【完結】おじさんが家出少女を自宅で囲う

青村砂希

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第1章

1-12 ひさしぶりの1人生活

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 受験が終わり、合格発表を終えて、高校の卒業式まで2週間ある。
 明里は受験した大学の結果を報告する為、高校へ行った。

 〇〇大学合格しましたと報告したら「まあすごい」と笑って本気にしてくれなかった。
 合格通知を見せたら先生は固まっていた。
「どんな手を使ったの」と聞かれて「私には、優秀な指南役が付いているので」と答えた。

 その後、校内で友達と会って、お互い大学受かった事で抱き合って喜んだ。
 明里は?と聞かれて〇〇大学って答えたら、友達は持ってた書類全部落とした。
 そして、すごいすごいすごいと言って、再び抱き付いて飛び跳ねて、自分の事のように喜んでくれた。

 先生と友達のリアクションに触れて、本来なら、入れる大学ではなかったんだな~と改めて思った。
 ……とのこと。

「友達は明後日から、オーストラリアへ卒業旅行に行くって」
 ……なんだろう。今の最後、言い淀んだ感じを受けた。

「明里は誘われなかったの?」
「……誘われたけど」
「誘われたけど?」
「ちょっと、予定があるって言って……」

「明里、私はあまり干渉してはいけないと思ってるんだが……予定って何?」
「……」
「高校の友達との卒業旅行って二度と無いよ」
「……」
「金銭的な問題で断ったんでしょう」
「……」

「パスポートは持ってる?」
「……高2の時、修学旅行でヨーロッパへ行った時に……」
「では、今からでも参加出来ないか確認して、それといくら必要か、至急調べて!」

 明里は自分の部屋へ入って、友達に電話している。

 私は、パンと水だけでは、人間は成長出来ないと考えている。
 よって明里に対して『衣食住』以外に、人並のお小遣いも提供している。
 明里はそれ自体も、心苦しいようだ。

 しばらくして、明里が戻ってきた。
 明里も参加出来るなら、という事で、若干予定を変更してくれたらしい。
 概算としての旅行費用を教えてもらい、多めに渡した。
 今後は、明里にクレジットカードを作らなければならないと思った。

 次の日、明里は友達と一緒に旅行の手続き、打ち合わせ、そして旅行に必要な買い物に行った。
 明里にとって、慌ただしい1日だった。

 そして明里は今週一杯、卒業旅行。
 私は久しぶりに1人生活。
 仕事を終えて帰宅する。
 玄関の扉を開けると、その先に真っ暗な部屋……

 ……そうだった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 次回:再び眠れない夜が……
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