【完結】おじさんが家出少女を自宅で囲う

青村砂希

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第2章

2-04 おじさん、お話しがあります。

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 マンションに戻り、時計を見ると、9時をまわっていた。
 明里は、まだ帰っていない。
 何時頃になるのだろう。

 話は、明日にするか……
 丁度その時、玄関のカギが開く音がした。

 明里が帰ってきた。
 少し息を切らせている。
 駅から小走りで帰ってきたようだ。

 明里は、私の顔をみるなり、
「ごめんなさい。夕食、済ませましたか?」
「ああ、済ませた。明里は?」
「私も済ませました」
 ……夕食……済ませた?……1人でか?

 明里は、自分の部屋へ入り、持ち物を置いてリビングに戻ってきた。

「おじさん、お話しがあります」
「……はい」
「実は、食事などで、ご一緒した男性がいます」
 ……ああ、私から話すつもりだったが、明里から切り出してくれた。

「今日その方に、交際を申し込まれました」
 私は俯いたまま、言葉を返した。
「……ああ」

「おじさん、やっぱりその事、知ってたんですね!」
 厳しい口調で責められた。

 私は明里と目を合わさずに、言葉を返した。
「明里の大学近くのファミレスで、偶然見かけた」

「なんで言ってくれなかったんですか!」
「うん。……まあ」
「だから最近、私を避けてたんですね!」

「今日……その件で、明里と話し、しようと思って……」
「話って……話ってどんな話をするつもりだったんですか!」

「まあ、明里を……これ以上、束縛してはいけないと……」
「今日、その方に、はっきりとお断りしてきました!」
「…………えっ?」

 顔を上げると、明里は大粒の涙を溜めていた。
「なんでおじさんは、私を信じてくれないのですか!」
「いや……楽しそうだったし」

「大学はいったら、色々な人から色々学んで欲しいって言ったの、おじさんじゃないですか!」
「いや……その……その時の、相手の男性に向けた明里の笑顔が……私は、初めて見たな~と」
「あんな社交的な笑顔、おじさんに向ける訳ないでしょう!」

「……そうなの?」
「私、怒ってます」
「あの……明里さん?」

「私、すんごく怒ってますから!」
「明里さ~ん」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 次回:私、怒ってます!
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