【完結】おじさんが家出少女を自宅で囲う

青村砂希

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第6章

6-15 明里の千夜一夜

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 ベッドで横になっていると、明里が部屋をノックした。
「どうぞ」
 明里は枕を抱いて入って来た。

「お布団の中でお話ししたい」
「どうぞ」
 明里は、いつものパジャマ姿で、私の布団に入ってきた。
 仰向けで寝ている私の右側で、明里は私の方を向いて横向きに寝た。

 シャンプーと石鹸の香り、そして横向きに寝た明里の胸元が、私の私自身を刺激する。
 いつもの事ながら……明里は解っているのだろうか。

 明里は話し始めた。
「今日、学祭の準備していたら玲子から電話が掛かってきて……」
「玲子さんって、この前、お会いした?」
「はい……あの時、一緒に居た彼氏さんと、昨日から同棲始めたって」

「玲子さん、その彼氏とは、付き合い長いの?」
「高2の文化祭からって言ってました」

「学校で彼氏の話、良くするの?」
 明里は笑みを浮かべて言った。
「女子高での友達との会話、興味あります?」
「明里が友達とどんな話し、していたのか……はい。興味あります」

 しばらく沈黙が続いた。
「どっから話したらいいかな~?」
「私は女子校の事、全然知らないから、何でもいいよ」

「じゃあ……私が義父の借金返済して、お金無い状態で家を出ようとしていた頃です」
「私と会う少し前の頃かな?」

「はい。女子校って言っても色々だと思うのですが、私の学校って異性に対して閉鎖的な感じがあるんです」
「名門のお嬢様学校ですよね」

「だからクラスメートで彼氏のいる……男の人と付き合ってる人って、ごく少数」
「すばらしい」

「その達も彼氏の事、話しません」
「こっそり付き合っているのですね」

「ただ玲子だけは、彼氏がいる事を公表していて、昼休み、お弁当を食べながら、いつも彼氏との話をしています」
「キャッハ ウフフ……みたいな?」
「……」

 ……あれ?明里さん……ちょっと私に冷たい眼差し向けている?
「……」
「それで、当然玲子の周りには、そういった事に興味津々な子が集まってきます」
「そうでしょう」

「その一方で、そういった話は、はしたないって子は、その中に入らない」
「興味津々グループと、興味無いグループが出来てしまった訳ですね」

「はい。玲子は興味津々グループのリーダー」
「なるほど」

「私の成績が大きく落ちてしまった時、玲子が話しかけてきて、『もしかして明里ちゃん、彼氏出来た?』って……。私は首を横に振ったら『そっか~私、彼氏出来た時、まったく勉強が手に付かなくって……明里ちゃんも?って思ったんだけど、残念』……って」

「玲子さんは、明里の家庭事情知らないから、勘違いしたんですね」

「その後、おじさんと出会って、ここに住まわせてもらうようになって……」
「ここから学校へ通うようになった頃かな?」

「はい。そしたら玲子がまた話しかけてきて……『この前、彼氏いないって言ってたけど、もしかして好きな人できた?』って聞かれて……悩みながら首を縦にふったら、『やっぱり仲間じゃん』って言って、強引に興味津々グループへ入れられてしまいました」

「そうなんだ~」
「そうなんだ~って、おじさんの事ですよ!」

 ……明里は、私の態度に不満そうな目を向けている。
 いかん。このままでは、この話は終わってしまう。
 私の知らない女子高の世界。
 明里は千夜一夜のシェヘラザードか?
 ここは、真面目そうな言葉を返すのが正解だろう。

「あの頃、明里は、それどころじゃなかったよね~」
「その後、」
 よかった~、話し続けてくれる。
「昼休みは、みんなで一緒にお弁当食べながら、玲子の彼氏との話を聞かせてもらってる」

「その達が、卒業旅行に行った4人?」
「はい。その4人が興味津々グループ」
「なるほど」

「興味無い派の娘たちは、興味津々グループの中に入ろうとしないんだけど、自分の席でお弁当食べてると玲子の話が聞こえてくるので、エッチな話になると困っちゃうよね」

「『そういう話は、教室でしないで下さい!』って、誰か言わないの?」
「それが、誰も言わない」

「本当は聞きたくて……聞き耳立てているに違いありません」
「さあ」

「でも、興味津々派の娘達って、玲子さん以外、彼氏いないの?」
「いないと言ってるけど……わかりません」

「そうすると、玲子さんが1人で話しをしている?」
「はい。それでみんなは玲子に質問攻め」
「すごいな~」

「玲子は、それに対して何でも答えるから、どんどんエッチな質問になっていく」
「玲子さんすごい」

「おかげで、玲子から色々教わりました」
「そうですか……で、どんな事、教わったのでしょう」

「女性と違って男の人は、抜かないと溜まってくるって」
「えっ……いや……」

「男の人は、溜まってくると、苦しくなるって」
「いやっ……それは……」

「それを治めるのは、彼女になった人の役目だって」
「それは、彼氏さんが玲子さんに教えた話しですか?」

「玲子は彼女として、毎週それを治める為に……」
 こっ、これは……興味無い派の娘達にとって、聞こえてくるこの話は、精神攻撃に違いない。

 明里は、チロッと私を見た。
 やばい!

「おじさんは……」
「さあ、じゃ、そろそろ私は、明日に備えて寝ようかな」
 私は慌てて話しを終わらせた。
 この先、とんでもない質問が待っている。

 明里はクスッと笑ってベッドから降りた。
「はい、では、おやすみなさい」

「はい、おやすみ」
 明里は自分の部屋へ戻って行った。

 やれやれ……
 これだからお嬢様学校の女子高生は……
 しかしそれにしても、明里さんには困ったものだ。
 いいかげんな話しを素直に教わって……

 しかし、それを治めるのは彼女の役目って……いかん、私の私自身が!
 明里さんは治めてくれるだろうか……?

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 次回:デモンストレーション
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