病んでる僕は、

蒼紫

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【改訂前】なんて面倒くさい…

会長様の勘違い

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「…それとだ」
まだ何かあるのか?

「何ですか?」
会長が凄く気まずそうにチラチラとこちらを伺う。

あの時の加奈川くんにそっくりだ。

「何でしょうか?」
もう一度聞くとふぅ、と溜息を吐いて口を開いた。

「…るかった…」
「はい?」
なんて言ったんだ?

「っ…だからっ、悪かったって!」
僕はぽかんと口を空けて会長を見つめる。

顔を真っ赤にさせてあちこちに忙しなく目を動かす会長は子供みたいだった。

「…すみません、何のことですか?」
会長は一体誰と僕を勘違いしているんだろう。

「なっ、だからっ、この前俺様がっ、触ろうとして手を跳ね除けただろっ!」
あぁ、あれか。
あれはどっちかと言うと僕が悪いと思う。
『気持ち悪い』って言ってしまったのは僕に非がある。

しかし、会長の次の言葉で僕は固まった。

「け、潔癖症、なんだろ!あ、あの後、凄い気持ち悪そうにしていたからっ…そのっ、そういう事、ちゃんと考えてなかったしっ…今回は俺様が、悪いっていうか…」
どうやらこの人は世に聞くツンデレというものらしいな。
デレが出る時にテンパって一人称が俺様になるのだろう。

と、そんなことはいいんだ。

顔を真っ赤にして、それでいて反省したように、でも素直になれなくて…
そんな感じが伝わってくるが、一つだけ言わせてくれ。

「…僕は潔癖症じゃないです」


「……は?」


なんか、ごめん。

「潔癖症ではないです。ただあの時は、……ただ、気分が優れなかっただけですから。気にしないでください。あと、こちらこそ失礼な態度を取ってしまい申し訳ありませんでした」
また、深々と頭を下げて謝る。

ずっと心配してくれてたんだろう。
何だか本当にいけない事をした気分だった。

「えっ、あっ、えっ」
段々と会長の顔が真っ赤になっていく。
怒ってるよな。

「くっ…俺様は戻るっ!」
「あっ、会長…」
足が速いな……。
もう見えないや。

偉そうな奴と決めつけていたがそこそこ良い奴だったみたいだ。
心配までしてくれたのに…後でもう一度謝っておこう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
~その頃の会長は~

「くっ、早とちりだったなんて…俺様としたことがっ、恥ずかしいっ!」

顔を真っ赤にさせて羞恥に悶えていた。

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