86 / 88
第8章
8-02 別居
しおりを挟む
明里と別居して、半年が過ぎた。
最初のうちは毎週のように、週末になると私が帰ったり、明里がこちらへ来たり、お互い途中の駅で待ち合わせて観光したり。
しかし、お互い忙しくなると、毎週が隔週となり、月1回となってしまった。
ネットでの会話も最初のうちは毎日行っていたが、日に日に会話が弾まなくなった。
このまま無理に続けると、お互い疲れてしまう事に気付き、何かあったら繋ぎましょう、という事になった。
・・・・・・
そして明日は、待ちに待った、明里の二十歳の誕生日である。
これで明里と一緒にお酒が飲める。
私は有給休暇を申請して、東京の自宅マンションに戻った。
明里と一緒に誕生日を祝う。
私は口当たりの良いワインを用意した。
これなら初めての明里でも飲めるだろうと思った。
私は栓を抜き、2人で乾杯した。
明里にとって初めてのお酒のようだ。
初めてのお酒。
飲めない事は解っている。
しかし明里は、無理して私に付き合おうとしてくれた。
……何故だろう。
その姿、今までなら微笑ましく感じられただろう。
しかし、何故か今は、痛々しく感じられる。
なんでだろう。
私を拒んでいる訳では無いように思える。
しかし、時折見せる、思いつめたような表情。
明里の頭の中で、何かが起こっているように感じた。
明里の誕生会を終えて、私は自分のベッドで横になっていた。
以前の明里なら、枕を抱いて部屋をノックし「お布団の中でお話ししたい」と言って来た。
しかし、今はそれも無い。
私が赴任のあいだ、この部屋の管理を明里にお願いしていた。
久しぶりに帰って来たこの部屋、綺麗に整っている。
しかし……何か違和感がある。
この部屋……使っていないかのような……。
誰かが言っていた。
距離の差は、年の差を乗り越えるより難しい。
そう、その時、確かにそのように感じてしまった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回:約束の日
最初のうちは毎週のように、週末になると私が帰ったり、明里がこちらへ来たり、お互い途中の駅で待ち合わせて観光したり。
しかし、お互い忙しくなると、毎週が隔週となり、月1回となってしまった。
ネットでの会話も最初のうちは毎日行っていたが、日に日に会話が弾まなくなった。
このまま無理に続けると、お互い疲れてしまう事に気付き、何かあったら繋ぎましょう、という事になった。
・・・・・・
そして明日は、待ちに待った、明里の二十歳の誕生日である。
これで明里と一緒にお酒が飲める。
私は有給休暇を申請して、東京の自宅マンションに戻った。
明里と一緒に誕生日を祝う。
私は口当たりの良いワインを用意した。
これなら初めての明里でも飲めるだろうと思った。
私は栓を抜き、2人で乾杯した。
明里にとって初めてのお酒のようだ。
初めてのお酒。
飲めない事は解っている。
しかし明里は、無理して私に付き合おうとしてくれた。
……何故だろう。
その姿、今までなら微笑ましく感じられただろう。
しかし、何故か今は、痛々しく感じられる。
なんでだろう。
私を拒んでいる訳では無いように思える。
しかし、時折見せる、思いつめたような表情。
明里の頭の中で、何かが起こっているように感じた。
明里の誕生会を終えて、私は自分のベッドで横になっていた。
以前の明里なら、枕を抱いて部屋をノックし「お布団の中でお話ししたい」と言って来た。
しかし、今はそれも無い。
私が赴任のあいだ、この部屋の管理を明里にお願いしていた。
久しぶりに帰って来たこの部屋、綺麗に整っている。
しかし……何か違和感がある。
この部屋……使っていないかのような……。
誰かが言っていた。
距離の差は、年の差を乗り越えるより難しい。
そう、その時、確かにそのように感じてしまった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回:約束の日
1
お気に入りに追加
53
あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり

明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。

とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる