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【改訂前】なんて面倒くさい…
噂話
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「あっ、そうそう聞いてくれたまえ少年っ!」
日向くんが急に演技がかったように腕を広げる。
「次に呼び方変えたら殴るけど?」
拳をすっと顔の横に出すと変人は慌てだした。
「あわわっ、待って!ごめんって、夜霧くん!!夜霧くんて呼ぶから!」
はぁ、と呆れたように睥睨すると日向くんは苦笑する。
「ていうか、それが素?」
「煩いですよ、あんたみたいな変人に敬語なんか使う意味無いです」
人がそばに居るなら使うけど。
口悪、とか聞こえてるからな変人め。
そばに居た男の娘達の集団が去ったのを確認し口を開く。
「で、なに?」
バイキングを色々見つつ日向くんの顔を見上げると、あ、そうだったと手を打つ。
「あのさ、噂なんだけどね。初日に君に突っかかってった転校生の…モジャモジャしたやついるじゃん?」
「ああ、あれですか」
そう言えばあいつどこいったんだ。
「あれって…夜霧くん本当口悪いね」
「なにか悪いことでも?」
表情をピクリとも変えずに返事をする。
迷惑かけてないからいいだろ、別に。
「いや、別に。それで、そのモジャくんが親衛隊に制裁にあったって噂で持ち切りなんだよ」
「ふぅん…」
知ってるよ、その場にいたからね。
どれ食べようかな…
「もうちょっと興味持ちなよ…あ、夜霧くん、このパスタ美味しいから食べてみて」
ちらっと見ると確かに美味しそうだ。
「ん、」
「ん?」
「あ?」
口を開けて彼を見上げるとキョトンとした様子で僕を見つめる日向くん。
「あっ、あああ!ごごごめんっ、そ、そうだよねっ、うん」
「は?…モゴッ」
「そそそうだよな、うんうん…てか、なんだこれ……ブツブツ」
「フゴッ、フガッ」
「あー、もう何これ本当意味わかんない、」
ブツブツと呟き続ける日向くん。
ちょっと、詰め込みすぎ。
無理だって、おい。
「ねぇ、何してるの?」
急に僕達の背後から冷ややかな声がかかる。
やっと日向くんが止まってくれた。
ゴクンと何回かに分けて飲み込み、くるりと振り向くと加奈川くんがじっとこちらを見つめていた。
日向くんが急に演技がかったように腕を広げる。
「次に呼び方変えたら殴るけど?」
拳をすっと顔の横に出すと変人は慌てだした。
「あわわっ、待って!ごめんって、夜霧くん!!夜霧くんて呼ぶから!」
はぁ、と呆れたように睥睨すると日向くんは苦笑する。
「ていうか、それが素?」
「煩いですよ、あんたみたいな変人に敬語なんか使う意味無いです」
人がそばに居るなら使うけど。
口悪、とか聞こえてるからな変人め。
そばに居た男の娘達の集団が去ったのを確認し口を開く。
「で、なに?」
バイキングを色々見つつ日向くんの顔を見上げると、あ、そうだったと手を打つ。
「あのさ、噂なんだけどね。初日に君に突っかかってった転校生の…モジャモジャしたやついるじゃん?」
「ああ、あれですか」
そう言えばあいつどこいったんだ。
「あれって…夜霧くん本当口悪いね」
「なにか悪いことでも?」
表情をピクリとも変えずに返事をする。
迷惑かけてないからいいだろ、別に。
「いや、別に。それで、そのモジャくんが親衛隊に制裁にあったって噂で持ち切りなんだよ」
「ふぅん…」
知ってるよ、その場にいたからね。
どれ食べようかな…
「もうちょっと興味持ちなよ…あ、夜霧くん、このパスタ美味しいから食べてみて」
ちらっと見ると確かに美味しそうだ。
「ん、」
「ん?」
「あ?」
口を開けて彼を見上げるとキョトンとした様子で僕を見つめる日向くん。
「あっ、あああ!ごごごめんっ、そ、そうだよねっ、うん」
「は?…モゴッ」
「そそそうだよな、うんうん…てか、なんだこれ……ブツブツ」
「フゴッ、フガッ」
「あー、もう何これ本当意味わかんない、」
ブツブツと呟き続ける日向くん。
ちょっと、詰め込みすぎ。
無理だって、おい。
「ねぇ、何してるの?」
急に僕達の背後から冷ややかな声がかかる。
やっと日向くんが止まってくれた。
ゴクンと何回かに分けて飲み込み、くるりと振り向くと加奈川くんがじっとこちらを見つめていた。
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