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【改訂前】始まり
久しぶり父さん〜夜霧side〜
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「はい、では早速理事長室までお送り致します。荷物を「…結構です。」あ、失礼しました」
さすがにキツい言い方だっただろうか…。
「すみません。」
「へ、」
田無先輩は、ポカンとしたようにこちらを見た後、ああ、と頷く。
「別に大丈夫ですよ。人には踏み入られたくない距離があるものですから」
そう言って微笑む田無先輩を見て、人というものは随分上手くできているのだな、と感心してしまう。
「…そうですか。」
まぁ、僕には関係ないことだ。
その後、簡単な学園の説明を受けながら理事長室まで向かった。
「失礼します。副会長の田無です。転校生をお連れしました。」
「ああ、入ってくれ。」
懐かしい声に目を少し細める。
今になって日本に帰ってきたことを実感した。
しかし、随分と遠かった。
学園は外見だけでなく、中まで凝ったデザインで、正直どこに金をかけているのか、と呆れてしまったぐらいだ。
それに、こんなに大きな学園だからか、たくさんの部屋があり、廊下も物凄く長い。
多分、全ての部屋を見に行こうと思えば2日はかかるだろう。
そんなことを考えながら理事長室に入る。
「失礼します。」
そこには見慣れた顔がふたつ並んでいた。
「やあ、長旅ご苦労様」
そう言って僕に笑いかけたのはここの理事長で僕の父さん。
「うん。」
コクリと頷いて返事をすると、もう1人も声をかけてきた。
「夜霧様、お久しぶりです。」
「ハルさん、久しぶり。」
父さんの秘書で僕の従兄弟のハルさんこと早瀬遥(ハヤセハルカ)。
ハルさんは基本的に家族や親戚にも敬語だ。
すると、田無先輩がおずおずと口を開く。
「あ、あの…失礼ですが、東屋さんと理事長はお知り合いで…?」
「ああ、彼は僕の古い友人の息子でね。」
「はぁ…」
理事長の息子だとバレると後がめんどいからそういうことにしてるらしい。
「では私はこれで失礼します。」
「ああ、ありがとね。」
扉を閉じる前、一瞬田無先輩と目が合ったのでぺこり、とお辞儀しておいた。
さすがにキツい言い方だっただろうか…。
「すみません。」
「へ、」
田無先輩は、ポカンとしたようにこちらを見た後、ああ、と頷く。
「別に大丈夫ですよ。人には踏み入られたくない距離があるものですから」
そう言って微笑む田無先輩を見て、人というものは随分上手くできているのだな、と感心してしまう。
「…そうですか。」
まぁ、僕には関係ないことだ。
その後、簡単な学園の説明を受けながら理事長室まで向かった。
「失礼します。副会長の田無です。転校生をお連れしました。」
「ああ、入ってくれ。」
懐かしい声に目を少し細める。
今になって日本に帰ってきたことを実感した。
しかし、随分と遠かった。
学園は外見だけでなく、中まで凝ったデザインで、正直どこに金をかけているのか、と呆れてしまったぐらいだ。
それに、こんなに大きな学園だからか、たくさんの部屋があり、廊下も物凄く長い。
多分、全ての部屋を見に行こうと思えば2日はかかるだろう。
そんなことを考えながら理事長室に入る。
「失礼します。」
そこには見慣れた顔がふたつ並んでいた。
「やあ、長旅ご苦労様」
そう言って僕に笑いかけたのはここの理事長で僕の父さん。
「うん。」
コクリと頷いて返事をすると、もう1人も声をかけてきた。
「夜霧様、お久しぶりです。」
「ハルさん、久しぶり。」
父さんの秘書で僕の従兄弟のハルさんこと早瀬遥(ハヤセハルカ)。
ハルさんは基本的に家族や親戚にも敬語だ。
すると、田無先輩がおずおずと口を開く。
「あ、あの…失礼ですが、東屋さんと理事長はお知り合いで…?」
「ああ、彼は僕の古い友人の息子でね。」
「はぁ…」
理事長の息子だとバレると後がめんどいからそういうことにしてるらしい。
「では私はこれで失礼します。」
「ああ、ありがとね。」
扉を閉じる前、一瞬田無先輩と目が合ったのでぺこり、とお辞儀しておいた。
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