【完結】おじさんが家出少女を自宅で囲う

青村砂希

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第8章

8-02 別居

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 明里と別居して、半年が過ぎた。

 最初のうちは毎週のように、週末になると私が帰ったり、明里がこちらへ来たり、お互い途中の駅で待ち合わせて観光したり。

 しかし、お互い忙しくなると、毎週が隔週となり、月1回となってしまった。

 ネットでの会話も最初のうちは毎日行っていたが、日に日に会話が弾まなくなった。
 このまま無理に続けると、お互い疲れてしまう事に気付き、何かあったら繋ぎましょう、という事になった。

・・・・・・

 そして明日は、待ちに待った、明里の二十歳の誕生日である。
 これで明里と一緒にお酒が飲める。
 私は有給休暇を申請して、東京の自宅マンションに戻った。

 明里と一緒に誕生日を祝う。
 私は口当たりの良いワインを用意した。
 これなら初めての明里でも飲めるだろうと思った。

 私は栓を抜き、2人で乾杯した。
 明里にとって初めてのお酒のようだ。

 初めてのお酒。
 飲めない事は解っている。
 しかし明里は、無理して私に付き合おうとしてくれた。

 ……何故だろう。
 その姿、今までなら微笑ましく感じられただろう。
 しかし、何故か今は、痛々しく感じられる。
 なんでだろう。

 私を拒んでいる訳では無いように思える。
 しかし、時折見せる、思いつめたような表情。
 明里の頭の中で、何かが起こっているように感じた。

 明里の誕生会を終えて、私は自分のベッドで横になっていた。

 以前の明里なら、枕を抱いて部屋をノックし「お布団の中でお話ししたい」と言って来た。
 しかし、今はそれも無い。

 私が赴任のあいだ、この部屋の管理を明里にお願いしていた。
 久しぶりに帰って来たこの部屋、綺麗に整っている。
 しかし……何か違和感がある。
 この部屋……使っていないかのような……。

 誰かが言っていた。
 距離の差は、年の差を乗り越えるより難しい。
 そう、その時、確かにそのように感じてしまった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 次回:約束の日
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