50 / 76
【改訂前】うるさい
二人きりの時は
しおりを挟む
ガチャッ
「やぁ」
寮に戻ってきて、扉を開けて少し驚く。
目の前に父さんがいたから。
「…昴流さん、何の用?」
「ふふっ、二人っきりの時はやっぱり昴流さんなんだね」
「…当たり前だろう」
部屋に入ると当たり前のようにひょこひょこ着いてくる。
そしてまだ放ったらかしていた段ボール箱を物色し出した。
そんな姿を一瞥して部屋着に着替える。
「また痩せた?最近どう?」
あばらの浮き出た僕の体を観察してそう言う。
「…そうか?まあ、すぐにお腹いっぱいになるし仕方ないよ。…最近って言われても…普通?」
肩を竦めてそう言うと昴流さんはクスクス笑う。
「で?何か用なんでしょ」
チラッと振り向いてそう言えば困ったように笑みを浮かべる。
「杉田くんから今朝のこと、色々聞いたよ。」
「…余計なこと言ってないといいけど。」
振り向かず、リュックを漁りながら答える。
「リスカのことなら僕は知ってたよ。」
ピクッ
一瞬固まってしまった。
おずおずと振り向くと、困ったように眉を八の字にして笑っている。
「…そう。……やっぱ、昴流さんにはかなわないや」
「ふふっ、そうかい?」
「…それじゃぁ、なんの話をしに来たの?」
今度は振り向いてそう聞く。
「今朝の話を聞いてね、転校生と同室にすると危険があるかもしれないから他の生徒と部屋を変えたんだ。今晩その子が来ると思うよ」
「ふぅん…」
ま、あの毬藻よりはまともなやつだろう。
「そろそろ、ハルさん来るんじゃない?」
「そうだね」
玄関に向かう昴流さんについて行く。
「友達、作った?」
「……」
誤魔化すようにそっぽを向くとクスクスと笑われる。
その時、タイミング良くインターホンが鳴った。
心中でほっと息をついて無理矢理父さんを追い出し不機嫌そうにまたね、と言い音をたててドアを閉めた。
「やぁ」
寮に戻ってきて、扉を開けて少し驚く。
目の前に父さんがいたから。
「…昴流さん、何の用?」
「ふふっ、二人っきりの時はやっぱり昴流さんなんだね」
「…当たり前だろう」
部屋に入ると当たり前のようにひょこひょこ着いてくる。
そしてまだ放ったらかしていた段ボール箱を物色し出した。
そんな姿を一瞥して部屋着に着替える。
「また痩せた?最近どう?」
あばらの浮き出た僕の体を観察してそう言う。
「…そうか?まあ、すぐにお腹いっぱいになるし仕方ないよ。…最近って言われても…普通?」
肩を竦めてそう言うと昴流さんはクスクス笑う。
「で?何か用なんでしょ」
チラッと振り向いてそう言えば困ったように笑みを浮かべる。
「杉田くんから今朝のこと、色々聞いたよ。」
「…余計なこと言ってないといいけど。」
振り向かず、リュックを漁りながら答える。
「リスカのことなら僕は知ってたよ。」
ピクッ
一瞬固まってしまった。
おずおずと振り向くと、困ったように眉を八の字にして笑っている。
「…そう。……やっぱ、昴流さんにはかなわないや」
「ふふっ、そうかい?」
「…それじゃぁ、なんの話をしに来たの?」
今度は振り向いてそう聞く。
「今朝の話を聞いてね、転校生と同室にすると危険があるかもしれないから他の生徒と部屋を変えたんだ。今晩その子が来ると思うよ」
「ふぅん…」
ま、あの毬藻よりはまともなやつだろう。
「そろそろ、ハルさん来るんじゃない?」
「そうだね」
玄関に向かう昴流さんについて行く。
「友達、作った?」
「……」
誤魔化すようにそっぽを向くとクスクスと笑われる。
その時、タイミング良くインターホンが鳴った。
心中でほっと息をついて無理矢理父さんを追い出し不機嫌そうにまたね、と言い音をたててドアを閉めた。
15
お気に入りに追加
490
あなたにおすすめの小説
秘める交線ー放り込まれた青年の日常と非日常ー
Ayari(橋本彩里)
BL
日本有数の御曹司が集まる男子校清蘭学園。
家柄、財力、知能、才能に恵まれた者たちばかり集まるこの学園に、突如外部入学することになったアオイ。
2年ぶりに会う幼馴染みはひどく素っ気なく、それに加え……。
──もう逃がさないから。
誰しも触れて欲しくないことはある。そして、それを暴きたい者も。
事件あり、過去あり、あらざるものあり、美形集団、曲者ほいほいです。
少し特殊(怪奇含むため)な学園ものとなります。今のところ、怪奇とシリアスは2割ほどの予定。
生徒会、風紀、爽やかに、不良、溶け込み腐男子など定番はそろいイベントもありますが王道学園ではないです。あくまで変人、奇怪、濃ゆいのほいほい主人公。誰がどこまで深みにはまるかはアオイ次第。
*****
青春、少し不思議なこと、萌えに興味がある方お付き合いいただけたら嬉しいです。
※不定期更新となりますのであらかじめご了承ください。
表紙は友人のkouma.作です♪

眺めるほうが好きなんだ
チョコキラー
BL
何事も見るからこそおもしろい。がモットーの主人公は、常におもしろいことの傍観者でありたいと願う。でも、彼からは周りを虜にする謎の色気がムンムンです!w
顔はクマがあり、前髪が長くて顔は見えにくいが、中々美形…!
そんな彼は王道をみて楽しむ側だったのに、気づけば自分が中心に!?
てな感じの巻き込まれくんでーす♪

最弱伝説俺
京香
BL
元柔道家の父と元モデルの母から生まれた葵は、四兄弟の一番下。三人の兄からは「最弱」だと物理的愛のムチでしごかれる日々。その上、高校は寮に住めと一人放り込まれてしまった!
有名柔道道場の実家で鍛えられ、その辺のやんちゃな連中なんぞ片手で潰せる強さなのに、最弱だと思い込んでいる葵。兄作成のマニュアルにより高校で不良認定されるは不良のトップには求婚されるはで、はたして無事高校を卒業出来るのか!?

BlueRose
雨衣
BL
学園の人気者が集まる生徒会
しかし、その会計である直紘は前髪が長くメガネをかけており、あまり目立つとは言えない容姿をしていた。
その直紘には色々なウワサがあり…?
アンチ王道気味です。
加筆&修正しました。
話思いついたら追加します。

もういいや
ちゃんちゃん
BL
急遽、有名で偏差値がバカ高い高校に編入した時雨 薊。兄である柊樹とともに編入したが……
まぁ……巻き込まれるよね!主人公だもん!
しかも男子校かよ………
ーーーーーーーー
亀更新です☆期待しないでください☆


学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる