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買い物
しおりを挟む「いらっしゃいませ、あら。男爵様とメアリーちゃんじゃない」
「こんにちは!!ユラさん」
ここはエレナの実家の商家が経営するプリューシュと呼ばれる人気ブランド洋服店である。ユラはエレナの叔母にあたる人で、エレナも時々仕事を手伝っているそうだ。ユラもエレナと同じで背が高く、とても色っぽいのでメアリーは羨ましがった。
「メアリーちゃんにこの服似合うと思ってたのよ、いかがかしら」
「うん、いいね。それにしよう」
何度か買い物に来ているのでユラはリチャードがゴーサインを出すような服を理解している。どれもピンクのワンピースや淡い水色のドレスなど、パステルカラーが多い。メアリーはスリーブのない赤やパープルのドレスを着てみたいのだが、きっと却下されるだろうと何も言わなかった。
「ふふふ、メアリーちゃんもそろそろ寝間着はこんな感じのやつどうかしら?」
(わぁ、素敵!)
それはリチャードが認めるギリギリのラインのネグリジェであった。白の薄いサテン生地で、胸元や裾にレースが付いている。
「うーん、少し大人っぽいんじゃ・・・」
「いえいえ、もう十六歳ならこれくらい着ておりますよ、男爵様」
リチャードは渋ったが、欲しそうにその服を握りしめて上目遣いでお願いするメアリーに負け、それも買うこととなった。
+
+
+
「今日はありがとう、パパ」
「メアリーの喜ぶ顔が見れたから私も楽しかったよ」
街を散策し終わると、二人は食事を楽しんだ。お腹がいっぱいになり満足したところで家に戻った。
「もう遅い時間だ。早くお風呂に入って寝る準備をしておいで」
「はあい」
メアリーはシャワーを浴びる。リチャードは子供と手を繋ぐようにではなく、紳士的に腕を組んで歩いてくれた。珍しい艶のある黒髪は女性たちの目を引き、整った甘いマスクに女性たちがため息を吐くのを何度も見てきた。そんな彼の横に立ち、「彼は私のものよ」と大人びた目線で牽制するのがメアリーにとって快感だ。
(はぁ、今日はいっぱい引っ付けた・・・)
彼からは、男らしい汗の匂いが漂ってくるのだが、最近それを吸い込むとメアリーの股間が少し疼くようになった。モジモジとしていると、リチャードはメアリーの頭を撫でて少し離れてしまう。しかし今日リチャードは一度もメアリーを離さなかった。
(もっと、触ってほしいな)
メアリーは性への知識はあまりないが、エレナが少し教えてくれたことがある。
(ここに・・・あれを入れるんだ・・・)
お風呂で見た光景を再び思い出す。彼に付いていた男根が、メアリーの股の間に入るのを少し想像すると、いつもより強く股間の熱を感じてしまう。メアリーは少し熱を感じた部分を触ってみる。
──くちゅっ──
(少し、濡れてる・・・)
その液体を掬ってみると、透明の粘り気のある感触がした。
(やだ・・・なんだか、悪いことしてるみたい)
メアリーには何か分からないが、してはいけない事であることは分かった。メアリーは体を洗い流し、新しく買ってもらったネグリジェを着た。
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