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スノーランド婚約結婚編
幸せな結婚式
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~結婚式当日~
鏡にうっすらと化粧が施されたミリアが写っている。キラキラと輝く純白のドレスに身を纏うミリアはまるで空から舞い降りた天使のようだ。準備に参加した者たちはその美しさにホッとため息をこぼしている。案内人はミリアをドアの前に先導する。
「さあ、ミリア様、準備はよろしいでしょうか?」
「はい・・・」
バージンロードへと続くドアが開かれる。大勢の観客がミリアの一心に見つめ、感嘆の声やすすり泣きの声も聞こえてきた。マールは必死にミリアの写真を撮影し、リッヒはハンカチで涙を拭っている。
『ミリアさん・・・美しいです・・』
『本当に結婚されるのですね・・・』
騎士団からも数人参加しており、多くの女性がキースや他の騎士団員にチラチラと目線を送っていた。スノーランドの女性は肉食なので今日数人は彼女らに食べられてしまうであろう。
(ランドルフ・・・)
バージンロードにはミリアのドレスに合わせた純白のタキシードを身に付けているランドルフがミリアを待っており、その顔を見るだけで少し緊張が解れた。
「俺の奥さん・・・とっても綺麗だ・・・」
ランドルフは小声でミリアに告げる。結婚式にはスノーランド王族一同やランドルフの家族が参加している。皆二人に盛大な拍手をくれた。
牧師への誓いが終わり、二人は誓いのキスをする。
「ミリア・・・俺と結婚してくれてありがとう」
「こちらこそ私の旦那さんになってくれてありがとう」
二人は見つめあい、長い誓いのキスをした。
『わーーーーー』
『おめでとう!!』
教会を出ると一緒に鉄道プロジェクトを進めてきた研究員たちや、他のブラン騎士団員たち、フェリス国の劇団員たちなど多くの人がミリアとランドルフの姿を見にやって来たようだ。
「皆・・・お仕事大丈夫なのかしら」
「鉄道のお陰で皆今から二時間でフェリス国に帰れるんだから、大丈夫だろ」
今日、スノーランドとフェリス国を結ぶ鉄道が開通された。挙式はスノーランドだったのだが、大勢のフェリス国民が来てくれたことに驚きを隠せない。
「ミリアさーん、早くブーケブーケ!!」
劇団員の女性たちが手を上げてミリアのブーケトスを待ち構えているようだ。
「皆さーん!いきますよ!!せーのっ」
ミリアが投げたブーケは勢いよく上に舞った。思ったより強く投げてしまいそのブーケは劇団の後列にいた女性が受け取った。
「あら、受け取っちゃったわ」
(ん・・・あれは・・・ベラ様・・・!?)
平民の服を来ているが、そのオーラを全く隠しきれていないフェリス国正妃ベラは彼女はそのブーケを隣にいる女性へと譲ってあげていた。
(シャ、シャーロット様!!)
メガネを掛けて変装している女性はあきらかにシャーロットで、彼女は執務があるにもかかわらず駆けつけてくれたようだ。シャーロットはブーケを持ちニッコリとミリアに手を振っていた。さらにその隣にはシルベスターもおり、二人にウインクをする。
「ねえ、ランドルフ・・・今フェリス国の重要な王族三人もこっちに来ちゃってるけど・・・大丈夫かしら」
「まぁ、周辺国と平和条約を次々と結んでるし、戦争することなんてなくなりそうだ。いいんじゃないか?」
「そ、そうね・・・」
二人は新しく開通した鉄道に乗り込み、新婚旅行へと旅立つ。まずはフェリス国で最高級のホテルに一泊し、馬車に乗り換えてアングレ国や周辺国なども見て回る予定だ。
「愛してるよ、奥さん」
「私も愛してるわ、旦那様」
鉄道の開通日、各国の記者たちがミリアとランドルフの新婚カップルを目撃した。その熱々ぶりは世界中で話題となり、二人が新婚旅行をした場所場所は恋愛成就スポットとなり、多くのカップルが訪れることとなるのである。
〈婚約結婚編おわり〉
鏡にうっすらと化粧が施されたミリアが写っている。キラキラと輝く純白のドレスに身を纏うミリアはまるで空から舞い降りた天使のようだ。準備に参加した者たちはその美しさにホッとため息をこぼしている。案内人はミリアをドアの前に先導する。
「さあ、ミリア様、準備はよろしいでしょうか?」
「はい・・・」
バージンロードへと続くドアが開かれる。大勢の観客がミリアの一心に見つめ、感嘆の声やすすり泣きの声も聞こえてきた。マールは必死にミリアの写真を撮影し、リッヒはハンカチで涙を拭っている。
『ミリアさん・・・美しいです・・』
『本当に結婚されるのですね・・・』
騎士団からも数人参加しており、多くの女性がキースや他の騎士団員にチラチラと目線を送っていた。スノーランドの女性は肉食なので今日数人は彼女らに食べられてしまうであろう。
(ランドルフ・・・)
バージンロードにはミリアのドレスに合わせた純白のタキシードを身に付けているランドルフがミリアを待っており、その顔を見るだけで少し緊張が解れた。
「俺の奥さん・・・とっても綺麗だ・・・」
ランドルフは小声でミリアに告げる。結婚式にはスノーランド王族一同やランドルフの家族が参加している。皆二人に盛大な拍手をくれた。
牧師への誓いが終わり、二人は誓いのキスをする。
「ミリア・・・俺と結婚してくれてありがとう」
「こちらこそ私の旦那さんになってくれてありがとう」
二人は見つめあい、長い誓いのキスをした。
『わーーーーー』
『おめでとう!!』
教会を出ると一緒に鉄道プロジェクトを進めてきた研究員たちや、他のブラン騎士団員たち、フェリス国の劇団員たちなど多くの人がミリアとランドルフの姿を見にやって来たようだ。
「皆・・・お仕事大丈夫なのかしら」
「鉄道のお陰で皆今から二時間でフェリス国に帰れるんだから、大丈夫だろ」
今日、スノーランドとフェリス国を結ぶ鉄道が開通された。挙式はスノーランドだったのだが、大勢のフェリス国民が来てくれたことに驚きを隠せない。
「ミリアさーん、早くブーケブーケ!!」
劇団員の女性たちが手を上げてミリアのブーケトスを待ち構えているようだ。
「皆さーん!いきますよ!!せーのっ」
ミリアが投げたブーケは勢いよく上に舞った。思ったより強く投げてしまいそのブーケは劇団の後列にいた女性が受け取った。
「あら、受け取っちゃったわ」
(ん・・・あれは・・・ベラ様・・・!?)
平民の服を来ているが、そのオーラを全く隠しきれていないフェリス国正妃ベラは彼女はそのブーケを隣にいる女性へと譲ってあげていた。
(シャ、シャーロット様!!)
メガネを掛けて変装している女性はあきらかにシャーロットで、彼女は執務があるにもかかわらず駆けつけてくれたようだ。シャーロットはブーケを持ちニッコリとミリアに手を振っていた。さらにその隣にはシルベスターもおり、二人にウインクをする。
「ねえ、ランドルフ・・・今フェリス国の重要な王族三人もこっちに来ちゃってるけど・・・大丈夫かしら」
「まぁ、周辺国と平和条約を次々と結んでるし、戦争することなんてなくなりそうだ。いいんじゃないか?」
「そ、そうね・・・」
二人は新しく開通した鉄道に乗り込み、新婚旅行へと旅立つ。まずはフェリス国で最高級のホテルに一泊し、馬車に乗り換えてアングレ国や周辺国なども見て回る予定だ。
「愛してるよ、奥さん」
「私も愛してるわ、旦那様」
鉄道の開通日、各国の記者たちがミリアとランドルフの新婚カップルを目撃した。その熱々ぶりは世界中で話題となり、二人が新婚旅行をした場所場所は恋愛成就スポットとなり、多くのカップルが訪れることとなるのである。
〈婚約結婚編おわり〉
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