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第21話 魂に刻むマーキング
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「だからそうじゃないって言ってるでしょ。魔力は目で追うんじゃなくて全体でとらえるの」
「そんな事言ってもわからない」
「一度は出来た事でしょう? 我が儘言わないでやりなさい」
「わからない」
「わからないじゃないでしょ? まったく、馬鹿なんだから」
「バカって何」
「頭が悪いってことよ」
「レイラバカじゃない!」
よく晴れた青空の下、ガタゴトと揺れる干し草一杯の馬車の上で、そんなやりとりがもう随分と長いこと行われていた。
暇さえあれば言い争う2人に、よくもまあ飽きない物だと呆れながらも慣れてしまって全く動じない自分に驚く。
大抵、このやりとりの最後はいじけたレイラがリディアから逃げ出す所で終わるのだが。
「お兄ちゃん!」
案の定、干し草に寝っ転がって空を見上げていた俺の腹の上に、レイラが小さな体を一杯に広げて抱きついてきた。
ギュッと力いっぱい俺の服を握りしめ、もう絶対に離れないと言わんばかりだ。
そんな俺達の様子を見ながら、隣に座っていたリディアは呆れたような声を上げた。
「全く。そうやってあんたが甘やかすから、ちっとも魔力の扱いが上達しないのよ。そいつ」
「別に甘やかしているつもりはないし、無理に魔力を扱える様になる必要もないだろ」
「ダメよ。自分の身くらい自分で守れるようにならなくてどうするの。いつまでもあんたが側に居られるわけじゃないのよ」
しかし、説教モードに入ったリディアの言葉を流すようにレイラの髪を撫で始めた俺に諦めたのか、リディアも俺と同じように干し草に体を横たえたようだった。
北の街道に例年通りの天候を取り戻した俺達がオールドモスを後にしてから2ヶ月。
リディアの言うように1週間も南下すると緩やかに気温は上昇し、ようやく秋らしい陽気になってほっとしたものである。
それから2ヶ月近く経つとすっかり気温は再び冬らしくなってきたが、2ヶ月前の極寒の環境に比べれば天国のようだ。
少なくとも、日中は厚着をすればなんとかなるし、寝っ転がっていれば直ぐにレイラが張り付いてきて暖かくなる。
少なくとも、俺達がこれから向かっている地方に関して言えば、そこまで厳しい寒さとは無縁の場所だった。
「おーい。お前さん達そろそろ起きれ。もうすぐグレンツェの街が見えてくるぞ」
国境の街グレンツェ。
フレイランドとサイレントの国境に位置する街。
オールドモスから徒歩で10ヶ月近くかかるだろうと思っていた道のりを、俺達は僅か2ヶ月程でたどり着いていた。
早くたどり着いたのは単純な理由で、「公共の馬車が使えないなら、同じ方向に向かう人間に乗せてもらえばいい」というリディアの意見に従ったからだ。
何でも、元々魔人族は公共施設を使用できない事が多いらしく、リディアも長い旅の中で急ぐ時などは時折利用する事があったらしい。
個人との交渉になる為公共の馬車よりは割高だが、時間はお金では買えないし、何より、今の俺達は多少懐も暖かい。
一度の交渉で目的地まで行けないのが不便といえば不便だが、何度も乗り換えをする事でかなりの時間短縮が出来たのは大きかった。
それともう一つ。
長旅と生まれ育った地で身につけたリディアの知識の中には、武器に関する事も多くあり、その中に俺達の使う武器『ソウルクラッシュ』と『魔封石のナイフ』の情報もあったのだ。
リディアはまず貧乏な俺達がマジックアイテムを持っていた事に驚き、俺は自分がエルネストからそこそこの値段で購入したナイフがマジックアイテムだった事に驚いた。
まずソウルクラッシュだが、この武器は使用者を選ぶのではなく、『魔力を込める事』で初めて力を発揮する武器らしい。
要するに、魔術師級の魔力があれば、誰でも使える武器。というのがリディアの話からわかった事実だった。
現に、俺が魔力を込めてみた所、しっかりと発動したので間違いない。
ただ、発動したから使えるというものでもなく、魔力を込めながら拳を振るうという、例えるなら、‘文字を書きながら殴り合う’行為に似た特殊な才能を必要とした。
次に魔封石のナイフだが、こいつは属性魔術を封じる性質を持った石を使用したナイフであり、普段使う分には少し強度の強い程度の刃物だが、氷の魔術を込めれば氷の刃、炎の魔術を込めれば炎の刃に変わるという特徴を持っていた。
普段俺がこのナイフを使う際は殆どの場合はゲルガーを同時に使用していたため、「よく切れるナイフ」と錯覚していたのだ。
ナイフの特性を強化して切れ味を上げていたというわけだ。
リディアは、俺が氷の魔術を使用した時にナイフが氷の剣に変化した所でこの武器に使用している素材に気がついたという事だった。
だから、ジャックフロストとの対決の時に、炎の力を効率的に叩きつける為にナイフに対して炎の付与魔術を展開して、直接炎の力をぶつけたわけだ。
しかし、それぞれの武器に言えることは、どちらも‘魔術師級の魔力を持った人間の為の接近戦用の武器’であり、世に多く存在する殆どの魔術師にはある意味扱えない代物だった。
通りで、エルネストを含めてガラクタ扱いされた訳だ。
ともあれ、そんな事情からリディアはあの時の戦いで、レイラを回復させると直ぐに魔力の発動の仕方を教え、押され気味の俺に突撃させたらしい。
小さな頃から戦いに身を投じていたリディアらしい発想だが、それでレイラの身に何かがあったらどうするつもりだったのか。
上手くいったからいいようなものの、一歩間違えば大惨事だっただけに素直に褒める事は出来ない。
まあ、炎の鎧を過剰なまでにリディアに纏わせていたから、ある程度の自信はあったのかもしれないが。
しかし、リディアが自分の意思で魔力を発動させたのはその時が最初で最後であり、その後は毎日のようにレイラが訓練しているのにも関わらず、魔力を発動させる事が出来ないでいた。
リディア曰く、‘眼’の使い方が悪いらしい。
俺やリディアのように魔力を扱う才能を持った人間というのは、元々魔力を読み取る眼の力を遺伝として受け継いでいるからとの事だった。
この世に存在する全ての動植物は魔力を有しているが、それを形にするには眼の力で纏めて形作る必要があるとか。
ある者は纏めた魔力を直接物質的な力に変化させ、ある者は纏めた力を力ある存在との連結に使う。
使う才能と使用用途は違うものの、存在する魔力を眼の力でかき集めるという行為は同質のものらしい。
以前、リディアが捕まった際に魔力封じの目隠しをされた事があったが、魔力を阻害する術式を書き込んだ布で両目を塞ぐだけで魔術が使用不能になるとの事だった。
これを聞いて俺は、目が見えないものは魔術が使用できないのかと驚いたが、視力を失っても魔力さえ感じる事が出来れば魔術の使用は可能らしい。
ただ、眼球を潰される等の処置をされたりしたら使用不能になるから、魔術師にとって最も大切な体の器官が目だという事だった。
そこでレイラの話に戻る。
レイラは体術に特化した獣人族だが、これまでに2度ソウルクラッシュを使用している。
リディア曰く、ちゃんとした魔術の才能があるらしい。
しかし、頭よりも体を使う事に長けた獣人族の特性として、魔力を纏めるという本能が欠如しているとか。
その為、レイラはこれまでソウルクラッシュの発動はおろか、魔力を見る事も出来ずに今に至り、ここ最近はその事でリディアと喧嘩してばかりいた。
あの戦いの直後は命を助けてくれた恩人という事からか、リディアにも心を開くようになってきて、俺に対する依存度も多少下がってきた……と思った矢先にこれである。
今ではすっかり元の木阿弥である。
俺達は馬車から降りるとここまで乗せてきてくれたおじさんにお礼を言うと、今夜の宿を探す為に街中へと繰り出した。
俺の腹の上で不貞寝していたレイラも今ではちゃんと地に立って歩いていたが、少しでもリディアから離れたいのか、リディアとは逆側の俺の隣に移動すると、俺の手を握ってしまった。
「とりあえず今日はこの町で一泊して、明日にはサイレント王国に入りたいな」
「入る分には平気でしょ。フレイランドからサイレントへの入国は結構簡単だし」
さすがは経験者。こちらの疑問にこともなげに答えるリディアに感心する。
「へえ。フレイランドからキリスティアに入国する際の話を聞いていただけに意外だな」
クロスロードからギルティアに抜ける際に聞いた話だと、街道を通って関所を抜ける道を選ぶと、相当苦労するような話を聞いて、隠れて国境越えをする事が出来るガルニア風穴を通る選択をした商人などもいるというのに。
「フレイランドとサイレント王国が友好国同士だというのが一つと、そもそもサイレント自体が大陸では影響力の低い国というのが一つかな。出るのは大変だけど、入るのは楽なのよね」
「出るのは大変なのか」
その話を聞いて、俺はサイレントからキリスティアに戻る時の事を考える。
どの道街道を進んで行くと、ウィルティアにたどり着く訳だが、その前の関所を抜ける事自体が大変そうだ。
「関所を使えばね。でも、出るのも多分大丈夫」
「どうして」
「サイレント最西端の町まで行けば、多分私の故郷まで‘跳べる’」
その言葉に俺は思い出す。
そう言えば、こいつには本人自慢の魔術があったのだ。
「その言い方だと、どうやら本当に街道の街にマーキングはしてなかったらしいな」
「……だから、ごめんってば」
俺の言葉に罰の悪そうな顔をしながら俯くリディアに、俺は話題を変えるように質問する。
「仮にお前の故郷まで跳べるとして、今からどれ位の期間で王都まで行ける?」
俺の質問にリディアは少し考えると、指を1つづつ曲げていく。
「ここからキリスティアの国境まで馬車を使えば大体3ヶ月ちょっと。そこから私の故郷に跳んで、故郷から魔大陸の港町まで大体2か月。船に乗ってこの大陸の港町まで1週間で、港町から王都まで2週間かな」
「約6ヶ月……か」
「順調にいって……ね」
リディアと同じように指折り数える俺に、リディアが不吉な一言を漏らす。
まあ、確かにここまで来るのに、主に金銭的な理由とは言え順調とは言えない旅をしてきたのは確かだ。
しかし、オールドモスからここまでは実に順調に進んできたのも事実なのだから、悲観していても仕方ない。
しかし、王都に着くのは俺達が旅に出てからおよそ11ヶ月かかるという事になる。
レアンドロは今頃とっくに王都を離れているかもしれないし、王都でもう売られていると仮定して、獣人族の行方を探した方が早いかもしれない。
元々、俺達の目的はレアンドロの討伐ではなく獣人族の開放だ。それならそれで別にいい。
売られてしまった獣人達はまた買い戻せばいいだけだし、その為の金策の仕方は、3人協力すればなんとかなると思う。
「どの道、進むしかないもんな」
「そういう事」
色々ごちゃごちゃと考えたが、結局は進むしかないのだ。
俺は気持ちを切り替えると宿屋を探す為に足を速めた。
「そう言えば不思議に思ってたんだけどさ」
宿を見つけた後3人で夕飯を取り、部屋に落ち着いてからふと気になっている事を思い出して声に出す。
既にレイラはオネムの時間となり、布団に潜って丸くなってしまっており、毛布を掛けて頭を撫でながらだが。
「何?」
そんな俺を呆れたような眼差しを向けながら、ベッドに腰を下ろしたリディアが返す。
「お前って行く先々の町とか拠点で、魔力のマーキングっていうの? 全然しないよね。今回の事もそうだけど、いろんな場所にマーキングしておけば、移動とかすごい楽になると思うのに」
俺の何気ない疑問に、リディアはあからさまに深い溜息をついてみせた。
何だか、「これだから素人は」とでも言われた気分だ。
「何のデメリットもなければそうしたでしょうね」
「え? デメリットなんてあるの?」
意外そうな俺の言葉に、リディアはジトッとした視線を向ける。
「便利で強力な魔術ほど、術者に相応の代償を求めるものよ。あんたが使う憑依魔術だってそうでしょう?」
言われて俺は納得する。
確かに、便利だからといって俺はそんなにポンポンと憑依魔術は使いたくはない。
あれは消費魔力が多いという事以外に、自身の精神を持っていかれる危険性が高い。
特に、ゲルガー以外の憑依がやばいのは、前回の戦いで骨身に染みた。
多少負担の少ないゲルガーだって、少ない魔力で使用すれば命を落としてしまうリスクを負う可能性があるのはフロストジャイアントの時にわかっている。
ジャックフロストとの戦いの後に、俺が精霊魔術師だと知ったリディアがあまり簡単に憑依魔術を使うなと言ってきたが、先程口にしたデメリットが理由だろう。
「あんたの憑依魔術は直接自分の体、若しくは精神を疲弊する諸刃の剣だけど、あたしの場合はアビリティの低下を招く。簡単に説明すると、マーキングすればするほど弱くなる」
「え?」
リディアの言葉に俺は驚いて声を上げる。
そんな俺の態度を気にするでもなく、リディアはつとつとと話し始めた。
「あたしは一人で強くならなければいけなかったから、今まで出来るだけマーキングはしないようにしようと決めてたの。でも、いつかは故郷に戻りたかったから故郷に、何度やっても下山できなくて仕方なくフレイランドでマーキングして……。自分でも驚くくらい弱くなったわ。回復魔術だって……昔のあたしだったらこんなに苦労しなかった。失敗するなんて考えた事もない魔術だったのに」
リディアの話を聞いて、俺は今までの疑問が少しわかったような気がした。
俺はリディアが未熟な魔術師だと思っていた。
炎系以外は上手く使えない欠陥魔術師だと。
しかし、違ったのだ。
元は沢山の魔術を扱えたリディア。
しかし、故郷。そして、フレイランドの農村でマーキングをしてしまった事により、数多くの魔術の制御法を忘れてしまった。
炎系が得意なのは、単にフレイランドで揉まれたからだろう。下山するために必要に迫られたから必死に覚え、特化した。
たった2回のマーキングで、ここまで力が衰えるなら、それはこれ以上マーキングしようとは思わないだろう。
「何か……ごめんな。そんな事も知らずに、今まで責めてたみたいで」
「別にいいよ。確かにあたしも悪かったんだ。故郷に帰る前にと思って、街道の街でマーキングした気になってたのは本当だし」
言いながらリディアは立ち上がると、俺の側に歩いてくる。
紅い瞳と尖った耳。
レイラと同じく、その二つを同時に見る事が出来るのは、3人だけになる事が出来る宿の部屋にいるときだけだ。
だから、頭に何も身につけていない今のリディアの姿がとても新鮮に感じた。
「だから、今度はしっかり記憶に刻み付けるよ」
そう言って俺の頭に手を乗せるリディア。
「どうした?」
聞き返す俺の言葉には答えない。
しかし、すぐに俺の頭からズグッと何か熱いものが流れ込み、体中を駆け巡る感覚を覚えた。
「……っ! な、何を!?」
何か変なことをされたかと思い手を振り払おうとした俺だったが、真剣な眼差しを向けるリディアを見て動きを止める。
何か覚悟を決めたような、そんな眼差しに見えたから。
「ごめんね」
リディアは一言謝ると、俺の頭から手をどける。
「たった今、あんた自身にマーキングした。これで、どんな時でもあたしはあんたの所に跳んでいける。どんなに離れても、あんたの場所を見失わない」
「何を……言ってるんだ?」
俺は右手を自身の胸に置きながら聞き返す。
なんだが、右胸がすごく熱いように感じた。
「……あたしはずっと怖かったんだ。一人で生きてきて、これからも一人で生きていく事に。力を失ったら、きっとあたしはすぐに死んでしまうと思った。力のない魔人なんて、存在する意味なんてないもの」
リディアは一歩後ずさりながら、俺に向けて微笑む。
「でも、これからは独りじゃない。あんたはあたしを仲間と言ってくれた。なら、あたしは仲間としてあたしの出来る最善を尽くす」
そして、俺と同じように右胸に手を置いて、決意のこもった眼差しで。
「あんたに危険が訪れたなら、あたしがすぐに駆けつける。あんたが誰かに攫われても、あたしが必ず見つけてみせる。だから、あんたもあたしを守ってほしい。あたしが危機に陥った時、すぐに駆けつけて。あたしがどこかに行ってしまっても、必ず見つけて欲しい。だって、これは、この魔力のマーキングは──」
俺とリディアの視線が交差する。
その感覚は、俺が精霊魔術を使う時に精霊達と意識を繋げる感覚と似ていた。
「あたしとあんた。二人の魂に刻み付ける本当の意味での繋がりだから」
自らの能力を制限してしまう魔力のマーキング。
それを俺に対してしてしまった事で、リディアの能力はかなり削がれてしまったに違いない。
今までと同じ力を手にする為には、それこそ、途方もない時間を必要とするかもしれない。
それでも、リディアは俺達との絆を作っておきたいと考えた。
自分の人生の3分の1をたった一人で生きてきた彼女だからこそ。
「わかった」
俺は頷く。
「お前の失った力の変わりになれるかわからないけど、デメリット以上の事が出来るように努力しよう」
俺の言葉に、リディアは満足そうに頷くと、自分の寝床へと戻っていく。
そんな彼女の背中を見ながら、俺はふと、今までの精霊達の事を考える。
ひょっとしたら、今まで俺に力を貸してくれた精霊達も、こんな気持ちだったのかもしれない。
俺は、この時初めてアレックス先生から教わった精霊魔術を使用する上で最も大事な事がなんなのかを理解したような気がした。
精霊達と仲良くなる。
それはきっと、お互いを認めあって共に生きる覚悟を決める事なのだと。
「そんな事言ってもわからない」
「一度は出来た事でしょう? 我が儘言わないでやりなさい」
「わからない」
「わからないじゃないでしょ? まったく、馬鹿なんだから」
「バカって何」
「頭が悪いってことよ」
「レイラバカじゃない!」
よく晴れた青空の下、ガタゴトと揺れる干し草一杯の馬車の上で、そんなやりとりがもう随分と長いこと行われていた。
暇さえあれば言い争う2人に、よくもまあ飽きない物だと呆れながらも慣れてしまって全く動じない自分に驚く。
大抵、このやりとりの最後はいじけたレイラがリディアから逃げ出す所で終わるのだが。
「お兄ちゃん!」
案の定、干し草に寝っ転がって空を見上げていた俺の腹の上に、レイラが小さな体を一杯に広げて抱きついてきた。
ギュッと力いっぱい俺の服を握りしめ、もう絶対に離れないと言わんばかりだ。
そんな俺達の様子を見ながら、隣に座っていたリディアは呆れたような声を上げた。
「全く。そうやってあんたが甘やかすから、ちっとも魔力の扱いが上達しないのよ。そいつ」
「別に甘やかしているつもりはないし、無理に魔力を扱える様になる必要もないだろ」
「ダメよ。自分の身くらい自分で守れるようにならなくてどうするの。いつまでもあんたが側に居られるわけじゃないのよ」
しかし、説教モードに入ったリディアの言葉を流すようにレイラの髪を撫で始めた俺に諦めたのか、リディアも俺と同じように干し草に体を横たえたようだった。
北の街道に例年通りの天候を取り戻した俺達がオールドモスを後にしてから2ヶ月。
リディアの言うように1週間も南下すると緩やかに気温は上昇し、ようやく秋らしい陽気になってほっとしたものである。
それから2ヶ月近く経つとすっかり気温は再び冬らしくなってきたが、2ヶ月前の極寒の環境に比べれば天国のようだ。
少なくとも、日中は厚着をすればなんとかなるし、寝っ転がっていれば直ぐにレイラが張り付いてきて暖かくなる。
少なくとも、俺達がこれから向かっている地方に関して言えば、そこまで厳しい寒さとは無縁の場所だった。
「おーい。お前さん達そろそろ起きれ。もうすぐグレンツェの街が見えてくるぞ」
国境の街グレンツェ。
フレイランドとサイレントの国境に位置する街。
オールドモスから徒歩で10ヶ月近くかかるだろうと思っていた道のりを、俺達は僅か2ヶ月程でたどり着いていた。
早くたどり着いたのは単純な理由で、「公共の馬車が使えないなら、同じ方向に向かう人間に乗せてもらえばいい」というリディアの意見に従ったからだ。
何でも、元々魔人族は公共施設を使用できない事が多いらしく、リディアも長い旅の中で急ぐ時などは時折利用する事があったらしい。
個人との交渉になる為公共の馬車よりは割高だが、時間はお金では買えないし、何より、今の俺達は多少懐も暖かい。
一度の交渉で目的地まで行けないのが不便といえば不便だが、何度も乗り換えをする事でかなりの時間短縮が出来たのは大きかった。
それともう一つ。
長旅と生まれ育った地で身につけたリディアの知識の中には、武器に関する事も多くあり、その中に俺達の使う武器『ソウルクラッシュ』と『魔封石のナイフ』の情報もあったのだ。
リディアはまず貧乏な俺達がマジックアイテムを持っていた事に驚き、俺は自分がエルネストからそこそこの値段で購入したナイフがマジックアイテムだった事に驚いた。
まずソウルクラッシュだが、この武器は使用者を選ぶのではなく、『魔力を込める事』で初めて力を発揮する武器らしい。
要するに、魔術師級の魔力があれば、誰でも使える武器。というのがリディアの話からわかった事実だった。
現に、俺が魔力を込めてみた所、しっかりと発動したので間違いない。
ただ、発動したから使えるというものでもなく、魔力を込めながら拳を振るうという、例えるなら、‘文字を書きながら殴り合う’行為に似た特殊な才能を必要とした。
次に魔封石のナイフだが、こいつは属性魔術を封じる性質を持った石を使用したナイフであり、普段使う分には少し強度の強い程度の刃物だが、氷の魔術を込めれば氷の刃、炎の魔術を込めれば炎の刃に変わるという特徴を持っていた。
普段俺がこのナイフを使う際は殆どの場合はゲルガーを同時に使用していたため、「よく切れるナイフ」と錯覚していたのだ。
ナイフの特性を強化して切れ味を上げていたというわけだ。
リディアは、俺が氷の魔術を使用した時にナイフが氷の剣に変化した所でこの武器に使用している素材に気がついたという事だった。
だから、ジャックフロストとの対決の時に、炎の力を効率的に叩きつける為にナイフに対して炎の付与魔術を展開して、直接炎の力をぶつけたわけだ。
しかし、それぞれの武器に言えることは、どちらも‘魔術師級の魔力を持った人間の為の接近戦用の武器’であり、世に多く存在する殆どの魔術師にはある意味扱えない代物だった。
通りで、エルネストを含めてガラクタ扱いされた訳だ。
ともあれ、そんな事情からリディアはあの時の戦いで、レイラを回復させると直ぐに魔力の発動の仕方を教え、押され気味の俺に突撃させたらしい。
小さな頃から戦いに身を投じていたリディアらしい発想だが、それでレイラの身に何かがあったらどうするつもりだったのか。
上手くいったからいいようなものの、一歩間違えば大惨事だっただけに素直に褒める事は出来ない。
まあ、炎の鎧を過剰なまでにリディアに纏わせていたから、ある程度の自信はあったのかもしれないが。
しかし、リディアが自分の意思で魔力を発動させたのはその時が最初で最後であり、その後は毎日のようにレイラが訓練しているのにも関わらず、魔力を発動させる事が出来ないでいた。
リディア曰く、‘眼’の使い方が悪いらしい。
俺やリディアのように魔力を扱う才能を持った人間というのは、元々魔力を読み取る眼の力を遺伝として受け継いでいるからとの事だった。
この世に存在する全ての動植物は魔力を有しているが、それを形にするには眼の力で纏めて形作る必要があるとか。
ある者は纏めた魔力を直接物質的な力に変化させ、ある者は纏めた力を力ある存在との連結に使う。
使う才能と使用用途は違うものの、存在する魔力を眼の力でかき集めるという行為は同質のものらしい。
以前、リディアが捕まった際に魔力封じの目隠しをされた事があったが、魔力を阻害する術式を書き込んだ布で両目を塞ぐだけで魔術が使用不能になるとの事だった。
これを聞いて俺は、目が見えないものは魔術が使用できないのかと驚いたが、視力を失っても魔力さえ感じる事が出来れば魔術の使用は可能らしい。
ただ、眼球を潰される等の処置をされたりしたら使用不能になるから、魔術師にとって最も大切な体の器官が目だという事だった。
そこでレイラの話に戻る。
レイラは体術に特化した獣人族だが、これまでに2度ソウルクラッシュを使用している。
リディア曰く、ちゃんとした魔術の才能があるらしい。
しかし、頭よりも体を使う事に長けた獣人族の特性として、魔力を纏めるという本能が欠如しているとか。
その為、レイラはこれまでソウルクラッシュの発動はおろか、魔力を見る事も出来ずに今に至り、ここ最近はその事でリディアと喧嘩してばかりいた。
あの戦いの直後は命を助けてくれた恩人という事からか、リディアにも心を開くようになってきて、俺に対する依存度も多少下がってきた……と思った矢先にこれである。
今ではすっかり元の木阿弥である。
俺達は馬車から降りるとここまで乗せてきてくれたおじさんにお礼を言うと、今夜の宿を探す為に街中へと繰り出した。
俺の腹の上で不貞寝していたレイラも今ではちゃんと地に立って歩いていたが、少しでもリディアから離れたいのか、リディアとは逆側の俺の隣に移動すると、俺の手を握ってしまった。
「とりあえず今日はこの町で一泊して、明日にはサイレント王国に入りたいな」
「入る分には平気でしょ。フレイランドからサイレントへの入国は結構簡単だし」
さすがは経験者。こちらの疑問にこともなげに答えるリディアに感心する。
「へえ。フレイランドからキリスティアに入国する際の話を聞いていただけに意外だな」
クロスロードからギルティアに抜ける際に聞いた話だと、街道を通って関所を抜ける道を選ぶと、相当苦労するような話を聞いて、隠れて国境越えをする事が出来るガルニア風穴を通る選択をした商人などもいるというのに。
「フレイランドとサイレント王国が友好国同士だというのが一つと、そもそもサイレント自体が大陸では影響力の低い国というのが一つかな。出るのは大変だけど、入るのは楽なのよね」
「出るのは大変なのか」
その話を聞いて、俺はサイレントからキリスティアに戻る時の事を考える。
どの道街道を進んで行くと、ウィルティアにたどり着く訳だが、その前の関所を抜ける事自体が大変そうだ。
「関所を使えばね。でも、出るのも多分大丈夫」
「どうして」
「サイレント最西端の町まで行けば、多分私の故郷まで‘跳べる’」
その言葉に俺は思い出す。
そう言えば、こいつには本人自慢の魔術があったのだ。
「その言い方だと、どうやら本当に街道の街にマーキングはしてなかったらしいな」
「……だから、ごめんってば」
俺の言葉に罰の悪そうな顔をしながら俯くリディアに、俺は話題を変えるように質問する。
「仮にお前の故郷まで跳べるとして、今からどれ位の期間で王都まで行ける?」
俺の質問にリディアは少し考えると、指を1つづつ曲げていく。
「ここからキリスティアの国境まで馬車を使えば大体3ヶ月ちょっと。そこから私の故郷に跳んで、故郷から魔大陸の港町まで大体2か月。船に乗ってこの大陸の港町まで1週間で、港町から王都まで2週間かな」
「約6ヶ月……か」
「順調にいって……ね」
リディアと同じように指折り数える俺に、リディアが不吉な一言を漏らす。
まあ、確かにここまで来るのに、主に金銭的な理由とは言え順調とは言えない旅をしてきたのは確かだ。
しかし、オールドモスからここまでは実に順調に進んできたのも事実なのだから、悲観していても仕方ない。
しかし、王都に着くのは俺達が旅に出てからおよそ11ヶ月かかるという事になる。
レアンドロは今頃とっくに王都を離れているかもしれないし、王都でもう売られていると仮定して、獣人族の行方を探した方が早いかもしれない。
元々、俺達の目的はレアンドロの討伐ではなく獣人族の開放だ。それならそれで別にいい。
売られてしまった獣人達はまた買い戻せばいいだけだし、その為の金策の仕方は、3人協力すればなんとかなると思う。
「どの道、進むしかないもんな」
「そういう事」
色々ごちゃごちゃと考えたが、結局は進むしかないのだ。
俺は気持ちを切り替えると宿屋を探す為に足を速めた。
「そう言えば不思議に思ってたんだけどさ」
宿を見つけた後3人で夕飯を取り、部屋に落ち着いてからふと気になっている事を思い出して声に出す。
既にレイラはオネムの時間となり、布団に潜って丸くなってしまっており、毛布を掛けて頭を撫でながらだが。
「何?」
そんな俺を呆れたような眼差しを向けながら、ベッドに腰を下ろしたリディアが返す。
「お前って行く先々の町とか拠点で、魔力のマーキングっていうの? 全然しないよね。今回の事もそうだけど、いろんな場所にマーキングしておけば、移動とかすごい楽になると思うのに」
俺の何気ない疑問に、リディアはあからさまに深い溜息をついてみせた。
何だか、「これだから素人は」とでも言われた気分だ。
「何のデメリットもなければそうしたでしょうね」
「え? デメリットなんてあるの?」
意外そうな俺の言葉に、リディアはジトッとした視線を向ける。
「便利で強力な魔術ほど、術者に相応の代償を求めるものよ。あんたが使う憑依魔術だってそうでしょう?」
言われて俺は納得する。
確かに、便利だからといって俺はそんなにポンポンと憑依魔術は使いたくはない。
あれは消費魔力が多いという事以外に、自身の精神を持っていかれる危険性が高い。
特に、ゲルガー以外の憑依がやばいのは、前回の戦いで骨身に染みた。
多少負担の少ないゲルガーだって、少ない魔力で使用すれば命を落としてしまうリスクを負う可能性があるのはフロストジャイアントの時にわかっている。
ジャックフロストとの戦いの後に、俺が精霊魔術師だと知ったリディアがあまり簡単に憑依魔術を使うなと言ってきたが、先程口にしたデメリットが理由だろう。
「あんたの憑依魔術は直接自分の体、若しくは精神を疲弊する諸刃の剣だけど、あたしの場合はアビリティの低下を招く。簡単に説明すると、マーキングすればするほど弱くなる」
「え?」
リディアの言葉に俺は驚いて声を上げる。
そんな俺の態度を気にするでもなく、リディアはつとつとと話し始めた。
「あたしは一人で強くならなければいけなかったから、今まで出来るだけマーキングはしないようにしようと決めてたの。でも、いつかは故郷に戻りたかったから故郷に、何度やっても下山できなくて仕方なくフレイランドでマーキングして……。自分でも驚くくらい弱くなったわ。回復魔術だって……昔のあたしだったらこんなに苦労しなかった。失敗するなんて考えた事もない魔術だったのに」
リディアの話を聞いて、俺は今までの疑問が少しわかったような気がした。
俺はリディアが未熟な魔術師だと思っていた。
炎系以外は上手く使えない欠陥魔術師だと。
しかし、違ったのだ。
元は沢山の魔術を扱えたリディア。
しかし、故郷。そして、フレイランドの農村でマーキングをしてしまった事により、数多くの魔術の制御法を忘れてしまった。
炎系が得意なのは、単にフレイランドで揉まれたからだろう。下山するために必要に迫られたから必死に覚え、特化した。
たった2回のマーキングで、ここまで力が衰えるなら、それはこれ以上マーキングしようとは思わないだろう。
「何か……ごめんな。そんな事も知らずに、今まで責めてたみたいで」
「別にいいよ。確かにあたしも悪かったんだ。故郷に帰る前にと思って、街道の街でマーキングした気になってたのは本当だし」
言いながらリディアは立ち上がると、俺の側に歩いてくる。
紅い瞳と尖った耳。
レイラと同じく、その二つを同時に見る事が出来るのは、3人だけになる事が出来る宿の部屋にいるときだけだ。
だから、頭に何も身につけていない今のリディアの姿がとても新鮮に感じた。
「だから、今度はしっかり記憶に刻み付けるよ」
そう言って俺の頭に手を乗せるリディア。
「どうした?」
聞き返す俺の言葉には答えない。
しかし、すぐに俺の頭からズグッと何か熱いものが流れ込み、体中を駆け巡る感覚を覚えた。
「……っ! な、何を!?」
何か変なことをされたかと思い手を振り払おうとした俺だったが、真剣な眼差しを向けるリディアを見て動きを止める。
何か覚悟を決めたような、そんな眼差しに見えたから。
「ごめんね」
リディアは一言謝ると、俺の頭から手をどける。
「たった今、あんた自身にマーキングした。これで、どんな時でもあたしはあんたの所に跳んでいける。どんなに離れても、あんたの場所を見失わない」
「何を……言ってるんだ?」
俺は右手を自身の胸に置きながら聞き返す。
なんだが、右胸がすごく熱いように感じた。
「……あたしはずっと怖かったんだ。一人で生きてきて、これからも一人で生きていく事に。力を失ったら、きっとあたしはすぐに死んでしまうと思った。力のない魔人なんて、存在する意味なんてないもの」
リディアは一歩後ずさりながら、俺に向けて微笑む。
「でも、これからは独りじゃない。あんたはあたしを仲間と言ってくれた。なら、あたしは仲間としてあたしの出来る最善を尽くす」
そして、俺と同じように右胸に手を置いて、決意のこもった眼差しで。
「あんたに危険が訪れたなら、あたしがすぐに駆けつける。あんたが誰かに攫われても、あたしが必ず見つけてみせる。だから、あんたもあたしを守ってほしい。あたしが危機に陥った時、すぐに駆けつけて。あたしがどこかに行ってしまっても、必ず見つけて欲しい。だって、これは、この魔力のマーキングは──」
俺とリディアの視線が交差する。
その感覚は、俺が精霊魔術を使う時に精霊達と意識を繋げる感覚と似ていた。
「あたしとあんた。二人の魂に刻み付ける本当の意味での繋がりだから」
自らの能力を制限してしまう魔力のマーキング。
それを俺に対してしてしまった事で、リディアの能力はかなり削がれてしまったに違いない。
今までと同じ力を手にする為には、それこそ、途方もない時間を必要とするかもしれない。
それでも、リディアは俺達との絆を作っておきたいと考えた。
自分の人生の3分の1をたった一人で生きてきた彼女だからこそ。
「わかった」
俺は頷く。
「お前の失った力の変わりになれるかわからないけど、デメリット以上の事が出来るように努力しよう」
俺の言葉に、リディアは満足そうに頷くと、自分の寝床へと戻っていく。
そんな彼女の背中を見ながら、俺はふと、今までの精霊達の事を考える。
ひょっとしたら、今まで俺に力を貸してくれた精霊達も、こんな気持ちだったのかもしれない。
俺は、この時初めてアレックス先生から教わった精霊魔術を使用する上で最も大事な事がなんなのかを理解したような気がした。
精霊達と仲良くなる。
それはきっと、お互いを認めあって共に生きる覚悟を決める事なのだと。
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