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第2章
2-06(第2章 最終話)明里さんとデート
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4月も最後の週となり、GWに入った。
明里は、ご両親が心配されないよう、定期的に実家へ顔を出している。
また、何かあった時の為に、携帯の番号を伝えている。
ご両親には、女性の先輩とシェアハウスで生活していると伝えているようだ。
そして大学生になった今、このGW期間を利用して実家の私物を整理し、必要な物をこちらへ持って来たいとの事だ。
しかし、さすがに私が手伝いに行く訳にはいかない。
まあ、せっかくだから、実家に帰ってゆっくりしてきなさいと伝えた。
そして実家から、明里の私物が宅急便で届いた。
大きなダンボール箱で2つ。
なんとまあ、こんなもんで十分なのだろうか。
そして、GW最終日1日前の夕方、明里は帰って来た。
GW最後の日、私と何処かへ行きたいとの事である。
何の計画も立てていない。
明里は、海に行きたいと言い出した。
「ん~海かぁ、まだ、海水浴には早いよね~海に何を求める?」
「ただ、おじさんと一緒に、海が見たいです」
「ん~じゃあ近い所で、お台場へ行こうか?」
「あ~色々イベントもやってて、楽しそう」
という事で、東京臨海副都心お台場へ行く事になった。
GW最終日、ゆっくり起きて、遅い朝食を頂き、身軽な恰好で出発した。
新橋駅で、ゆりかもめ一日乗車券を購入し、お台場へ向かう。
往復の乗車賃より少し高いが、何度でも乗れるので、遊び回る気満々である。
ゆりかもめの先頭車両に乗って一番前に立ち、正面からの景色を見る。
レインボーブリッジを渡る。
SF映画に出てきそうな、未来都市への入り口のようである。
最初に青海駅まで行き、〇〇タウンを散策した。
GWだけあって、大変な人混みである。
クレープを買って、二人で食べ歩いた。
次にテレコムセンター駅に移動し、〇〇未来館へ入った。
明里もリケジョという事で、興味あるようだ。
子供達がたくさん来ている。
その中で、ツアーかなんかで来ているのか、外国の子供達が10人くらい集まっていた。
その集団に、ボランティアと書かれたカードをさげた大学生ぐらいの説明員が、英語で説明している。
明里は、その英語の説明を興味深く聞いていた。
すると、その中の一人が、明里を説明員だと思ったらしく、明里に質問してきた。
明里は説明員でない事を伝えれば良いものを、自分の中での知識を総動員させて、その子に英語で説明し始めたのである。
まあ、間違った事を言わなければ……と思い、明里の説明をチェックしていた。
すると、説明員の話を聞いていた子供達がその説明員から離れて、明里のまわりに集まって来た。
優しそうな明里に、惹かれるものがあるのだろう。
そして明里に向けて質問し始めたのである。
説明員は、焦った表情を浮かべ始めた。
うわ~ちょっと~まずいよ明里さ~ん。
子供達は真剣な眼差しで、次々と明里に質問を投げかける。
明里は、押し寄せる質問に対して、易しい言葉で説明していった。
一通り収まった所で、説明員は明里の前に来て明里に話かけた。
「お疲れさまです。ありがとう」
明里は一歩下がって、その説明員に深く頭を下げた。
「……すみませんでした」
明里は私の所へ逃げて来た。
「うわ~恐かったよ~」
「いや、なかなかでしたよ」
「あの子達、私が説明員だと思ってたのかな~」
「さあ~」
・・・・・・
その後、色々な所を観てまわり、最後にお台場海浜公園駅で降りた。
私は明里に提案した。
「夕食の時間帯になると混むから、少し早いけど、レストランに入ろうか」
すると明里が提案した。
「ん~でも折角だから、何か買って、海岸で海を見ながら食べるっていうのは?」
「ほう、それもまた一興ですね」
という事で、近くのコンビニに入り、私はビール、明里はコーヒー、それと調理パンやカップ麺を買って、カップ麺にお湯を注いで海岸に向かった。
海岸には遊歩道が作られており、そこに座って食事を始めた。
海を見ながら、ラーメンを食べる。
なかなか出来ないシュールな体験である。
目の前に海が広がる。
目の前に波が寄せる。
ゆっくりと日が沈んでいく。
空がオレンジ色に染まり始めた。
私と明里は波の音を聴きながら、その変わりゆく景色を、ゆっくりと見ていた。
明里は寄り添うように、私の肩に頭を預けた。
こっ、これは……何かしないと……何か言わないと……。
私は、明里にささやいた。
「人は……何処からきて、何処へいくのだろう……」
明里はゆっくりと私に顔を向けた。
明里が向ける痛々しい眼差し。
私にとって大好物だった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
うん、わかるよ、わかるよおじさん。
うん……そ~だよね~
本話までが、第2章となります。
ここまでお付き合い頂いた読者さま、本当にありがとうございます。
次回、第3章では、職場でのおじさんの様子を、のぞいてみましょう。
そして第3章から、陰のヒロイン(ラスボス)が登場します。
おじさんの心が、ラスボスに奪われる。
明里さん……ピーンチ!
これからも、是非、お付き合い下さい m(_ _)m
明里は、ご両親が心配されないよう、定期的に実家へ顔を出している。
また、何かあった時の為に、携帯の番号を伝えている。
ご両親には、女性の先輩とシェアハウスで生活していると伝えているようだ。
そして大学生になった今、このGW期間を利用して実家の私物を整理し、必要な物をこちらへ持って来たいとの事だ。
しかし、さすがに私が手伝いに行く訳にはいかない。
まあ、せっかくだから、実家に帰ってゆっくりしてきなさいと伝えた。
そして実家から、明里の私物が宅急便で届いた。
大きなダンボール箱で2つ。
なんとまあ、こんなもんで十分なのだろうか。
そして、GW最終日1日前の夕方、明里は帰って来た。
GW最後の日、私と何処かへ行きたいとの事である。
何の計画も立てていない。
明里は、海に行きたいと言い出した。
「ん~海かぁ、まだ、海水浴には早いよね~海に何を求める?」
「ただ、おじさんと一緒に、海が見たいです」
「ん~じゃあ近い所で、お台場へ行こうか?」
「あ~色々イベントもやってて、楽しそう」
という事で、東京臨海副都心お台場へ行く事になった。
GW最終日、ゆっくり起きて、遅い朝食を頂き、身軽な恰好で出発した。
新橋駅で、ゆりかもめ一日乗車券を購入し、お台場へ向かう。
往復の乗車賃より少し高いが、何度でも乗れるので、遊び回る気満々である。
ゆりかもめの先頭車両に乗って一番前に立ち、正面からの景色を見る。
レインボーブリッジを渡る。
SF映画に出てきそうな、未来都市への入り口のようである。
最初に青海駅まで行き、〇〇タウンを散策した。
GWだけあって、大変な人混みである。
クレープを買って、二人で食べ歩いた。
次にテレコムセンター駅に移動し、〇〇未来館へ入った。
明里もリケジョという事で、興味あるようだ。
子供達がたくさん来ている。
その中で、ツアーかなんかで来ているのか、外国の子供達が10人くらい集まっていた。
その集団に、ボランティアと書かれたカードをさげた大学生ぐらいの説明員が、英語で説明している。
明里は、その英語の説明を興味深く聞いていた。
すると、その中の一人が、明里を説明員だと思ったらしく、明里に質問してきた。
明里は説明員でない事を伝えれば良いものを、自分の中での知識を総動員させて、その子に英語で説明し始めたのである。
まあ、間違った事を言わなければ……と思い、明里の説明をチェックしていた。
すると、説明員の話を聞いていた子供達がその説明員から離れて、明里のまわりに集まって来た。
優しそうな明里に、惹かれるものがあるのだろう。
そして明里に向けて質問し始めたのである。
説明員は、焦った表情を浮かべ始めた。
うわ~ちょっと~まずいよ明里さ~ん。
子供達は真剣な眼差しで、次々と明里に質問を投げかける。
明里は、押し寄せる質問に対して、易しい言葉で説明していった。
一通り収まった所で、説明員は明里の前に来て明里に話かけた。
「お疲れさまです。ありがとう」
明里は一歩下がって、その説明員に深く頭を下げた。
「……すみませんでした」
明里は私の所へ逃げて来た。
「うわ~恐かったよ~」
「いや、なかなかでしたよ」
「あの子達、私が説明員だと思ってたのかな~」
「さあ~」
・・・・・・
その後、色々な所を観てまわり、最後にお台場海浜公園駅で降りた。
私は明里に提案した。
「夕食の時間帯になると混むから、少し早いけど、レストランに入ろうか」
すると明里が提案した。
「ん~でも折角だから、何か買って、海岸で海を見ながら食べるっていうのは?」
「ほう、それもまた一興ですね」
という事で、近くのコンビニに入り、私はビール、明里はコーヒー、それと調理パンやカップ麺を買って、カップ麺にお湯を注いで海岸に向かった。
海岸には遊歩道が作られており、そこに座って食事を始めた。
海を見ながら、ラーメンを食べる。
なかなか出来ないシュールな体験である。
目の前に海が広がる。
目の前に波が寄せる。
ゆっくりと日が沈んでいく。
空がオレンジ色に染まり始めた。
私と明里は波の音を聴きながら、その変わりゆく景色を、ゆっくりと見ていた。
明里は寄り添うように、私の肩に頭を預けた。
こっ、これは……何かしないと……何か言わないと……。
私は、明里にささやいた。
「人は……何処からきて、何処へいくのだろう……」
明里はゆっくりと私に顔を向けた。
明里が向ける痛々しい眼差し。
私にとって大好物だった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
うん、わかるよ、わかるよおじさん。
うん……そ~だよね~
本話までが、第2章となります。
ここまでお付き合い頂いた読者さま、本当にありがとうございます。
次回、第3章では、職場でのおじさんの様子を、のぞいてみましょう。
そして第3章から、陰のヒロイン(ラスボス)が登場します。
おじさんの心が、ラスボスに奪われる。
明里さん……ピーンチ!
これからも、是非、お付き合い下さい m(_ _)m
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