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【改訂前】なんて面倒くさい…
何も起こらないのが一番
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「夜霧くん、楽しみだねぇ」
隣に立っていた加奈川くんがふいに声をかけてきた。
ちなみに加奈川くんは鬼ごっこを知っていたみたいだ。
やったことは無いけど知識として知っていたらしい。
「…楽しみ、なんですかね」
正直に言えば、面倒くさい。
走るのは疲れるし、逃げる側になって捕まるのが一番楽……、いや、それだと体育館にずっと待機か。つまらないな。
鬼になって校内を散策しようか。
「初めての鬼ごっこになるからねぇ。みんなも生徒会役員達を捕まえるって意気込んでたねぇ。」
何か楽しい事が起こりそうだ。
手に取るように、そんなことを考えているのが分かる。
「僕は、何も起こらないのが一番だと思いますけどね…」
そう呟くとびっくりしたようにこちらを凝視する加奈川くん。
「あれ?声に出してた?」
「顔に書いてました」
「うっそぉ!?」
ぺたぺたと自分の顔を触る。
…比喩なんだけど。
「では、各クラスにくじの入った箱を配布してあります。白を引いた人は舞台下の箱まで鉢巻きを取りに来てください。」
そう副会長の声でアナウンスが入ると体育館内が騒めきだす。
「はーい、1Aの皆、僕の所まで来てくださーい!」
学級委員長から招集がかかった。
「それじゃ、行こっかぁ」
「…えぇ」
一人一人並んだ順にくじを引いていく。
その度に歓喜の声や悲鳴などが上がる。
「うわぁ!僕逃げだったぁ!会長様捕まえたかったのにぃ…」
「やった!俺鬼だ!」
「なっ、に、逃げる側だとっ…!?これじゃぁ、王道くん達を観察できないじゃねーか!」
「うわぁ、やった!僕鬼だ!」
前から思ってたけど、王道ってなんなんだ?
「王道って何なんだろうねぇ?」
加奈川くんも同じことを考えていたみたいだ。
「僕もよく分かりません」
「だよねぇ。」
そろそろ僕達の番だ。
僕が前に出ると何故か委員長が躊躇いだ。
そんな姿を一瞥してくじを引く。
「…鬼か。」
「あ、あの、えっと引いたものはあちらに…」
「そう…。」
何をそんなに怖がることがあるのか。
暴力など振ってないし、威圧的な態度を取ったつもりも無い。
まぁ、いっか。
僕には関係ないし。
隣に立っていた加奈川くんがふいに声をかけてきた。
ちなみに加奈川くんは鬼ごっこを知っていたみたいだ。
やったことは無いけど知識として知っていたらしい。
「…楽しみ、なんですかね」
正直に言えば、面倒くさい。
走るのは疲れるし、逃げる側になって捕まるのが一番楽……、いや、それだと体育館にずっと待機か。つまらないな。
鬼になって校内を散策しようか。
「初めての鬼ごっこになるからねぇ。みんなも生徒会役員達を捕まえるって意気込んでたねぇ。」
何か楽しい事が起こりそうだ。
手に取るように、そんなことを考えているのが分かる。
「僕は、何も起こらないのが一番だと思いますけどね…」
そう呟くとびっくりしたようにこちらを凝視する加奈川くん。
「あれ?声に出してた?」
「顔に書いてました」
「うっそぉ!?」
ぺたぺたと自分の顔を触る。
…比喩なんだけど。
「では、各クラスにくじの入った箱を配布してあります。白を引いた人は舞台下の箱まで鉢巻きを取りに来てください。」
そう副会長の声でアナウンスが入ると体育館内が騒めきだす。
「はーい、1Aの皆、僕の所まで来てくださーい!」
学級委員長から招集がかかった。
「それじゃ、行こっかぁ」
「…えぇ」
一人一人並んだ順にくじを引いていく。
その度に歓喜の声や悲鳴などが上がる。
「うわぁ!僕逃げだったぁ!会長様捕まえたかったのにぃ…」
「やった!俺鬼だ!」
「なっ、に、逃げる側だとっ…!?これじゃぁ、王道くん達を観察できないじゃねーか!」
「うわぁ、やった!僕鬼だ!」
前から思ってたけど、王道ってなんなんだ?
「王道って何なんだろうねぇ?」
加奈川くんも同じことを考えていたみたいだ。
「僕もよく分かりません」
「だよねぇ。」
そろそろ僕達の番だ。
僕が前に出ると何故か委員長が躊躇いだ。
そんな姿を一瞥してくじを引く。
「…鬼か。」
「あ、あの、えっと引いたものはあちらに…」
「そう…。」
何をそんなに怖がることがあるのか。
暴力など振ってないし、威圧的な態度を取ったつもりも無い。
まぁ、いっか。
僕には関係ないし。
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