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休暇⑥

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ジュリアがシュンと肩を落としていると、サイラスは何のことだと不思議そうな顔をしている。しばらくするとサイラスは何か思い出したようだ。


「あの日は薔薇の栽培法が見たいと駄々を捏ねていたので、連れていったのですが、あの方に葉っぱが付いているから少し屈むよう言われて屈めた記憶があります」


(私の、勘違い・・・!?)


葉っぱをとるためにフランソワが近づいた場面をジュリアは脳内でキスをしていると変換していたようだ。よく考えると見たのは二人の影だけな訳で、実際には見ていなかった。


(早とちりっ・・・恥ずかしい)


「私がキスしたいと思えるのはジュリア殿、あなただけです。そもそも薔薇園に行ったのも、国王にフランソワ王女の願いは極力叶えるように言われて渋々行った程ですから」
「ご、ごめんなさい。勘違いしてしまって」
「嫉妬してくれたんですね、嬉しいです」


近づくサイラスに今度はジュリアは目をそっと瞑った。


「んっ・・・」


─クチャ─


「はんん・・・」
「もっと舌を出して」


前回よりサイラスは執拗にジュリアの口内を攻め立てた。舌を何度も絡ませ、離れようとするとジュリアの舌をジュルジュルと吸った。


「サイラス様ぁ・・・」
「ああ、月の光で放蕩とする姿が映りとても綺麗です」
「はうぅ」


耳元で呟くサイラスの声がズクンと臍の下側に響く。声を聞くと変になるのにもっと聞きたいとジュリアは「もっと・・・」と呟いた。サイラスは目を開き「ああ、感じてるんですね」と言ってジュリアの耳にしゃぶりついた。


「はぁぁぁん」
「本当に耳が弱いようだ」


─チュパ─


「美味しいですよ、ジュリア殿」
「ふぅぅん、そんなとこ・・・」


サイラスは耳の後ろを舐めたり、中に舌を出し入れした。ゾワゾワとした感覚にジュリアは声が止まらない。


「はぁ、はぁぁ、サイラス様ぁ、駄目ぇ」
「もっとと言ったのはあなたですよ」


サイラスはジュリアの首筋に噛みつこうとした。



─ガッシャン!!


「マーサさん、大丈夫ですか?」
「ああ!!すみませんセバスチャン様、今すぐ片づけますね」


側で食器が割れる音がしてジュリアはビクリと体を揺らせた。サイラスは音の方向をチラリと見てため息をついた。


「さあ、だいぶ冷えてきたので部屋に戻りましょうか」
「は、はい」


サイラスはジュリアを部屋に送り届けた。


「今日は楽しかったです。また明日も可愛いお顔を見せてくださいね」
「私も、サイラス様とお食事もできて嬉しかったです///」


サイラスはジュリアの唇にふわりとキスをする。「名残惜しいですがまた食器が割れてしまうので」と言って去っていった。






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