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第三章 魔術都市ランギスト
02 フラヴィはゴミを手にして薄く笑う
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色々と小さな問題はあったものの、さりとて大きな問題はなく道中は進む。
前半の野宿に関しては慣れていなかった事もあり難儀したが、懸念していたフラヴィの虐めや嫌がらせといった類もなく、何故か色々と世話を焼いてもらった。
食事はやたら塩辛い干し肉や恐ろしく苦いレシピ不明の丸い固形物。ある意味これが嫌がらせかとも思ったが、フラヴィも同じものを食べていたから多分、これがこの世界の携帯食なのだろう。
見張りに関してもフラヴィが何だかわからない魔法を使っていたらしく、「大丈夫」だというのでそのまま寝たのだが、朝起きたら近くに獣の死体が転がっている事が2回ほどあったから結界のようなものではなく、選定範囲内に自分たち以外の何かが近づいたら術者に知らせるような魔法なのだろう。防犯センサー的な。
ある程度行程を消化した頃には野宿するまでもなく宿場町や集落にたどり着ける事になり、そんなサバイバルのような体験はしなくて済むようになったのだが、その時に消費した保存食を補充するためにフラヴィの買い物を眺めている時に初めてこの世界の通貨を目にする事が出来た。
残念ながら詳しい話を聞こうとしてもフラヴィに説明する気がなかったらしく適当にあしらわれたので分からないが、少なくとも俺が普段使っていたお金はゴミ同然になったという所なんだろうなぁ……。
そんな案内人に時に邪魔者扱いされ、時に居ない者として扱われた面白くもなんともない旅だったが、その案内人が一度だけこちらに興味を示してきた事があった。
それは、問題がなければ後2日で目的地だというランギストに到着するという場所にあるというとある宿場町の宿の一室での事だった。
まず、前提条件として現在の俺は無一文である。
よって、金銭取り引きの発生する行為に関してはフラヴィに依存している俺だったが、流石に何日も彼女がお金を払っている姿を後ろで何もせずにただ眺めているという事が続くと申し訳ない気分にはなってくる。例え、それがあまり好意的に思っていない相手だっとしても……だ。いや、好意的に思っていない相手だからこそ、余計にそう感じたのだ。借りは作りたくない、的な。
さて、そんな思いにかられた俺は、宿に置かれたベッドの上で胡座をかいて現在の所持品を散りばめて考え込んでいた時だった。
「※※※。ソーマ、それ何?」
フラヴィの言葉が分かる時というのは大抵彼女の機嫌がいい時だ。
何分、彼女の普段遣いの言葉はまだ俺には理解できないため、彼女の方が俺に合わせてくれないと会話自体が成り立たない。
……成り立たないのだが、彼女の機嫌が悪い時はそんな事はお構いなしなため、とにかくこっちがわからない言語で喋った挙句、最後にこちらを罵倒するのだ。
どうやらフラヴィは多少の悪口はこっちに伝わるものだと理解したらしく、俺が知っている悪口ばかりで集中的に罵倒してくるものだから始末が悪かった。嫌な奴だ。
まあ、それは兎も角。
お互いにあまり好意的な気持ちを持っていない2人ではあるものの、その種類は「嫌い」というよりは「別に好きというわけでもない」という方が正しい。
その為、節約の為に宿では毎回2人べやを取っているのだが、同じ部屋にいるという事は片方が何をやっていてももう1人の目が常にあるという訳である。
今回は俺のほうがフラヴィの気を引いたようで、俺のベッドに彼女が近づいてきて話しかけてくる……という状況になったという訳だ。
ちなみに、フラヴィが「それ」と言って指をさしている先には俺が広げた所持品が散らばっている。内訳としては、スマホ、モバイルバッテリー、財布、キーホルダーの束。である。
「それが何かわからない。どれ?」
「だから、※※※※? 全部説明※※※※※。馬鹿※※?」
はいはい馬鹿馬鹿。もうどうでもいいわ。
取り敢えず全部説明しろという事なのだと判断して、一つずつ説明することにした。
まず俺はスマホを指差す。
「これ、ゴミ」
「ゴミ?」
次はモバイルバッテリー。
「これ、ゴミの食べ物」
「ゴミの食べ物!?」
そして、財布。
「これ、ゴミで入れ物。中もゴミ」
「これもゴミ※※!?」
最後にキーホルダーの束。
「これ、ゴミの群れ」
「ゴミしか無い※※※※※!!」
何故か顔を真っ赤にしてご立腹のフラヴィに俺は呆れたように首を振る。
「これ全部使えない。使えない物はゴミ。違う?」
「使えない?」
俺の言葉にフラヴィは財布を手に取り中身をバラまく。ちなみに比喩ではなく本当にばら撒いた。こいつ女の子としての大切な何かが欠如しているんじゃないかと本気で思った。
「知らない紙。※※※綺麗」
「使えない紙。だからゴミ」
「ふーん」
一万円札を手にとって、何だか興味深そうに眺めるフラヴィ。何だか裏表をマジマジと見たり、破ってみたりとやりたい放題だ。よりによって弄っているのが一万円札だから心境としては複雑だけど、どうせこの世界にいる限りは使えないゴミだ。この際一枚くらいは多めに見よう。
「これもゴミ?」
次にフラヴィが興味を持ったのは、プラスチック製のイルカのキーホルダーだった。
色は透明で、目の部分だけ白と黒で着色されており、大きさは幅5mm、長さ2cm程の小さなものだ。
こいつは海斗と俺が中野の傷心旅行に同行した時に行った水族館で買ったものだ。
特に欲しかったわけでも、プレゼントする相手がいるわけでもないのに、その場のノリで買ってしまったもの。
「ゴミ。一番のゴミ」
「一番!? これが……?」
キーホルダーの束からイルカだけを手のひらに乗せ、間の抜けた表情を見せるフラヴィ。
今まで俺に見せた事がなかった表情を見せるフラヴィと、これまで多少なりとも彼女に世話になっていた部分が引っかかっていたからだろう。
俺は特になんでも無いというように彼女に一つ提案する。
「欲しい? 贈るしてもいい」
「本当!?」
俺の提案に食いつくように顔を近づけるフラヴィ。
しかし、すぐに自身の醜態に気がついたようで、パッと離れるとコホンとわざとらしく咳をした。
俺はというと、何だかその様子が年相応の女の子の反応のようで、少しだけ微笑ましいと感じていた。
「本当。俺はそれ、ゴミ。必要ない」
そう答えると、俺はキーホルダーの束からイルカのキーホルダーだけ外すと、フラヴィに差し出す。
そのイルカを、彼女は恐る恐る手に取ると、上目遣いに俺を見た。
「本当に、※※※※※※? 私はソーマに※※※無い※※※※?」
何を言っているか分からないが、らしくない事を言っている事だけは分かる。
だから俺はシッシッと追い払うように手を振ると、おざなりに答えた。
「いらない。ゴミ貰うしてくれると、助かる。邪魔なだけ」
「ありがとう」
フラヴィがお礼を言ってくるなんて初めての事ではないだろうか。
あまりにも想定外の事態に目を丸くする俺を他所に、フラヴィはゴミを手にして薄く笑う。
そして、笑顔のままに自分のベッドに戻ってしまった。
俺はその後ろ姿を見た後になんとも言えない気持ちになりながら腕を組んで見下ろす。
そこには散らかったままになった元の世界の道具たちが転がっていた。
『あんな安物がそんなに嬉しいのか? よくわからん』
日本語での俺の呟きは、この狭い部屋の中であってもフラヴィにはわからなかったに違いない。
◇◇◇◇
それからかっきり2日達、俺達は大きな街壁の一部に聳える開かれた門の前に立っていた。
太陽は丁度頭上に位置し、時間的には12時くらいだろうか。門の両端には金属製の鎧を着た兵士の様な人が2人づつ立っており、門をくぐる人のチェックをしているようだった。
俺は時間を確認しようかとスマホに手を伸ばしかけるが、直後に両手を空に向かって伸ばしたフラヴィの声に中断された。
「※※※着いた!! ここが※※※※※※※※ランギスト※※!」
フラヴィの言葉に俺はスマホに伸ばしていた手を戻し、改めて門から街の中を眺める。
異世界ファンタジーの世界だからもっと昔のヨーロッパの様な町並みを想像していたのだけど、その町並みにあまり違和感を覚えない。
そういえば、これまでの宿場町なんかでも必要最低限の道具なんかは俺がこれまでいた世界にあったものも普通にあったし、個人的には少し昔の世界なのかな? という印象だったのだ。
ひょっとしたら……。俺たち以外……そう、それが大昔なのか最近なのか、それとも定期的になのか。俺達と同じようにこちら側にきた人がいるからこそなのではないかと考えてしまった。
「ソーマ!! うすのろしない!! 行く※※※※!」
そんな考察をしていた俺の右腕を引っ叩き、機嫌良さそうにフラヴィが街に向かって歩き出す。
そういえば、ここ最近はあまり彼女からあからさまな罵倒の言葉は聞いていないような気がする。まあ、ナチュラルに言葉に交じる事は多々あるのだけど。
俺は嘆息すると、元気に腕を振って歩くフラヴィについて行く。
当然、背の低い彼女の頭が俺の視界の端を出たり入ったりする訳で。その頭に普段とは違う何かがあったなら、不思議と目を向けてしまうのも当然の成り行きだった。
視線を僅かに下げて前を歩くフラヴィの後ろ頭に目を向ける。
フラヴィのトレードマークは美しい赤い髪だと俺は勝手に思っているのだが、その赤い髪を纏めている青いリボンに、今までならばいなかった存在が居心地良さそうに居座っているのだ。
青いリボンという狭い海原を泳ぐ1頭のイルカが、太陽の光を浴びてキラリと光っていた。
前半の野宿に関しては慣れていなかった事もあり難儀したが、懸念していたフラヴィの虐めや嫌がらせといった類もなく、何故か色々と世話を焼いてもらった。
食事はやたら塩辛い干し肉や恐ろしく苦いレシピ不明の丸い固形物。ある意味これが嫌がらせかとも思ったが、フラヴィも同じものを食べていたから多分、これがこの世界の携帯食なのだろう。
見張りに関してもフラヴィが何だかわからない魔法を使っていたらしく、「大丈夫」だというのでそのまま寝たのだが、朝起きたら近くに獣の死体が転がっている事が2回ほどあったから結界のようなものではなく、選定範囲内に自分たち以外の何かが近づいたら術者に知らせるような魔法なのだろう。防犯センサー的な。
ある程度行程を消化した頃には野宿するまでもなく宿場町や集落にたどり着ける事になり、そんなサバイバルのような体験はしなくて済むようになったのだが、その時に消費した保存食を補充するためにフラヴィの買い物を眺めている時に初めてこの世界の通貨を目にする事が出来た。
残念ながら詳しい話を聞こうとしてもフラヴィに説明する気がなかったらしく適当にあしらわれたので分からないが、少なくとも俺が普段使っていたお金はゴミ同然になったという所なんだろうなぁ……。
そんな案内人に時に邪魔者扱いされ、時に居ない者として扱われた面白くもなんともない旅だったが、その案内人が一度だけこちらに興味を示してきた事があった。
それは、問題がなければ後2日で目的地だというランギストに到着するという場所にあるというとある宿場町の宿の一室での事だった。
まず、前提条件として現在の俺は無一文である。
よって、金銭取り引きの発生する行為に関してはフラヴィに依存している俺だったが、流石に何日も彼女がお金を払っている姿を後ろで何もせずにただ眺めているという事が続くと申し訳ない気分にはなってくる。例え、それがあまり好意的に思っていない相手だっとしても……だ。いや、好意的に思っていない相手だからこそ、余計にそう感じたのだ。借りは作りたくない、的な。
さて、そんな思いにかられた俺は、宿に置かれたベッドの上で胡座をかいて現在の所持品を散りばめて考え込んでいた時だった。
「※※※。ソーマ、それ何?」
フラヴィの言葉が分かる時というのは大抵彼女の機嫌がいい時だ。
何分、彼女の普段遣いの言葉はまだ俺には理解できないため、彼女の方が俺に合わせてくれないと会話自体が成り立たない。
……成り立たないのだが、彼女の機嫌が悪い時はそんな事はお構いなしなため、とにかくこっちがわからない言語で喋った挙句、最後にこちらを罵倒するのだ。
どうやらフラヴィは多少の悪口はこっちに伝わるものだと理解したらしく、俺が知っている悪口ばかりで集中的に罵倒してくるものだから始末が悪かった。嫌な奴だ。
まあ、それは兎も角。
お互いにあまり好意的な気持ちを持っていない2人ではあるものの、その種類は「嫌い」というよりは「別に好きというわけでもない」という方が正しい。
その為、節約の為に宿では毎回2人べやを取っているのだが、同じ部屋にいるという事は片方が何をやっていてももう1人の目が常にあるという訳である。
今回は俺のほうがフラヴィの気を引いたようで、俺のベッドに彼女が近づいてきて話しかけてくる……という状況になったという訳だ。
ちなみに、フラヴィが「それ」と言って指をさしている先には俺が広げた所持品が散らばっている。内訳としては、スマホ、モバイルバッテリー、財布、キーホルダーの束。である。
「それが何かわからない。どれ?」
「だから、※※※※? 全部説明※※※※※。馬鹿※※?」
はいはい馬鹿馬鹿。もうどうでもいいわ。
取り敢えず全部説明しろという事なのだと判断して、一つずつ説明することにした。
まず俺はスマホを指差す。
「これ、ゴミ」
「ゴミ?」
次はモバイルバッテリー。
「これ、ゴミの食べ物」
「ゴミの食べ物!?」
そして、財布。
「これ、ゴミで入れ物。中もゴミ」
「これもゴミ※※!?」
最後にキーホルダーの束。
「これ、ゴミの群れ」
「ゴミしか無い※※※※※!!」
何故か顔を真っ赤にしてご立腹のフラヴィに俺は呆れたように首を振る。
「これ全部使えない。使えない物はゴミ。違う?」
「使えない?」
俺の言葉にフラヴィは財布を手に取り中身をバラまく。ちなみに比喩ではなく本当にばら撒いた。こいつ女の子としての大切な何かが欠如しているんじゃないかと本気で思った。
「知らない紙。※※※綺麗」
「使えない紙。だからゴミ」
「ふーん」
一万円札を手にとって、何だか興味深そうに眺めるフラヴィ。何だか裏表をマジマジと見たり、破ってみたりとやりたい放題だ。よりによって弄っているのが一万円札だから心境としては複雑だけど、どうせこの世界にいる限りは使えないゴミだ。この際一枚くらいは多めに見よう。
「これもゴミ?」
次にフラヴィが興味を持ったのは、プラスチック製のイルカのキーホルダーだった。
色は透明で、目の部分だけ白と黒で着色されており、大きさは幅5mm、長さ2cm程の小さなものだ。
こいつは海斗と俺が中野の傷心旅行に同行した時に行った水族館で買ったものだ。
特に欲しかったわけでも、プレゼントする相手がいるわけでもないのに、その場のノリで買ってしまったもの。
「ゴミ。一番のゴミ」
「一番!? これが……?」
キーホルダーの束からイルカだけを手のひらに乗せ、間の抜けた表情を見せるフラヴィ。
今まで俺に見せた事がなかった表情を見せるフラヴィと、これまで多少なりとも彼女に世話になっていた部分が引っかかっていたからだろう。
俺は特になんでも無いというように彼女に一つ提案する。
「欲しい? 贈るしてもいい」
「本当!?」
俺の提案に食いつくように顔を近づけるフラヴィ。
しかし、すぐに自身の醜態に気がついたようで、パッと離れるとコホンとわざとらしく咳をした。
俺はというと、何だかその様子が年相応の女の子の反応のようで、少しだけ微笑ましいと感じていた。
「本当。俺はそれ、ゴミ。必要ない」
そう答えると、俺はキーホルダーの束からイルカのキーホルダーだけ外すと、フラヴィに差し出す。
そのイルカを、彼女は恐る恐る手に取ると、上目遣いに俺を見た。
「本当に、※※※※※※? 私はソーマに※※※無い※※※※?」
何を言っているか分からないが、らしくない事を言っている事だけは分かる。
だから俺はシッシッと追い払うように手を振ると、おざなりに答えた。
「いらない。ゴミ貰うしてくれると、助かる。邪魔なだけ」
「ありがとう」
フラヴィがお礼を言ってくるなんて初めての事ではないだろうか。
あまりにも想定外の事態に目を丸くする俺を他所に、フラヴィはゴミを手にして薄く笑う。
そして、笑顔のままに自分のベッドに戻ってしまった。
俺はその後ろ姿を見た後になんとも言えない気持ちになりながら腕を組んで見下ろす。
そこには散らかったままになった元の世界の道具たちが転がっていた。
『あんな安物がそんなに嬉しいのか? よくわからん』
日本語での俺の呟きは、この狭い部屋の中であってもフラヴィにはわからなかったに違いない。
◇◇◇◇
それからかっきり2日達、俺達は大きな街壁の一部に聳える開かれた門の前に立っていた。
太陽は丁度頭上に位置し、時間的には12時くらいだろうか。門の両端には金属製の鎧を着た兵士の様な人が2人づつ立っており、門をくぐる人のチェックをしているようだった。
俺は時間を確認しようかとスマホに手を伸ばしかけるが、直後に両手を空に向かって伸ばしたフラヴィの声に中断された。
「※※※着いた!! ここが※※※※※※※※ランギスト※※!」
フラヴィの言葉に俺はスマホに伸ばしていた手を戻し、改めて門から街の中を眺める。
異世界ファンタジーの世界だからもっと昔のヨーロッパの様な町並みを想像していたのだけど、その町並みにあまり違和感を覚えない。
そういえば、これまでの宿場町なんかでも必要最低限の道具なんかは俺がこれまでいた世界にあったものも普通にあったし、個人的には少し昔の世界なのかな? という印象だったのだ。
ひょっとしたら……。俺たち以外……そう、それが大昔なのか最近なのか、それとも定期的になのか。俺達と同じようにこちら側にきた人がいるからこそなのではないかと考えてしまった。
「ソーマ!! うすのろしない!! 行く※※※※!」
そんな考察をしていた俺の右腕を引っ叩き、機嫌良さそうにフラヴィが街に向かって歩き出す。
そういえば、ここ最近はあまり彼女からあからさまな罵倒の言葉は聞いていないような気がする。まあ、ナチュラルに言葉に交じる事は多々あるのだけど。
俺は嘆息すると、元気に腕を振って歩くフラヴィについて行く。
当然、背の低い彼女の頭が俺の視界の端を出たり入ったりする訳で。その頭に普段とは違う何かがあったなら、不思議と目を向けてしまうのも当然の成り行きだった。
視線を僅かに下げて前を歩くフラヴィの後ろ頭に目を向ける。
フラヴィのトレードマークは美しい赤い髪だと俺は勝手に思っているのだが、その赤い髪を纏めている青いリボンに、今までならばいなかった存在が居心地良さそうに居座っているのだ。
青いリボンという狭い海原を泳ぐ1頭のイルカが、太陽の光を浴びてキラリと光っていた。
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