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第6章
6-14 学祭準備
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家に着くと、明里が夕飯の支度をしていた。
「おかえりなさい」
「ただいま」
「大変ですね」
「2日後、社内デモを予定していて……」
「どうですか?」
「まあ、及第点はもらえるかな」
「よかった~」
「明里は、学祭の準備の方は?」
「順調です」
「プラネタリウムを作るって言ってたよね」
「はい。金属のボールの中に電球入れて、その金属に穴あけて……」
「ピンホール式プラネタリウム」
「ええ、でも実際これをやろうとすると、100個や200個の穴じゃ、さまにならないんです」
「ああ、3000個ぐらい。出来れば10000個ぐらい」
「それで、不可能だと解りました」
「諦めいいね~」
「そこで、パソコン上で星図を映して、それをプロジェクターで投影する事にしました」
「お~何とお手軽な」
「そのプロジェクターを天井に向けて投影させれば、プラネタリウム完成」
「なるほど」
「だったんですが、電気科の部員に、プロジェクターを上に向けちゃ、ダメだろうって言われまして」
「ああ、ファンで冷やす為の空気の流れが、上を向けると設計上の流れと違うからね」
「やっぱりそうなんですね」
「メーカーとしては、本来の使い方と異なる使い方という事になるでしょう」
「それで、プロジェクターは水平に置いて、レンズの前に鏡を45°で固定して真上に投影するようにしました」
「なるほど」
「頭いいでしょ」
「どうかな~」
「ええ?」
「何時間ぐらい投影するの」
「9時から5時までだから、8時間ぐらい」
「一度、長時間、そのやり方で投影したらどうなるか、実験した方がいい」
「え~?」
・・・・・・
そして次の日、明里が私に報告した。
「おじさんの言ったとおり、レンズの前に鏡置いて長時間投影していたら、鏡のアルミ蒸着が熱で膨れて、ぐちゃぐちゃになっちゃった」
「やっぱり」
「鏡をプロジェクターから離せば、鏡が受ける熱は分散されるけど、プロジェクターから漏れた光を遮断する囲いに入らない」
「では、どうしたらいいでしょう」
「鏡面仕上げのアルミ板を使ってみます」
「なるほど。でも、それも実験してみるといい。熱くなると表面に酸化被膜が出来てしまうかもしれない。 まあ、そんなところまで、熱くならないか」
「わかりました」
やはり、本番と同じ内容で動作確認しなければならないと改めて思った。
明里は前期試験も終わり、学祭の準備活動をしている。
無かった夏休みの代わりになるだろうか、今は大変充実してるようだ。
私もデモに関して目途が立ったお陰で、まったりとしている。
私の経験の中で、今回のケースは初めてである。
だいたい今頃は、会社に泊まり込んでいる。
やはり、碧の力が大きい。
いや、私のチームのみんなが素晴らしい。
まとまりが良く、議論も建設的で夢中になる。
そういう所に、ひらめきの神様は降りて来る。
……そう勝手に結論付けた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回:明里の千夜一夜
「おかえりなさい」
「ただいま」
「大変ですね」
「2日後、社内デモを予定していて……」
「どうですか?」
「まあ、及第点はもらえるかな」
「よかった~」
「明里は、学祭の準備の方は?」
「順調です」
「プラネタリウムを作るって言ってたよね」
「はい。金属のボールの中に電球入れて、その金属に穴あけて……」
「ピンホール式プラネタリウム」
「ええ、でも実際これをやろうとすると、100個や200個の穴じゃ、さまにならないんです」
「ああ、3000個ぐらい。出来れば10000個ぐらい」
「それで、不可能だと解りました」
「諦めいいね~」
「そこで、パソコン上で星図を映して、それをプロジェクターで投影する事にしました」
「お~何とお手軽な」
「そのプロジェクターを天井に向けて投影させれば、プラネタリウム完成」
「なるほど」
「だったんですが、電気科の部員に、プロジェクターを上に向けちゃ、ダメだろうって言われまして」
「ああ、ファンで冷やす為の空気の流れが、上を向けると設計上の流れと違うからね」
「やっぱりそうなんですね」
「メーカーとしては、本来の使い方と異なる使い方という事になるでしょう」
「それで、プロジェクターは水平に置いて、レンズの前に鏡を45°で固定して真上に投影するようにしました」
「なるほど」
「頭いいでしょ」
「どうかな~」
「ええ?」
「何時間ぐらい投影するの」
「9時から5時までだから、8時間ぐらい」
「一度、長時間、そのやり方で投影したらどうなるか、実験した方がいい」
「え~?」
・・・・・・
そして次の日、明里が私に報告した。
「おじさんの言ったとおり、レンズの前に鏡置いて長時間投影していたら、鏡のアルミ蒸着が熱で膨れて、ぐちゃぐちゃになっちゃった」
「やっぱり」
「鏡をプロジェクターから離せば、鏡が受ける熱は分散されるけど、プロジェクターから漏れた光を遮断する囲いに入らない」
「では、どうしたらいいでしょう」
「鏡面仕上げのアルミ板を使ってみます」
「なるほど。でも、それも実験してみるといい。熱くなると表面に酸化被膜が出来てしまうかもしれない。 まあ、そんなところまで、熱くならないか」
「わかりました」
やはり、本番と同じ内容で動作確認しなければならないと改めて思った。
明里は前期試験も終わり、学祭の準備活動をしている。
無かった夏休みの代わりになるだろうか、今は大変充実してるようだ。
私もデモに関して目途が立ったお陰で、まったりとしている。
私の経験の中で、今回のケースは初めてである。
だいたい今頃は、会社に泊まり込んでいる。
やはり、碧の力が大きい。
いや、私のチームのみんなが素晴らしい。
まとまりが良く、議論も建設的で夢中になる。
そういう所に、ひらめきの神様は降りて来る。
……そう勝手に結論付けた。
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次回:明里の千夜一夜
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