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第四章 新生活は足りないものが多すぎる
03 理不尽なお仕置き
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取り敢えず防音問題は解決? したので、次の議題に移る事になった。
俺たちは一度下に降りると座布団を、リリは紅茶セットをお土産にして二階に戻る。
別に話をするだけならリビングでも良かったのだが、家庭内の問題においても三現主義は大切だ。
俺たちは先ほどの部屋に戻ると、俺と金髪は向かい合わせに、リリは俺の隣に腰を落ち着けた。
「で。一番の問題は鍵が無い事だっけ?」
「その通りじゃ」
俺の言葉に金髪は頷くと、紅茶を一口啜ってから続ける。
「音に関しても確かに問題じゃが、あれは妾が我慢すればいいだけじゃからの。じゃが、鍵がかからないのは我慢がならん。いつ、いかなる時も侵入者に怯えて過ごすなど正気の沙汰ではない……!」
カップを畳の上のソーサーの上に置き、拳を握り締めて熱く語る金髪を一瞥した後に窓を見る。
古い造りではあったがしっかりと鍵がかかるようになっているから、金髪のいう侵入者とは内部の人間の事だろう。
「一応確認だが、お前のいう侵入者とは俺たち2人の事だよな?」
「他に誰がいると言うのじゃ?」
「いや、意味がわかんねぇよ」
大抵の場合、家族間で起こったトラブルに関しては、通報しても『取り敢えず話し合ってください』と、最初は門前払いされるのが関の山だ。
いや、ルームシェアなんかだとその限りではないのかもしれないが、基本的には同じ家に住んでいる者同士でのトラブルは単発では問題にしにくいのが現実だった。
そもそも、少なくとも俺に関しては金髪の部屋に忍び込んで狼藉を働いた事などない。
「信用ねぇな。何で俺達がお前の部屋に忍び込むのが前提なんだよ。自意識過剰だぞ」
「この間入ってきたではないか!」
俺の言葉に金髪は身を乗り出すと目を剥いて反論する。
その言葉に俺は二日前にこの部屋に荷物を取りに来た事を思い出すが、何が問題なのかわからなかった。
「んだよ。この部屋に忘れた荷物を取りに来ただけだろが。ここは俺んちだ。俺の家に俺が立ち入って何が悪い?」
「家は兎も角、今はこの部屋は妾の部屋じゃろ!? それをノックも無く突然入り込むとか信じられんわ! 妾が……その……着替えとったのに!」
着替え……?
言われて俺はその時の様子を思い浮かべる。
確かにノックはしなかった。
別にこの家は俺の家だし、金髪も殆ど着の身着のままこっちに逃げてきて日も浅いから貴重品のたぐいも持ち合わせていない。
盗まれる物がないのだから特に気にすることもないだろう……とは思っていた。
確かに今思えばノックくらいはした方が良かったかな? とは思うが、実際にトラブルが起きたという認識はなかったのだ。
入った後に確か金髪の所在を確認したと思う。
その時に上半身に何も着ていない状態で真っ赤な顔をした金髪と目が合ったような記憶も確かにある。
だが、その時金髪は両腕で前を隠していたし、俺も部屋に残していた鞄を手に取って直ぐに部屋を出た。
そもそも、何の起伏もない少女の体に興奮するような特殊な趣味を俺は持ち合わせてはいなかった。
「……何か問題が?」
「大有りじゃろ!? 何じゃその心底不思議そうな顔は!? まさか本当に何も感じておらんかったのか!? 腹立つのう!!」
「見られたいのか見られたくないのかどっちだよ」
目の前で抗議の声をあげる金髪に呆れて鼻から息を抜いて湯呑に手を伸ばす俺だったが、突然背中に感じた痛みにその手をとめる。
それは例えるならば感電に近いような感触。丁度背中の真ん中の……端的に言うと魔女の瞳が埋め込まれている辺りから断続的に針を刺し続けているような痛みが走っているのである。
「……あの。リリさん?」
「ん?なに?」
俺は首を横にして隣に座っていたリリを見る。
そこにいたリリは俺の顔をずっと見ていたようで、顔を向けた瞬間金色の瞳と目があった。
「なんか、背中が痛いんすけど」
「そうなの? 後で薬塗ってあげようか?」
俺の訴えにシレっとそんな事を言ってくるリリ。
よく見ると、リリは俺の左腕の二の腕あたりに右手を添えており、触っている部分がほんのりと暖かった。
絶対こいつは何かやっている。
「まあ、そんなことよりも……」
そして、そんな事呼ばわりされる俺の背中の激痛。
おかしい。
初めてあってから今日まで俺はリリに身体的な痛みを伴う行動をされた事はない。基本的には甘えてくる事が多かったので、俺は頭の中で何か気に障ることをしたか考えるが全く思い浮かばなかった。
「見たの?」
「何をだ?」
「だから。姫様の裸」
「…………」
リリの瞳と、添えられた手の温度が急激に下がったような気がした。
ついでに、背中の中心がキシキシと突っ張るような痛みに変わる。
OK。理解した。
俺が責められている原因も、人って特に愛がなくても伴侶を持つと嫉妬ってするんだなって事も。
「まあ……。見たか見てないかで言えば見たというのは間違いないが……。果てしなくどうでもいいから全く記憶に残ってないぞ?」
「そうなんだ? 姫様の肌ってとっても綺麗でしょ? お城でお世話してた使用人達の間では【白い妖精】って呼ばれるくらいだったんだよ?」
「そうなのか? 起伏がなさ過ぎて俺のストライクゾーンからはだいぶ逸れてオオオオオッ!!」
痛い! 熱い! 痛い! 熱い!
俺の背中が真っ赤に燃えるぅっ!!
背中のあまりの痛みに畳に額を擦りつけて歯を食いしばって痛みを堪える俺だったが、誰かが俺のすぐ傍に寄ってきたらしい事を気配で知る。
視界の端に金色の細糸が見えたので、金髪なのだろうが。
「お主馬鹿じゃろ」
「……お前にだけは言われたくなかったぜ」
小声でやり取りする俺たちだったが、今のリリはそんな事さえ許さないらしい。
熱さに加えて抓られるような痛みが背中に追加され、更に苦悶の声を出した事で金髪も危機感を覚えたようだ。
俺から離れて焦ったような気配が伝わってきた。
「姫様」
「な……何じゃ」
リリの簡潔な呼び声に答える金髪。
もっとも、その声は震えていたから、恐怖のあまり多分、きっと涙目になっているだろう。
「この部屋に鍵が付いてれば取り敢えず部屋は交換しなくてもいいんだよね?」
「ま、まあそうじゃな」
リリの問いに金髪は頷いたようだ。
本当は広さに関しても多少の不満はあっただろうに、素直に飲み込んだ辺り現在のリリの様子がわかるようで恐ろしい。
その当事者であるリリは、俺の背中に手を置くと、ゆっくり労わるように撫でてきた。
「だってさ。旦那様。直ぐにこの部屋に鍵つけて?」
「……簡単に言うがな。先ずは襖をどうにかしなきゃならないし、それなりの工事になるぞ? 費用の面もあるし、そもそもこの部屋のリフォームの優先度は低い──」
「付けてくれないの?」
俺の答えにリリの手の動きが止まる。
……背中に痛みは感じない。
だが、まるで時限爆弾のスイッチが入ったような感覚で、背中がじっとりと汗で滲むのを自覚する。
「……わかった。直ぐに手配しよう。けど、今日明日でつけるのは流石に無理だ。それまでは応急的な対応になるがそれでいいか?」
「いいんじゃない? 私よりも問題は姫様だし」
背中を優しくポンと叩かれたので、おそらく許されたのだろう。
そう判断して俺が状態を起こすとたっぷり3m離れた場所まで移動していた金髪と目があった。
目には涙が浮かび、頬がピクピクと痙攣しているようだったが、特に何をされた訳でもなく元気なものだ。
……俺とは違って。
「お前も。それでいいか?」
「良い。問題ない」
俺の言葉に金髪はブンブンと首を縦に振って了承する。
そのやりとりを見ていたリリは俺の腕を掴んで立ち上がる。
俺も釣られて立ち上がると、共に部屋を後にする事になった。
「所で、応急的な対応って何するの?」
「ああ。裏庭から木の棒でも拾ってきてつっかえ棒にでもしようと思ってな。内鍵ならそれで十分だろ」
「つっかえ棒かー。確かにそうだね」
ようやくいつもの雰囲気を取り戻したリリの横顔を見てホッとする。
後ろからはまだ金髪の姿は見えないが、きっとしばらくは降りてこないだろう。
ある意味、面倒事にしかならないからそのまま降りてこないでくれと思った俺はきっと間違っていない。
俺たちは一度下に降りると座布団を、リリは紅茶セットをお土産にして二階に戻る。
別に話をするだけならリビングでも良かったのだが、家庭内の問題においても三現主義は大切だ。
俺たちは先ほどの部屋に戻ると、俺と金髪は向かい合わせに、リリは俺の隣に腰を落ち着けた。
「で。一番の問題は鍵が無い事だっけ?」
「その通りじゃ」
俺の言葉に金髪は頷くと、紅茶を一口啜ってから続ける。
「音に関しても確かに問題じゃが、あれは妾が我慢すればいいだけじゃからの。じゃが、鍵がかからないのは我慢がならん。いつ、いかなる時も侵入者に怯えて過ごすなど正気の沙汰ではない……!」
カップを畳の上のソーサーの上に置き、拳を握り締めて熱く語る金髪を一瞥した後に窓を見る。
古い造りではあったがしっかりと鍵がかかるようになっているから、金髪のいう侵入者とは内部の人間の事だろう。
「一応確認だが、お前のいう侵入者とは俺たち2人の事だよな?」
「他に誰がいると言うのじゃ?」
「いや、意味がわかんねぇよ」
大抵の場合、家族間で起こったトラブルに関しては、通報しても『取り敢えず話し合ってください』と、最初は門前払いされるのが関の山だ。
いや、ルームシェアなんかだとその限りではないのかもしれないが、基本的には同じ家に住んでいる者同士でのトラブルは単発では問題にしにくいのが現実だった。
そもそも、少なくとも俺に関しては金髪の部屋に忍び込んで狼藉を働いた事などない。
「信用ねぇな。何で俺達がお前の部屋に忍び込むのが前提なんだよ。自意識過剰だぞ」
「この間入ってきたではないか!」
俺の言葉に金髪は身を乗り出すと目を剥いて反論する。
その言葉に俺は二日前にこの部屋に荷物を取りに来た事を思い出すが、何が問題なのかわからなかった。
「んだよ。この部屋に忘れた荷物を取りに来ただけだろが。ここは俺んちだ。俺の家に俺が立ち入って何が悪い?」
「家は兎も角、今はこの部屋は妾の部屋じゃろ!? それをノックも無く突然入り込むとか信じられんわ! 妾が……その……着替えとったのに!」
着替え……?
言われて俺はその時の様子を思い浮かべる。
確かにノックはしなかった。
別にこの家は俺の家だし、金髪も殆ど着の身着のままこっちに逃げてきて日も浅いから貴重品のたぐいも持ち合わせていない。
盗まれる物がないのだから特に気にすることもないだろう……とは思っていた。
確かに今思えばノックくらいはした方が良かったかな? とは思うが、実際にトラブルが起きたという認識はなかったのだ。
入った後に確か金髪の所在を確認したと思う。
その時に上半身に何も着ていない状態で真っ赤な顔をした金髪と目が合ったような記憶も確かにある。
だが、その時金髪は両腕で前を隠していたし、俺も部屋に残していた鞄を手に取って直ぐに部屋を出た。
そもそも、何の起伏もない少女の体に興奮するような特殊な趣味を俺は持ち合わせてはいなかった。
「……何か問題が?」
「大有りじゃろ!? 何じゃその心底不思議そうな顔は!? まさか本当に何も感じておらんかったのか!? 腹立つのう!!」
「見られたいのか見られたくないのかどっちだよ」
目の前で抗議の声をあげる金髪に呆れて鼻から息を抜いて湯呑に手を伸ばす俺だったが、突然背中に感じた痛みにその手をとめる。
それは例えるならば感電に近いような感触。丁度背中の真ん中の……端的に言うと魔女の瞳が埋め込まれている辺りから断続的に針を刺し続けているような痛みが走っているのである。
「……あの。リリさん?」
「ん?なに?」
俺は首を横にして隣に座っていたリリを見る。
そこにいたリリは俺の顔をずっと見ていたようで、顔を向けた瞬間金色の瞳と目があった。
「なんか、背中が痛いんすけど」
「そうなの? 後で薬塗ってあげようか?」
俺の訴えにシレっとそんな事を言ってくるリリ。
よく見ると、リリは俺の左腕の二の腕あたりに右手を添えており、触っている部分がほんのりと暖かった。
絶対こいつは何かやっている。
「まあ、そんなことよりも……」
そして、そんな事呼ばわりされる俺の背中の激痛。
おかしい。
初めてあってから今日まで俺はリリに身体的な痛みを伴う行動をされた事はない。基本的には甘えてくる事が多かったので、俺は頭の中で何か気に障ることをしたか考えるが全く思い浮かばなかった。
「見たの?」
「何をだ?」
「だから。姫様の裸」
「…………」
リリの瞳と、添えられた手の温度が急激に下がったような気がした。
ついでに、背中の中心がキシキシと突っ張るような痛みに変わる。
OK。理解した。
俺が責められている原因も、人って特に愛がなくても伴侶を持つと嫉妬ってするんだなって事も。
「まあ……。見たか見てないかで言えば見たというのは間違いないが……。果てしなくどうでもいいから全く記憶に残ってないぞ?」
「そうなんだ? 姫様の肌ってとっても綺麗でしょ? お城でお世話してた使用人達の間では【白い妖精】って呼ばれるくらいだったんだよ?」
「そうなのか? 起伏がなさ過ぎて俺のストライクゾーンからはだいぶ逸れてオオオオオッ!!」
痛い! 熱い! 痛い! 熱い!
俺の背中が真っ赤に燃えるぅっ!!
背中のあまりの痛みに畳に額を擦りつけて歯を食いしばって痛みを堪える俺だったが、誰かが俺のすぐ傍に寄ってきたらしい事を気配で知る。
視界の端に金色の細糸が見えたので、金髪なのだろうが。
「お主馬鹿じゃろ」
「……お前にだけは言われたくなかったぜ」
小声でやり取りする俺たちだったが、今のリリはそんな事さえ許さないらしい。
熱さに加えて抓られるような痛みが背中に追加され、更に苦悶の声を出した事で金髪も危機感を覚えたようだ。
俺から離れて焦ったような気配が伝わってきた。
「姫様」
「な……何じゃ」
リリの簡潔な呼び声に答える金髪。
もっとも、その声は震えていたから、恐怖のあまり多分、きっと涙目になっているだろう。
「この部屋に鍵が付いてれば取り敢えず部屋は交換しなくてもいいんだよね?」
「ま、まあそうじゃな」
リリの問いに金髪は頷いたようだ。
本当は広さに関しても多少の不満はあっただろうに、素直に飲み込んだ辺り現在のリリの様子がわかるようで恐ろしい。
その当事者であるリリは、俺の背中に手を置くと、ゆっくり労わるように撫でてきた。
「だってさ。旦那様。直ぐにこの部屋に鍵つけて?」
「……簡単に言うがな。先ずは襖をどうにかしなきゃならないし、それなりの工事になるぞ? 費用の面もあるし、そもそもこの部屋のリフォームの優先度は低い──」
「付けてくれないの?」
俺の答えにリリの手の動きが止まる。
……背中に痛みは感じない。
だが、まるで時限爆弾のスイッチが入ったような感覚で、背中がじっとりと汗で滲むのを自覚する。
「……わかった。直ぐに手配しよう。けど、今日明日でつけるのは流石に無理だ。それまでは応急的な対応になるがそれでいいか?」
「いいんじゃない? 私よりも問題は姫様だし」
背中を優しくポンと叩かれたので、おそらく許されたのだろう。
そう判断して俺が状態を起こすとたっぷり3m離れた場所まで移動していた金髪と目があった。
目には涙が浮かび、頬がピクピクと痙攣しているようだったが、特に何をされた訳でもなく元気なものだ。
……俺とは違って。
「お前も。それでいいか?」
「良い。問題ない」
俺の言葉に金髪はブンブンと首を縦に振って了承する。
そのやりとりを見ていたリリは俺の腕を掴んで立ち上がる。
俺も釣られて立ち上がると、共に部屋を後にする事になった。
「所で、応急的な対応って何するの?」
「ああ。裏庭から木の棒でも拾ってきてつっかえ棒にでもしようと思ってな。内鍵ならそれで十分だろ」
「つっかえ棒かー。確かにそうだね」
ようやくいつもの雰囲気を取り戻したリリの横顔を見てホッとする。
後ろからはまだ金髪の姿は見えないが、きっとしばらくは降りてこないだろう。
ある意味、面倒事にしかならないからそのまま降りてこないでくれと思った俺はきっと間違っていない。
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