が備え付けられており、天井から肉や魚、野菜を吊るしている。嗅ぎ慣れない生臭さの中、サリクスは件の石窯をすぐに見つけた。
「おいおい、こりゃあ……」
ユーカリが絶句する。
さほど広くない厨房の奥を陣取っている石窯は、半球状に積まれた煉瓦が崩れ、半分ほどが無くなっていた。所々焦げてあり、特に煉瓦が崩れている境目は赤茶色の氷柱ができている。煉瓦が溶けて固まった、ということだろうか。
原型を失った石窯にユーカリが言葉を失っていると、バツが悪そうにフラムが言った。
「いやあ、ちょいっと失敗しちまってよぉ……久々に派手にやっちまったわけだ。どうだ、直せるか?」
「流石にこれは新調しなきゃ無理だ……それよりも、俺は今、ここで火事が起きなかったことに安堵している……下手すれば、ククリ一帯が火の海になってたぞ」
サリクスが「それほどの火力なのですか?」と驚くと、フラムが誇らしげに言った。
「俺たちイフリートは、鉄どころか岩をドロドロに溶かせるほどの炎を操れる。そんな特技を活かして、石みたく固い魔物——例えば、ガーゴイルとかを調理してるってわけだ。……まあ、普通の調理器具はそんな高火力に耐えられるわけねえから、こうして特製の魔道具を使っているわけだが——」
見事に壊してしまい、困っているというわけだ。
サリクスは無惨な姿となった石窯から、ユーカリを見た。どうやらこれほどの損傷は予想外だったらしい。彼は珍しく弱音を吐いた。
「参ったな。一から釜を作るとなれば、材料の調達、魔法の調整諸々含めて一ヶ月はかかる。今すぐは無理だフラム。こいつで作ってた料理はしばらく出せねえぞ」
「一ヶ月!? そんなにかかるのか!? 看板メニューの『岩亀の丸焼き』はコイツがねえと作れねえんだ。一ヶ月も間が空いちゃあ、客が逃げちまうよ。なんとかしてくれねえか、ユーカリ。金なら弾むからよお」
「無茶言うな。だいたい、俺に正確な状況を伝えなかったお前が悪い。こんだけ派手にぶっ壊していると知っていれば、先に材料ぐらい手配していた。無理なもんは無理だ」
ユーカリはフラムの懇願をバッサリと切り捨た。腕を組み、損傷した石窯をまじまじと見る。
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「ああ、それは……」
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「いしがま、直らないの……?」
「えっと、あなたは」
「うぅ……」
サリクスが狼狽えていると、子供が泣き始めてしまった。
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「どうした。ママと一緒じゃないのか」
「こっそりこっちに来たの……いしがま、直らないの?」
「あーいや、それは――」
「……やっぱり、直らないんだ。ホムラがこわしたせいで……ごめんなさい……」
ぐすぐすと鼻を鳴らすホムラに、ユーカリは事情を察したようだ。
彼は眉間に皺を寄せ、頭を掻いたあと、ぶっきらぼうに言った。
「あー……すぐには直せねえが、営業に支障がないように手を打つことはできるぞ」
本当か、とフラムが驚く。ユーカリは、ホムラとサリクスを指差した。
「そのためには、そこのチビ助にも協力してもらうぜ。サリクス、今回は俺の手助けはなしで、自力で解決してみろ」
話を呑み込めていないホムラがサリクスを見る。サリクスは、胸の前で手を組み、こくりと頷いた。
「わかりました。それで、何をすれば良いのでしょうか」
「なに、サリクスとフラムの娘がいれば簡単にできるさ」
ユーカリはポケットから赤い魔石を取り出して、サリクスに渡した。
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