【完結】おじさんが家出少女を自宅で囲う

青村砂希

文字の大きさ
上 下
68 / 88
第6章

6-14 学祭準備

しおりを挟む
 家に着くと、明里が夕飯の支度をしていた。
「おかえりなさい」
「ただいま」
「大変ですね」
「2日後、社内デモを予定していて……」

「どうですか?」
「まあ、及第点はもらえるかな」
「よかった~」

「明里は、学祭の準備の方は?」
「順調です」
「プラネタリウムを作るって言ってたよね」
「はい。金属のボールの中に電球入れて、その金属に穴あけて……」

「ピンホール式プラネタリウム」
「ええ、でも実際これをやろうとすると、100個や200個の穴じゃ、さまにならないんです」
「ああ、3000個ぐらい。出来れば10000個ぐらい」

「それで、不可能だと解りました」
「諦めいいね~」
「そこで、パソコン上で星図を映して、それをプロジェクターで投影する事にしました」
「お~何とお手軽な」

「そのプロジェクターを天井に向けて投影させれば、プラネタリウム完成」
「なるほど」

「だったんですが、電気科の部員に、プロジェクターを上に向けちゃ、ダメだろうって言われまして」
「ああ、ファンで冷やす為の空気の流れが、上を向けると設計上の流れと違うからね」

「やっぱりそうなんですね」
「メーカーとしては、本来の使い方と異なる使い方という事になるでしょう」

「それで、プロジェクターは水平に置いて、レンズの前に鏡を45°で固定して真上に投影するようにしました」
「なるほど」

「頭いいでしょ」
「どうかな~」
「ええ?」
「何時間ぐらい投影するの」

「9時から5時までだから、8時間ぐらい」
「一度、長時間、そのやり方で投影したらどうなるか、実験した方がいい」
「え~?」

・・・・・・

 そして次の日、明里が私に報告した。
「おじさんの言ったとおり、レンズの前に鏡置いて長時間投影していたら、鏡のアルミ蒸着が熱で膨れて、ぐちゃぐちゃになっちゃった」
「やっぱり」

「鏡をプロジェクターから離せば、鏡が受ける熱は分散されるけど、プロジェクターから漏れた光を遮断する囲いに入らない」
「では、どうしたらいいでしょう」

「鏡面仕上げのアルミ板を使ってみます」
「なるほど。でも、それも実験してみるといい。熱くなると表面に酸化被膜が出来てしまうかもしれない。 まあ、そんなところまで、熱くならないか」
「わかりました」

 やはり、本番と同じ内容で動作確認しなければならないと改めて思った。

 明里は前期試験も終わり、学祭の準備活動をしている。
 無かった夏休みの代わりになるだろうか、今は大変充実してるようだ。

 私もデモに関して目途が立ったお陰で、まったりとしている。
 私の経験の中で、今回のケースは初めてである。
 だいたい今頃は、会社に泊まり込んでいる。
 やはり、碧の力が大きい。

 いや、私のチームのみんなが素晴らしい。
 まとまりが良く、議論も建設的で夢中になる。
 そういう所に、ひらめきの神様は降りて来る。

 ……そう勝手に結論付けた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 次回:明里の千夜一夜
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

明智さんちの旦那さんたちR

明智 颯茄
恋愛
 あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。  奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。  ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。  *BL描写あり  毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

兄になった姉

廣瀬純一
大衆娯楽
催眠術で自分の事を男だと思っている姉の話

処理中です...