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【改訂前】なんて面倒くさい…
壊れた〜no side〜
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途端に溢れてくる記憶。
あの時の記憶。
沸き起こる恐怖。
「っ、いやぁっ!」
突然叫び出した夜霧に周りは驚いた。
「「「っ!?」」」
「いやだぁ!父さん!父さんやめてぇ!ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!!ごめんなさいっ!謝るから!全部悪いのはぼくだからぁ!いやだぁ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!!」
夜霧は膝から崩れ落ちた。
「…な、何だよこれっ」
「知らねぇよ!」
壊れた機械のようにごめんなさいと繰り返す夜霧に、その場に居た男達は慌てたように口を開く。
「ごめんなさいごめんなさいっ!!やめてっ!父さん!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!!」
頭を抱えてうずくまる夜霧に全員が一歩一歩後退りする。
すると、突然教室の扉が開いた。
「風紀委員だ!全員風紀室に来てもらう!」
「なっ、なんで風紀が!」
「くそっ!」
風紀委員が来てもそれに気付かない、いや、気付けない夜霧は叫び続けた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」
夜霧の爪は制服越しだが、見ていて痛い程に腕に食い込んでいる。
そのただならぬ様子に一人の青年が近付く。
「君っ、落ち着くんだ!大丈夫だ!もう大丈夫だから!」
風紀委員が何とか落ち着けようと腕を伸ばすが…
パシッ
「やめろっ!触るなっ、僕に触るなっ!いやだっ!!」
怯えたようにその手を払い除ける。
すると突然教室に理事長が入ってきた。
ガラッ
「夜霧っ!」
「「理事長!?」」
「おじさんっ!?」
突然の理事長の登場にその場に居る殆どの人が驚きを隠せない。
理事長は夜霧をそっと優しく抱き寄せた。
「すば、るさ…グズッすば、るさ…ん、すばる…さ、ヒグッ」
確かめるようにゆっくり、何度も名前を呼ぶ夜霧の顔は涙でぐちゃぐちゃだった。
その様子に周りの者達は驚きを隠せない。
淫乱等と揶揄され、いつも親衛隊総隊長や書記、二人のイケメンと行動していた夜霧は目立つ方で、その場に居る殆どの人が夜霧を知っているのだろう。
そして夜霧は今まで感情らしい感情を露わにすることが無かった。
妙に大人びていてそういう所も癪に障る、と彼の事を苦手とする者や嫌悪感を抱く者は多い。
だからこそこうやって怯えたように泣き叫び誰かに縋る、という姿は年相応、否、かなり幼く見えたのだった。
「うん…もう大丈夫だよ。夜霧、あの人はもう居ないから」
「うん…うん……」
暫くして、落ち着いたのか、夜霧は理事長の腕の中で眠りについた。
あの時の記憶。
沸き起こる恐怖。
「っ、いやぁっ!」
突然叫び出した夜霧に周りは驚いた。
「「「っ!?」」」
「いやだぁ!父さん!父さんやめてぇ!ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!!ごめんなさいっ!謝るから!全部悪いのはぼくだからぁ!いやだぁ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!!」
夜霧は膝から崩れ落ちた。
「…な、何だよこれっ」
「知らねぇよ!」
壊れた機械のようにごめんなさいと繰り返す夜霧に、その場に居た男達は慌てたように口を開く。
「ごめんなさいごめんなさいっ!!やめてっ!父さん!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!!」
頭を抱えてうずくまる夜霧に全員が一歩一歩後退りする。
すると、突然教室の扉が開いた。
「風紀委員だ!全員風紀室に来てもらう!」
「なっ、なんで風紀が!」
「くそっ!」
風紀委員が来てもそれに気付かない、いや、気付けない夜霧は叫び続けた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」
夜霧の爪は制服越しだが、見ていて痛い程に腕に食い込んでいる。
そのただならぬ様子に一人の青年が近付く。
「君っ、落ち着くんだ!大丈夫だ!もう大丈夫だから!」
風紀委員が何とか落ち着けようと腕を伸ばすが…
パシッ
「やめろっ!触るなっ、僕に触るなっ!いやだっ!!」
怯えたようにその手を払い除ける。
すると突然教室に理事長が入ってきた。
ガラッ
「夜霧っ!」
「「理事長!?」」
「おじさんっ!?」
突然の理事長の登場にその場に居る殆どの人が驚きを隠せない。
理事長は夜霧をそっと優しく抱き寄せた。
「すば、るさ…グズッすば、るさ…ん、すばる…さ、ヒグッ」
確かめるようにゆっくり、何度も名前を呼ぶ夜霧の顔は涙でぐちゃぐちゃだった。
その様子に周りの者達は驚きを隠せない。
淫乱等と揶揄され、いつも親衛隊総隊長や書記、二人のイケメンと行動していた夜霧は目立つ方で、その場に居る殆どの人が夜霧を知っているのだろう。
そして夜霧は今まで感情らしい感情を露わにすることが無かった。
妙に大人びていてそういう所も癪に障る、と彼の事を苦手とする者や嫌悪感を抱く者は多い。
だからこそこうやって怯えたように泣き叫び誰かに縋る、という姿は年相応、否、かなり幼く見えたのだった。
「うん…もう大丈夫だよ。夜霧、あの人はもう居ないから」
「うん…うん……」
暫くして、落ち着いたのか、夜霧は理事長の腕の中で眠りについた。
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