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第1章
1-03 おじさんは変態さん
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明里との生活を始めてから1週間ほど経った日の夜、入浴を済ませて自分の部屋のベッドで横になっていると、部屋の扉をノックする音が聞こえた。
「はい」と、声を掛けると、枕を抱いた明里が立っていた。
「あの……一緒に寝て……いい?」
「いや……だめだろう」
明里は、枕をきつく抱いて、下を向いて言った。
「あの……少しの間だけで……その後は帰るから……」
私は、ゆっくりと息を吐いた。
「……はい、どうぞ」
明里は、恥ずかしそうな表情を浮かべて、私のベッドに入ってきた。
私のベッドは、セミダブルである。
伸び伸びと寝れるように購入した。
おかげで、2人で寝ても……まあ、シングルほど狭苦しくはない。
だが、まさか女子高生と一緒に寝る事は、思ってもいなかった。
沈黙が続いた。
しばらくして、明里は天井を向いたまま、私に話かけた。
「あの……JKが隣で寝ているのに、なんで何もしないの?」
私は答えなかった。
すると明里は、私の方に体を起こして言った。
「もしかして……おじさんって、あっち系?」
「……あっち系が何を指しているか解りませんが、おそらく絶対違うからな!」
「おそらく絶対……へんな日本語」
「『おそらく』は、何を指しているか解らない事に対して、その推測が当たっていると仮定した上での『絶対違う』です」
「なるほどです」
「……」
「では、何故ですか?」
「社会人が女子高生に手を出したら犯罪です」
「私のクラスで、彼氏と……、いるよ」
「私が社会人だから問題になるのです。……援助交際とか」
「お金もらわなくても?」
「仮に、金銭の受け渡しがなかったとしても、そこには、なんだかの要求があったと見なされます。
つまり、私が明里に手を出したら、私は犯罪者として逮捕されてしまうのです」
「……ほんとかな~」
しばらくして、明里はベッドから降りた。
「私に用意して頂いた部屋へ戻ります」
「……はい」
「おじさん……おやすみなさい」
「はい、おやすみなさい」
明里は、静かに私の部屋から出て行った。
……明里は、ここでの生活の対価として、このような事をしているのだろうか?
実は、明里の生徒手帳を見た時、明里の生年月日が記載されていた。
明里は高3だが、既に18歳になっている。
よって、児童淫行罪には抵触しない。
しかし、このような事が学校に知れたら、退学処分を受けてしまうだろう。
ご両親が入れてくれた学校である。
そのような処分を受ける事なく、きちんと卒業してほしい。
・・・・・・
次の日の夜、明里は再び枕を抱いて、私の部屋をノックした。
昨日同様、私のベッドに入ってきた。
突然、明里が話かけた。
「私の胸、小さいの」
「……そう」
「男の人って、大きい胸の女性が好きよね」
「そう?」
「そうよ」
不機嫌な口調だった。
「……男の人と言っても色々いて、私はスリムな女性が好みかな」
「……本当?」
明里は、身を乗り出して話を続けた。
「私を相手にしないのは、胸がないからじゃないの?」
「だからJKに手を出したら犯罪者になってしまうと昨日話したとおりで……」
「じゃあ、おじさんにとって、私はどんな感じ?」
「まあ……私好みです」
「本当?」
疑わしい口調だった。
「……」
「じゃあ、なんで何もしないんですか?」
「だから犯罪者になってしまうと言ったばかりで」
「……おじさん、もしかして、そっちの問題?」
「あっちとか、そっちとか、何を指しているか解りませんが、おそらく絶対違うからな!」
私はベッドから降りて部屋から出た。
そしてリビングのソファーに腰かけた。
「やれやれ、困ったお嬢さんだ」
しばらくすると、明里が私の部屋から出てきた。
「おじさん、ごめんなさい。私に用意して頂いた部屋で寝ます。おやすみなさい」
私は、自分の部屋へ戻った。
……明里は孤独なのだろうか。
それで……人恋しいのかもしれない。
ベッドの中で、そんな事を考えながら眠ってしまった。
・・・・・・
そして次の日も、明里は枕を抱いて、私の部屋をノックした。
「昨日はごめんなさい」
「……いいえ」
「今日もまた、少しの間だけ、隣で寝ていいですか」
「……どうぞ」
明里は嬉しそうな表情を浮かべて私のベッドに入ってきた。
「おじさんの事、色々知りたいです。質問してもいいですか?」
「……その前に、明里は私をどのように見ているの?」
「すっごく優しくて、紳士的なおじさん」
「これだから、何も知らないお嬢さんは」
「……違うの?」
「私はすっごい『変態さん』です」
「えっ?」
私に対して、『あっち系?』とか『そっちの問題?』と言う明里に対して、私は自分を大きく見せた。〔← ?……お~い〕
「そもそも男は、みんな変態さんです!」
明里は恥ずかしそうに下を向いて反論した。
「……そんなこと……ないと思います」
「……で……私の何が知りたいの?」
明里は慌てて質問してきた。
「あっ……あの……おじさん、おいくつですか?」
「現在34です」
「えっ……そうなんですか?」
「いくつに見えてました?」
「いえ……すごく落ち着いて見えて」
「その、落ち着いて見えるおじさんが、変態おじさんなのです」
「ううっ……」
「……」
「では……女性とのお付き合いの経験は?」
「5年前、結婚を約束した女性がいました」
「えっ!」
明里は飛び起きた。
「そんなに驚く事ですか?」
「いや~……別れたんですか?」
「まあ……色々あって」
「それは……おじさんが変態さんだったからですか?」
「それは違います」
「で……それからは?」
「それからは、ずっと1人です」
「その女性が忘れられなくて?」
「いゃ……ただ、女性関係がめんどくさくなって」
「……」
明里からの質問は、そこで終わった。
しばらくして、明里は私のベッドから降りた。
「おじさん、ありがとう。私に用意して頂いた部屋へ戻ります」
「ああ、おやすみ」
「……おやすみなさい」
明里は自分の部屋へ戻って行った。
明里は私の、何が知りたかったのだろう。
そんな事を考えながら、私は眠ってしまった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
次回:明里のこれから
明里さんが変態おじさんに改造されてしまう。
「はい」と、声を掛けると、枕を抱いた明里が立っていた。
「あの……一緒に寝て……いい?」
「いや……だめだろう」
明里は、枕をきつく抱いて、下を向いて言った。
「あの……少しの間だけで……その後は帰るから……」
私は、ゆっくりと息を吐いた。
「……はい、どうぞ」
明里は、恥ずかしそうな表情を浮かべて、私のベッドに入ってきた。
私のベッドは、セミダブルである。
伸び伸びと寝れるように購入した。
おかげで、2人で寝ても……まあ、シングルほど狭苦しくはない。
だが、まさか女子高生と一緒に寝る事は、思ってもいなかった。
沈黙が続いた。
しばらくして、明里は天井を向いたまま、私に話かけた。
「あの……JKが隣で寝ているのに、なんで何もしないの?」
私は答えなかった。
すると明里は、私の方に体を起こして言った。
「もしかして……おじさんって、あっち系?」
「……あっち系が何を指しているか解りませんが、おそらく絶対違うからな!」
「おそらく絶対……へんな日本語」
「『おそらく』は、何を指しているか解らない事に対して、その推測が当たっていると仮定した上での『絶対違う』です」
「なるほどです」
「……」
「では、何故ですか?」
「社会人が女子高生に手を出したら犯罪です」
「私のクラスで、彼氏と……、いるよ」
「私が社会人だから問題になるのです。……援助交際とか」
「お金もらわなくても?」
「仮に、金銭の受け渡しがなかったとしても、そこには、なんだかの要求があったと見なされます。
つまり、私が明里に手を出したら、私は犯罪者として逮捕されてしまうのです」
「……ほんとかな~」
しばらくして、明里はベッドから降りた。
「私に用意して頂いた部屋へ戻ります」
「……はい」
「おじさん……おやすみなさい」
「はい、おやすみなさい」
明里は、静かに私の部屋から出て行った。
……明里は、ここでの生活の対価として、このような事をしているのだろうか?
実は、明里の生徒手帳を見た時、明里の生年月日が記載されていた。
明里は高3だが、既に18歳になっている。
よって、児童淫行罪には抵触しない。
しかし、このような事が学校に知れたら、退学処分を受けてしまうだろう。
ご両親が入れてくれた学校である。
そのような処分を受ける事なく、きちんと卒業してほしい。
・・・・・・
次の日の夜、明里は再び枕を抱いて、私の部屋をノックした。
昨日同様、私のベッドに入ってきた。
突然、明里が話かけた。
「私の胸、小さいの」
「……そう」
「男の人って、大きい胸の女性が好きよね」
「そう?」
「そうよ」
不機嫌な口調だった。
「……男の人と言っても色々いて、私はスリムな女性が好みかな」
「……本当?」
明里は、身を乗り出して話を続けた。
「私を相手にしないのは、胸がないからじゃないの?」
「だからJKに手を出したら犯罪者になってしまうと昨日話したとおりで……」
「じゃあ、おじさんにとって、私はどんな感じ?」
「まあ……私好みです」
「本当?」
疑わしい口調だった。
「……」
「じゃあ、なんで何もしないんですか?」
「だから犯罪者になってしまうと言ったばかりで」
「……おじさん、もしかして、そっちの問題?」
「あっちとか、そっちとか、何を指しているか解りませんが、おそらく絶対違うからな!」
私はベッドから降りて部屋から出た。
そしてリビングのソファーに腰かけた。
「やれやれ、困ったお嬢さんだ」
しばらくすると、明里が私の部屋から出てきた。
「おじさん、ごめんなさい。私に用意して頂いた部屋で寝ます。おやすみなさい」
私は、自分の部屋へ戻った。
……明里は孤独なのだろうか。
それで……人恋しいのかもしれない。
ベッドの中で、そんな事を考えながら眠ってしまった。
・・・・・・
そして次の日も、明里は枕を抱いて、私の部屋をノックした。
「昨日はごめんなさい」
「……いいえ」
「今日もまた、少しの間だけ、隣で寝ていいですか」
「……どうぞ」
明里は嬉しそうな表情を浮かべて私のベッドに入ってきた。
「おじさんの事、色々知りたいです。質問してもいいですか?」
「……その前に、明里は私をどのように見ているの?」
「すっごく優しくて、紳士的なおじさん」
「これだから、何も知らないお嬢さんは」
「……違うの?」
「私はすっごい『変態さん』です」
「えっ?」
私に対して、『あっち系?』とか『そっちの問題?』と言う明里に対して、私は自分を大きく見せた。〔← ?……お~い〕
「そもそも男は、みんな変態さんです!」
明里は恥ずかしそうに下を向いて反論した。
「……そんなこと……ないと思います」
「……で……私の何が知りたいの?」
明里は慌てて質問してきた。
「あっ……あの……おじさん、おいくつですか?」
「現在34です」
「えっ……そうなんですか?」
「いくつに見えてました?」
「いえ……すごく落ち着いて見えて」
「その、落ち着いて見えるおじさんが、変態おじさんなのです」
「ううっ……」
「……」
「では……女性とのお付き合いの経験は?」
「5年前、結婚を約束した女性がいました」
「えっ!」
明里は飛び起きた。
「そんなに驚く事ですか?」
「いや~……別れたんですか?」
「まあ……色々あって」
「それは……おじさんが変態さんだったからですか?」
「それは違います」
「で……それからは?」
「それからは、ずっと1人です」
「その女性が忘れられなくて?」
「いゃ……ただ、女性関係がめんどくさくなって」
「……」
明里からの質問は、そこで終わった。
しばらくして、明里は私のベッドから降りた。
「おじさん、ありがとう。私に用意して頂いた部屋へ戻ります」
「ああ、おやすみ」
「……おやすみなさい」
明里は自分の部屋へ戻って行った。
明里は私の、何が知りたかったのだろう。
そんな事を考えながら、私は眠ってしまった。
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次回:明里のこれから
明里さんが変態おじさんに改造されてしまう。
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