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フィオライトの首飾り
いわれを確かめに
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「ちょっと!聞いてるの!」
キン、キンと注文品の腕輪を叩いて造形を整えているガインにヒステリックな声が浴びせられる。
「聞いてる、聞いてる」
視線も向けずに軽くあしらうように言う。
「ぜーったい、聞いてない!やめてよ、あんなもんアタシの近くに置くの!!」
深夜、もう人通りなどない時間。まだ徹夜で作業をしているだろう職人たちの生活音が多少聞こえるものの、静まり返り、カーテンの閉められた室内にはぼんやりランプの明かりがついているように見えているのだろう。
ガインの肩辺りに、トンボのような羽を持った小さな少女が金切り声を上げて文句を言っている。外から見えるカーテンの内側の明かりはランプの明かりではなく。この妖精の羽の光だった。
「だいたいね!アタシの光をランプ代わりにしないでよ!」
「経費節約だ」
「ケチ!王族御用達の彫金師に夜のランプ代くらいなんでもないでしょ!」
「まあな?ならお前、戻ってもいいんだぞ?」
う、と妖精の動きがおとなしくなる。ガインが指差した先は赤い宝石のついた指輪だった。
「あんな狭いとこ嫌よ!昼間はおとなしく中にいてあげてるんだから夜くらい自由にさせなさいよ!」
「なら役に立て。ほらもう少し手元照らせ」
「全く妖精使い荒いのよ!とにかく!アタシからあの木の箱もっと離して!アタシの指輪の近くにあるだけで気持ち悪くなるのよ!」
カタリ。と道具を置くと、ガインは赤い指輪の台座から夕刻買い受けた首飾りの木箱を別の棚に移動させた。
「これでいいか?ナーダ」
休憩も兼ねてカップに紅茶を注ぐ。そして小さな相方にハチミツの雫を落とした花びらを渡す。
「あんな気味悪いものよく買うわね、このアタシでも気持ち悪くて吐き気がするレベル!よっぽどの怨念か、執念みたいなもの溢れだしてるわよ?アンタが気づかないわけ無いでしょ」
優雅に紅茶をすすり、ガインはほっと息をつく。
「そりゃあ、な?でもオレにとっては大したことないのもわかってるだろう?」
やさしげに微笑む。
「で、どうすんのこれ。ただのコレクション?」
「いや?せっかく面白い話を聞かせてもらったのに、ハイそうですかじゃあもったいないじゃないか。少しばかり思い当たることもあってな」
壁にかけられたカレンダーもといスケジュール帳を見る。明日商品の納期の印が書かれているが、それ以降予定に印がなかった。
「出張にいくか、ナーダ。婚約者の実家とやらに行ってみようじゃないか」
---
エルダーから船で一日。さほど離れていない群島の街に目的地はあった。
ラフな作業着から黒いマントに黒い服を着込んだガインは、商人というよりは軍人のような様相だった。それはそれで都合がよいのであえてそのような格好を好んでいるフシもある。商人らしい格好で旅をすれば、持っているものや衣服の質から必ずガラの悪い者たちに絡まれるからだ。
紋や剣を下げていなくても、らしい出で立ちをするだけで抑止力にもなるし、なにしろ高身長に戦士なみの体躯を持ち合わせていれば、話し方を一つ工夫するだけでお忍びの要人のように勝手に勘違いしてもらえて情報が得やすかったりもした。
「剣くらいもてばいいのに」
指にはめられた赤い石の指輪からぼそっと声が漏れる。
「荷物になる」
「めんどくさがりね、かっこいいじゃない?剣持ってるほうが」
「余計な血も見たくないんでね」
整った街エルダーには劣るものの、小さな町ながら良い領主に恵まれているのだろうと思われる街道を進む。
聞き込みなどするまでもなく婚約者の実家は解った。エルダーでも有数の豪商に嫁いだとなれば町を上げての祝いごと。娘とダリルの似顔絵と祝辞がかかれたポスターが街のあちこちに貼られ、花が飾られていたからだ。
「あそこか」
町の広場正面に大きな店を構える仕立て屋が見えた。貴族たちが着るようなオーダメイドのハイブランドとはいかないが、町人のお洒落着用のドレスや帽子小物を扱う店のようだ。服にあわせて装飾品も飾られている。
あまりに交渉しやすい訪問先に余裕の顔をみせる。
「いらっしゃいませ、どのような服をお探しですか?これからは夏用のマントなどいかがでしょう?」
愛想のいい店主が出迎える。
「ああ、いいね。ちょうど新しいマントを誂えたいと思っていたところだ」
出されたサンプルを触り、丁寧な仕事をしていることを知る。そして、名刺を相手に差し出す。名前の上にある王族に献上品をしている店にのみ許される金の七つ星のマークを見ると、店主は声色を変えた。
ガインの彫金店は、本人の希望で大きな店構えはしてはいないものの質と技術では名のしれた一流ブランドでもあるのだ。
「実は新作のプロモーションに舞踏会の参加者全員にシュタインウッド作品を身に着けていただく企画を予定しておりまして。モデルの衣装を作っていただけるところを探しているのです」
国指折りの豪商に娘が嫁ぎ、国で有名なブランドから共同企画の依頼がきたことで店主は舞い上がっているようだった。
「それはそれは!詳しいお話をお聞かせいただきたいですな。それはもう、当店でご協力できることがあるなら何でも。ああ、お宿はお決まりで?よろしければごゆるりと我が家でお寛ぎください」
ガインは上品な営業スマイルを返す。
「一流ならね、自分で宿くらい取りなさいよ、いいところに。そこに相手を呼ぶのが格ってののみせどころじゃないの??」
あてがわれた客室で寛いでいると、指輪からナーダが現れる。
「経費節約だ。それに往復する手間も省けるだろう」
「ケチ!めんどくさがり!見事に社会に溶け込み始めたわね」
ナーダの文句にふふっと笑う。
「楽しくていいじゃないか」
持ってきたいわくつきの首飾りを指でくるくる回しながら文句に答える。
「いや!やめて!そんなもの近づけないで!」
ひゅっと部屋の隅に逃げるナーダを見てははっと軽く笑った。
「さて」
首飾りをおいて、曰くの石に触れる。
「さぁ、お前の家に帰ってきたぞ?どうだ、話すことはあるか」
ズ、と部屋の空気が重くなったような気がした。空気も数度温度が下がったようにも思える。
オオ、オ、オオオオオ……
恨みがましい呻きが響く。
「まってよ!バカ!いきなり始めないでよ!!」
ナーダがテーブルに置かれた銀の食器の影に身を隠して文句を言う。
「ほら、話してみろ。声になってないぞ?言葉も忘れるほど恨みに飲まれたか」
いじめだ。ナーダは食器に隠れながらガインの顔を見たがよくいる霊媒師やらが神妙な顔をして仰々しくしそうなシーンでこの男は薄ら笑いを浮かべている。
「どうした、人ひとり怯えさせて生気を失わせるくらいの力があるんだろう?話すこともできないか、力が足りないか。オレの力を貸してやろうか」
ガインの瞳が濃い灰色から紫色に光る。首飾りから放たれた冷気より、より一層重たい空気が広がり、窓のガラスを小刻みにピリピリ震わせている。
そのあまりの圧にナーダは指輪の中に身を隠してしまった。
ゆる、さない、ゆるさな、い…
首飾りから低い男の声が悔しげに、人の言葉になって聞こえだす。
「主語がないぞ、訴えるならわかりやすいようにうったえろ。察してで世の中通じると思うなよ」
おそらく。普通なら恐ろしい声が響くハイライト的なシーン。霊だのの存在が人々に恐怖を与えるところなのだろうが…容赦なく弄っている。普段おとなしく営業スマイルで客に対応し、修行僧のようにストイックに彫金作業に没頭している反動か。こういうときには必要以上に弄るのだ。これでは、ゆるさないと怨声を上げた霊も形無しである。
……………
「黙るな」
完全に遊んでいた。クックッと笑いをこらえながらガインは石に自らの力を注ぎ込む。次第に、部屋に一人の男の姿が形をなした。
キン、キンと注文品の腕輪を叩いて造形を整えているガインにヒステリックな声が浴びせられる。
「聞いてる、聞いてる」
視線も向けずに軽くあしらうように言う。
「ぜーったい、聞いてない!やめてよ、あんなもんアタシの近くに置くの!!」
深夜、もう人通りなどない時間。まだ徹夜で作業をしているだろう職人たちの生活音が多少聞こえるものの、静まり返り、カーテンの閉められた室内にはぼんやりランプの明かりがついているように見えているのだろう。
ガインの肩辺りに、トンボのような羽を持った小さな少女が金切り声を上げて文句を言っている。外から見えるカーテンの内側の明かりはランプの明かりではなく。この妖精の羽の光だった。
「だいたいね!アタシの光をランプ代わりにしないでよ!」
「経費節約だ」
「ケチ!王族御用達の彫金師に夜のランプ代くらいなんでもないでしょ!」
「まあな?ならお前、戻ってもいいんだぞ?」
う、と妖精の動きがおとなしくなる。ガインが指差した先は赤い宝石のついた指輪だった。
「あんな狭いとこ嫌よ!昼間はおとなしく中にいてあげてるんだから夜くらい自由にさせなさいよ!」
「なら役に立て。ほらもう少し手元照らせ」
「全く妖精使い荒いのよ!とにかく!アタシからあの木の箱もっと離して!アタシの指輪の近くにあるだけで気持ち悪くなるのよ!」
カタリ。と道具を置くと、ガインは赤い指輪の台座から夕刻買い受けた首飾りの木箱を別の棚に移動させた。
「これでいいか?ナーダ」
休憩も兼ねてカップに紅茶を注ぐ。そして小さな相方にハチミツの雫を落とした花びらを渡す。
「あんな気味悪いものよく買うわね、このアタシでも気持ち悪くて吐き気がするレベル!よっぽどの怨念か、執念みたいなもの溢れだしてるわよ?アンタが気づかないわけ無いでしょ」
優雅に紅茶をすすり、ガインはほっと息をつく。
「そりゃあ、な?でもオレにとっては大したことないのもわかってるだろう?」
やさしげに微笑む。
「で、どうすんのこれ。ただのコレクション?」
「いや?せっかく面白い話を聞かせてもらったのに、ハイそうですかじゃあもったいないじゃないか。少しばかり思い当たることもあってな」
壁にかけられたカレンダーもといスケジュール帳を見る。明日商品の納期の印が書かれているが、それ以降予定に印がなかった。
「出張にいくか、ナーダ。婚約者の実家とやらに行ってみようじゃないか」
---
エルダーから船で一日。さほど離れていない群島の街に目的地はあった。
ラフな作業着から黒いマントに黒い服を着込んだガインは、商人というよりは軍人のような様相だった。それはそれで都合がよいのであえてそのような格好を好んでいるフシもある。商人らしい格好で旅をすれば、持っているものや衣服の質から必ずガラの悪い者たちに絡まれるからだ。
紋や剣を下げていなくても、らしい出で立ちをするだけで抑止力にもなるし、なにしろ高身長に戦士なみの体躯を持ち合わせていれば、話し方を一つ工夫するだけでお忍びの要人のように勝手に勘違いしてもらえて情報が得やすかったりもした。
「剣くらいもてばいいのに」
指にはめられた赤い石の指輪からぼそっと声が漏れる。
「荷物になる」
「めんどくさがりね、かっこいいじゃない?剣持ってるほうが」
「余計な血も見たくないんでね」
整った街エルダーには劣るものの、小さな町ながら良い領主に恵まれているのだろうと思われる街道を進む。
聞き込みなどするまでもなく婚約者の実家は解った。エルダーでも有数の豪商に嫁いだとなれば町を上げての祝いごと。娘とダリルの似顔絵と祝辞がかかれたポスターが街のあちこちに貼られ、花が飾られていたからだ。
「あそこか」
町の広場正面に大きな店を構える仕立て屋が見えた。貴族たちが着るようなオーダメイドのハイブランドとはいかないが、町人のお洒落着用のドレスや帽子小物を扱う店のようだ。服にあわせて装飾品も飾られている。
あまりに交渉しやすい訪問先に余裕の顔をみせる。
「いらっしゃいませ、どのような服をお探しですか?これからは夏用のマントなどいかがでしょう?」
愛想のいい店主が出迎える。
「ああ、いいね。ちょうど新しいマントを誂えたいと思っていたところだ」
出されたサンプルを触り、丁寧な仕事をしていることを知る。そして、名刺を相手に差し出す。名前の上にある王族に献上品をしている店にのみ許される金の七つ星のマークを見ると、店主は声色を変えた。
ガインの彫金店は、本人の希望で大きな店構えはしてはいないものの質と技術では名のしれた一流ブランドでもあるのだ。
「実は新作のプロモーションに舞踏会の参加者全員にシュタインウッド作品を身に着けていただく企画を予定しておりまして。モデルの衣装を作っていただけるところを探しているのです」
国指折りの豪商に娘が嫁ぎ、国で有名なブランドから共同企画の依頼がきたことで店主は舞い上がっているようだった。
「それはそれは!詳しいお話をお聞かせいただきたいですな。それはもう、当店でご協力できることがあるなら何でも。ああ、お宿はお決まりで?よろしければごゆるりと我が家でお寛ぎください」
ガインは上品な営業スマイルを返す。
「一流ならね、自分で宿くらい取りなさいよ、いいところに。そこに相手を呼ぶのが格ってののみせどころじゃないの??」
あてがわれた客室で寛いでいると、指輪からナーダが現れる。
「経費節約だ。それに往復する手間も省けるだろう」
「ケチ!めんどくさがり!見事に社会に溶け込み始めたわね」
ナーダの文句にふふっと笑う。
「楽しくていいじゃないか」
持ってきたいわくつきの首飾りを指でくるくる回しながら文句に答える。
「いや!やめて!そんなもの近づけないで!」
ひゅっと部屋の隅に逃げるナーダを見てははっと軽く笑った。
「さて」
首飾りをおいて、曰くの石に触れる。
「さぁ、お前の家に帰ってきたぞ?どうだ、話すことはあるか」
ズ、と部屋の空気が重くなったような気がした。空気も数度温度が下がったようにも思える。
オオ、オ、オオオオオ……
恨みがましい呻きが響く。
「まってよ!バカ!いきなり始めないでよ!!」
ナーダがテーブルに置かれた銀の食器の影に身を隠して文句を言う。
「ほら、話してみろ。声になってないぞ?言葉も忘れるほど恨みに飲まれたか」
いじめだ。ナーダは食器に隠れながらガインの顔を見たがよくいる霊媒師やらが神妙な顔をして仰々しくしそうなシーンでこの男は薄ら笑いを浮かべている。
「どうした、人ひとり怯えさせて生気を失わせるくらいの力があるんだろう?話すこともできないか、力が足りないか。オレの力を貸してやろうか」
ガインの瞳が濃い灰色から紫色に光る。首飾りから放たれた冷気より、より一層重たい空気が広がり、窓のガラスを小刻みにピリピリ震わせている。
そのあまりの圧にナーダは指輪の中に身を隠してしまった。
ゆる、さない、ゆるさな、い…
首飾りから低い男の声が悔しげに、人の言葉になって聞こえだす。
「主語がないぞ、訴えるならわかりやすいようにうったえろ。察してで世の中通じると思うなよ」
おそらく。普通なら恐ろしい声が響くハイライト的なシーン。霊だのの存在が人々に恐怖を与えるところなのだろうが…容赦なく弄っている。普段おとなしく営業スマイルで客に対応し、修行僧のようにストイックに彫金作業に没頭している反動か。こういうときには必要以上に弄るのだ。これでは、ゆるさないと怨声を上げた霊も形無しである。
……………
「黙るな」
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