【完結】おじさんが家出少女を自宅で囲う

青村砂希

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第1章

1-10 大学入試

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 2月にはいった。
 私立大学の一般入試が始まった。
 16日間の中で7校受験する。
 試験日が続いてしまい、受験生にとっては大変だ。

 東京は、この時期が一番寒い。
 入試に向かう日は「お守り」と言って使い捨てカイロを渡した。
 明里は少し困った表情を浮かべていたが「行ってきます」と言って受け取った。
 余計なお世話と思いながらも、今の私がしてあげられる事といったら、そんな事ぐらいしかない。

 ・・・・・・

 明里が入試を終えて帰ってきた。
 疲れた表情だ。
 この入試期間、私が食事等の準備を行う事にした。

 その日の試験が終わったら、試験の事は忘れる事。
 帰ってきたら、頭と体を休める事。
 それを、明里に言い渡した。

 ・・・・・・

 2月16日、明里の入試が全て終わった。
 後は結果を待つのみ。

「お疲れ様」
「ありがとうございます。お世話様です」

「手ごたえは?」
「なんか~頭ん中真っ白で、全然思い出せない」
「それでいいです」
「おわった~」

「やれやれ……何かおいしいもの、食べに行こうか?」
「いくいくいく!」
「何がいい?」
「ん~、あっ、お好み焼きがいい」

「えぇ?レストランにでも……」
「お好み焼きがいい! 焼きそばも頼んで……私が作りたい!」
「わかった。駅まえのお好み焼き屋さんかな」
「そこ~」

「じゃあ、すぐ出発しよう」
「おじさんとデートぉ~♪」
「お好み焼きで喜んでくれる。明里は燃費い~な~」
「?」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 おじさんからもらった『お願いを叶えてくれる券』
 明里さんはそれを、お守りにしているようです。
 さて、そのお願い、神様に届くでしょうか。

 次回:しかし、まあ、なんだねぇ
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