5 / 32
05 どうしてですか
しおりを挟む
「おお、帰ってきたか、サリクス。ほら、早く座りなさい」
クラフトの言葉通り、サリクスはヘレナの隣に腰を下ろした。青白い顔となった姉を見て、妹は勝ち誇ったような顔をする。
「あら、サリクスお姉様。随分と遅いお帰りで。ノエル殿下とのお話は楽しかったですか?」
「………」
何も言い返せず、サリクスは俯いた。膝の上でスカートを強く握る。
「ど、どうしてですか……」
声を震わせ、サリクスは言った。
「どうして、い、今になって、ヘレナを王妃に……」
かろうじて聞こえるほどの小声だった。ルージュが頬に手を当て、困ったように眉尻を下げる。
「それがね、サリクス。私たちにとっても急な話だったのよ」
「うむ。先日、ノエル殿下に突然ヘレナと恋仲だと打ち明けられてな。だから結婚するならば、ヘレナにしてくれないかと頼まれ、最初は断ったのだが——」
クラフトが妻に同意し、ちらりとヘレナを見た。
「ノエル殿下が既に国王夫妻から許可を頂いていると言ってな。陛下の意見を無下にできないことと、二人の意思が強かったこともあり、私たちも許したのだ」
「で、ですが! 王妃に選ばれるのに一番重要なのは、何より魔法の素質です! 私は精霊を使役できますが、ヘレナがそういった魔法を使えるなど聞いたことが——」
「ああ、それなら問題はない」サリクスの訴えを遮り、クラフトは髭を撫でながら言った。「ヘレナは今年、宮廷魔法士の試験を合格し、その上、最年少で白魔法部隊に入隊したんだ。これほどの実績があれば、文句を言う者は少ないさ」
「えっ……」
サリクスは目を見開き、驚きの声を漏らす。
魔法使いの頂点である宮廷魔法士の試験を突破するのも、そこで最高難易度の回復魔法を使役する白魔法部隊に入隊するのも、簡単なことではない。
大人ですら困難な道を、十六歳のヘレナが成し遂げたのは確かに凄いことだ。
だからこそ、サリクスは困惑した。
並の貴族ならば、一族総出で祝うほどの功績。とても名誉なことなのに、ヘレナが宮廷魔法士であることすら、今初めて知ったのだ。
俄には信じられない事実に、サリクスは思わず隣にいたヘレナを見た。
ヘレナは、自虐するように笑った。
「——サリクスお姉様は、私のことなど興味ありませんでしたから、知らないのも無理がありませんわ。王妃になるため、忙しい毎日を送っていましたし」
「そ、それは……」
サリクスはヘレナの言葉を否定できない。
血を分けた妹だが、幼少期からサリクスは勉強で忙しかったため、一緒に遊んだことも、姉妹らしい思い出なんかもない。ここ数年だって、ヘレナとまともに会話した数は片手で足りる。
それほど、サリクスはヘレナに構う余裕が無かった。
サリクスが何も言えず黙っていると、クラフトが話を再開し始めた。
「そういうことで、ヘレナが王妃になっても問題ないというわけだ。私たちも初めは迷ったが、ノエル殿下に説得されてな。セントアイビス家から王妃が選ばれさえすれば、どちらでも構わないはずだろう、と」
「——っ!」
どちらでも良い?
そんなこと、あってたまるものか。
だって、私、ずっと我慢してきたのに。王妃になるため努力してきたのに。
お父様も、お母様もそれをわかっているはずでしょ?
どちらでも良いなんてことない。私を選んでよ。ずっと昔から頑張ってきた、私を。
サリクスはそう言いたいのをグッと堪え、唇を噛んで、スカートを握る手を強めた。
父親から自分の意見を肯定する言葉を待つが、彼から発せられたのはサリクスが欲していたものとは正反対だった。
「殿下の言っていることも一理あると考えてなあ。別にサリクスでなくとも、二人のうち一方が選ばれれば、私たちはそれでいい」
サリクスが息を飲み、その肩が僅かに震えているのを、彼女の両親は気づかない。クラフトはふぅと息を吐き、髭を撫でる。
「とはいえ、一度正式に決めたことを覆すのだ。私の一存だけでは不安だった。そこで、ルージュと相談したのだ。どちらを差し出した方が公爵家のためだと」
「もともとは、サリクスの予定でした。王妃に相応しいよう、幼い頃から厳しく躾けてきたつもりです。サリクスは私たちの期待に見事応えて、ノエル殿下の婚約者に選ばれてくれました」
だからこそ、と、ルージュが続けた。
「今まであなたに無理を強いてきたのではないかと、お父様と考えたのです。私たちは、少々、厳しすぎたのではないかと」
(——え?)
サリクスは理解できないものを目の当たりにした気分だった。優しく微笑んでくる己の母親に、淀んだ黒い感情が湧いてくる。
「ずっと自分の時間を犠牲にして、公爵家のため頑張ってくれました。だから、もう、良いのではないかと。サリクスを解放しても良いのではないかと」
「ルージュの言う通りだ。サリクス、お前は今までよく頑張ってくれた。これからは、自由に生きていいんだ」
声を掛けてくる父親は、気遣っているようだった。その表情は、どこか満足気な様子だ。
二人の優しい眼差しに、サリクスはただただ呆然とした。
(——何を言っているんだろうか、この人たちは)
本当は着たかったピンクのドレスも、やってみたかった鷹狩りも諦めて、大嫌いな人に意地悪されても耐えて、悪口を言われても表ではにこにこ笑って。
王妃以外の夢を持つことは許されなくて、二人の顔色を窺って失望されないようにして、ノエルの機嫌を直すために自分の時間を犠牲にして。
王妃になるために我慢してきたのに。二人の願いを叶えるために、全部、全部、捨ててきたのに。
こんな簡単に、変えていいと思っているのか。たった一言で、私が報われると思っているのか。
十何年も捧げてきて、得られた結果が、過去にこそ欲しかった自由だなんて。
——じゃあ、私の人生、一体なんだったの。
「サリクス? どうしたの? 顔が真っ青よ。具合が悪いの?」
「疲れているのだろう。今日は色々あったからな。もう話は終わったから、部屋で休んでいなさい。私たちは、もう少しヘレナと相談する」
サリクスの両親は彼女の様子など気にも留めず、退出を促した。サリクスは虚な目をしたまま、いつも通りの従順な態度で返事をした。
「……はい。それでは、失礼いたします」
立ち上がり、黙って部屋から出ていくサリクスを、ヘレナが嘲笑っていたような気がした。
扉越しに聞こえてくる家族の楽しそうな話し声を背に、サリクスは覚束ない足取りで自室に戻った。
クラフトの言葉通り、サリクスはヘレナの隣に腰を下ろした。青白い顔となった姉を見て、妹は勝ち誇ったような顔をする。
「あら、サリクスお姉様。随分と遅いお帰りで。ノエル殿下とのお話は楽しかったですか?」
「………」
何も言い返せず、サリクスは俯いた。膝の上でスカートを強く握る。
「ど、どうしてですか……」
声を震わせ、サリクスは言った。
「どうして、い、今になって、ヘレナを王妃に……」
かろうじて聞こえるほどの小声だった。ルージュが頬に手を当て、困ったように眉尻を下げる。
「それがね、サリクス。私たちにとっても急な話だったのよ」
「うむ。先日、ノエル殿下に突然ヘレナと恋仲だと打ち明けられてな。だから結婚するならば、ヘレナにしてくれないかと頼まれ、最初は断ったのだが——」
クラフトが妻に同意し、ちらりとヘレナを見た。
「ノエル殿下が既に国王夫妻から許可を頂いていると言ってな。陛下の意見を無下にできないことと、二人の意思が強かったこともあり、私たちも許したのだ」
「で、ですが! 王妃に選ばれるのに一番重要なのは、何より魔法の素質です! 私は精霊を使役できますが、ヘレナがそういった魔法を使えるなど聞いたことが——」
「ああ、それなら問題はない」サリクスの訴えを遮り、クラフトは髭を撫でながら言った。「ヘレナは今年、宮廷魔法士の試験を合格し、その上、最年少で白魔法部隊に入隊したんだ。これほどの実績があれば、文句を言う者は少ないさ」
「えっ……」
サリクスは目を見開き、驚きの声を漏らす。
魔法使いの頂点である宮廷魔法士の試験を突破するのも、そこで最高難易度の回復魔法を使役する白魔法部隊に入隊するのも、簡単なことではない。
大人ですら困難な道を、十六歳のヘレナが成し遂げたのは確かに凄いことだ。
だからこそ、サリクスは困惑した。
並の貴族ならば、一族総出で祝うほどの功績。とても名誉なことなのに、ヘレナが宮廷魔法士であることすら、今初めて知ったのだ。
俄には信じられない事実に、サリクスは思わず隣にいたヘレナを見た。
ヘレナは、自虐するように笑った。
「——サリクスお姉様は、私のことなど興味ありませんでしたから、知らないのも無理がありませんわ。王妃になるため、忙しい毎日を送っていましたし」
「そ、それは……」
サリクスはヘレナの言葉を否定できない。
血を分けた妹だが、幼少期からサリクスは勉強で忙しかったため、一緒に遊んだことも、姉妹らしい思い出なんかもない。ここ数年だって、ヘレナとまともに会話した数は片手で足りる。
それほど、サリクスはヘレナに構う余裕が無かった。
サリクスが何も言えず黙っていると、クラフトが話を再開し始めた。
「そういうことで、ヘレナが王妃になっても問題ないというわけだ。私たちも初めは迷ったが、ノエル殿下に説得されてな。セントアイビス家から王妃が選ばれさえすれば、どちらでも構わないはずだろう、と」
「——っ!」
どちらでも良い?
そんなこと、あってたまるものか。
だって、私、ずっと我慢してきたのに。王妃になるため努力してきたのに。
お父様も、お母様もそれをわかっているはずでしょ?
どちらでも良いなんてことない。私を選んでよ。ずっと昔から頑張ってきた、私を。
サリクスはそう言いたいのをグッと堪え、唇を噛んで、スカートを握る手を強めた。
父親から自分の意見を肯定する言葉を待つが、彼から発せられたのはサリクスが欲していたものとは正反対だった。
「殿下の言っていることも一理あると考えてなあ。別にサリクスでなくとも、二人のうち一方が選ばれれば、私たちはそれでいい」
サリクスが息を飲み、その肩が僅かに震えているのを、彼女の両親は気づかない。クラフトはふぅと息を吐き、髭を撫でる。
「とはいえ、一度正式に決めたことを覆すのだ。私の一存だけでは不安だった。そこで、ルージュと相談したのだ。どちらを差し出した方が公爵家のためだと」
「もともとは、サリクスの予定でした。王妃に相応しいよう、幼い頃から厳しく躾けてきたつもりです。サリクスは私たちの期待に見事応えて、ノエル殿下の婚約者に選ばれてくれました」
だからこそ、と、ルージュが続けた。
「今まであなたに無理を強いてきたのではないかと、お父様と考えたのです。私たちは、少々、厳しすぎたのではないかと」
(——え?)
サリクスは理解できないものを目の当たりにした気分だった。優しく微笑んでくる己の母親に、淀んだ黒い感情が湧いてくる。
「ずっと自分の時間を犠牲にして、公爵家のため頑張ってくれました。だから、もう、良いのではないかと。サリクスを解放しても良いのではないかと」
「ルージュの言う通りだ。サリクス、お前は今までよく頑張ってくれた。これからは、自由に生きていいんだ」
声を掛けてくる父親は、気遣っているようだった。その表情は、どこか満足気な様子だ。
二人の優しい眼差しに、サリクスはただただ呆然とした。
(——何を言っているんだろうか、この人たちは)
本当は着たかったピンクのドレスも、やってみたかった鷹狩りも諦めて、大嫌いな人に意地悪されても耐えて、悪口を言われても表ではにこにこ笑って。
王妃以外の夢を持つことは許されなくて、二人の顔色を窺って失望されないようにして、ノエルの機嫌を直すために自分の時間を犠牲にして。
王妃になるために我慢してきたのに。二人の願いを叶えるために、全部、全部、捨ててきたのに。
こんな簡単に、変えていいと思っているのか。たった一言で、私が報われると思っているのか。
十何年も捧げてきて、得られた結果が、過去にこそ欲しかった自由だなんて。
——じゃあ、私の人生、一体なんだったの。
「サリクス? どうしたの? 顔が真っ青よ。具合が悪いの?」
「疲れているのだろう。今日は色々あったからな。もう話は終わったから、部屋で休んでいなさい。私たちは、もう少しヘレナと相談する」
サリクスの両親は彼女の様子など気にも留めず、退出を促した。サリクスは虚な目をしたまま、いつも通りの従順な態度で返事をした。
「……はい。それでは、失礼いたします」
立ち上がり、黙って部屋から出ていくサリクスを、ヘレナが嘲笑っていたような気がした。
扉越しに聞こえてくる家族の楽しそうな話し声を背に、サリクスは覚束ない足取りで自室に戻った。
30
お気に入りに追加
2,946
あなたにおすすめの小説

婚約破棄はまだですか?─豊穣をもたらす伝説の公爵令嬢に転生したけど、王太子がなかなか婚約破棄してこない
nanahi
恋愛
火事のあと、私は王太子の婚約者:シンシア・ウォーレンに転生した。王国に豊穣をもたらすという伝説の黒髪黒眼の公爵令嬢だ。王太子は婚約者の私がいながら、男爵令嬢ケリーを愛していた。「王太子から婚約破棄されるパターンね」…私はつらい前世から解放された喜びから、破棄を進んで受け入れようと自由に振る舞っていた。ところが王太子はなかなか破棄を告げてこなくて…?
公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌
招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」
毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。
彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。
そして…。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】「君を手に入れるためなら、何でもするよ?」――冷徹公爵の執着愛から逃げられません」
21時完結
恋愛
「君との婚約はなかったことにしよう」
そう言い放ったのは、幼い頃から婚約者だった第一王子アレクシス。
理由は簡単――新たな愛を見つけたから。
(まあ、よくある話よね)
私は王子の愛を信じていたわけでもないし、泣き喚くつもりもない。
むしろ、自由になれてラッキー! これで平穏な人生を――
そう思っていたのに。
「お前が王子との婚約を解消したと聞いた時、心が震えたよ」
「これで、ようやく君を手に入れられる」
王都一の冷徹貴族と恐れられる公爵・レオンハルトが、なぜか私に異常な執着を見せ始めた。
それどころか、王子が私に未練がましく接しようとすると――
「君を奪う者は、例外なく排除する」
と、不穏な笑みを浮かべながら告げてきて――!?
(ちょっと待って、これって普通の求愛じゃない!)
冷酷無慈悲と噂される公爵様は、どうやら私のためなら何でもするらしい。
……って、私の周りから次々と邪魔者が消えていくのは気のせいですか!?
自由を手に入れるはずが、今度は公爵様の異常な愛から逃げられなくなってしまいました――。
毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。
克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
もう私、好きなようにさせていただきますね? 〜とりあえず、元婚約者はコテンパン〜
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「婚約破棄ですね、はいどうぞ」
婚約者から、婚約破棄を言い渡されたので、そういう対応を致しました。
もう面倒だし、食い下がる事も辞めたのですが、まぁ家族が許してくれたから全ては大団円ですね。
……え? いまさら何ですか? 殿下。
そんな虫のいいお話に、まさか私が「はい分かりました」と頷くとは思っていませんよね?
もう私の、使い潰されるだけの生活からは解放されたのです。
だって私はもう貴方の婚約者ではありませんから。
これはそうやって、自らが得た自由の為に戦う令嬢の物語。
※本作はそれぞれ違うタイプのざまぁをお届けする、『野菜の夏休みざまぁ』作品、4作の内の1作です。
他作品は検索画面で『野菜の夏休みざまぁ』と打つとヒット致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる