【完結】おじさんが家出少女を自宅で囲う

青村砂希

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第7章

7-13(第7章 最終話)ダメーッ!

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 次の日の朝、起きてリビングへ行くと、明里は恥ずかしそうな顔で部屋から出てきた。

「おじさん、おはようございます」
「ああ、おはよう」
「昨日、早速書いちゃいました。私の名前」
「えっ、あ、ああ……でも届出は」
「はい、わかってます。あの紙、私がもらったという事で、いいんですよね」

「ああ、そのつもりで渡した。この先、破り捨てるなり、明里の自由にしてくれ」
「後で返してくれって言っても、返しませんよ!」
「ああ」
 明里は私の返事を確認して、満面の笑みを浮かべた。

 私は明里に伝えた。
「昨日の紙を渡した事で、私はこの先を明里に預けた事になる。 本当に私と生涯を共に過ごせるのか、この先の4年間で、良く考えてほしい」

 明里は私の目を見て答えた。
「はい、おじさんとのこの先、預からせて頂きます!」

・・・・・・

 その後、朝食を2人で頂き、今日の予定を話し合った。
「今日、これから、どうしようか」
「ここの区役所へ行ってみたいです」

「なんだそれ?」
「4年後、昨日の紙を持って、おじさんと行くところ」
「え~?」

「い~の。 そこでランチしましょ」
「あ~そういう所の食堂って、美味しいよね」
「定番のカレーライス。 行こ、行こ」
「……解った」

 という事で、区役所へランチを食べに行く事になった。
 実に変わった遠足である。

 区役所の最寄りの駅で降りた。
 そこから歩いて5分程度。

 明里と並んで歩いていると、前方から子供連れの女性が歩いてきた。
 その女性とすれ違い、私は振り返った。
 ……良かった。

 明里が話し掛けてきた。
「素敵な女性ですね~……あれ~おじさん、人妻も守備範囲内ですかぁ?」
 私は無視した。

 明里は私の手を握って恋人繋ぎして歩きだした。
 ふと明里は振り向いた時、その女性も振り返っていた。

 明里の足が止まった。
 その女性は穏やかに微笑んだ。
 その時、明里は……気付いたようだ。

 明里はその女性に会釈して、再び前を向いて歩きだした。
 今、私達が向かうのは、区役所の食堂のカレーライス。

 私は明里に話し掛けた。
「あ~昨日渡した紙だけど」
 明里は不安そうな表情で顔を上げた。

「明里が大学院に受かったら、届出日は6年後に書き直そう」
 明里は即座に返した。

「ダメーッ!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 本話までが、第7章となります。
 ここまでお付き合い頂いた読者さま、本当にありがとうございます。

 さて、次回からの第8章が、最終章となります。
 最終章は、4話で完となります。

 ポンコツおじさんのくせに、明里さんと結婚?
 しかも、将来明里さんに食べさせてもらおうと、たくらんでるようです。
 会社では上手いことやって、誰もが羨むような女性を3人も囲っています。
 こんなおじさん、許せるでしょうか!

 はい、大丈夫です。
 この最終章で、いよいよおじさんに、天罰が下ります。
 奈落の底へ堕ちていくおじさんです。
 是非、ご期待下さい (^^;

 次回:漠然とした不安
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