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スノーランド婚約結婚編
少しずつ・・・
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あれからミリアはランドルフに会う度にドキドキするようになった。
(どうしよう、ドキドキが止まらない)
「ミリア王女、階段です。お手を」
「あ、ありがとう・・・」
ランドルフが階段を降りるときにエスコートをしてくれる。手が少し触れているだけで、夜にあんなことをしたにも関わらず、なぜか恥ずかしくなって目が合っても反らしてしまう。
(やだ・・・なんで・・・)
ミリアはそんな時、叔父ケネスの妻であるカミラとお茶をする機会があった。子供たちは庭で駆け回っている。
「ミリアちゃんが記憶喪失になって、色々ケネスに口止めされたわ。皆ミリアちゃんが心配だったの。ヴィヴィアン王女と婚約するランドルフさんを思い出させないように彼のことはミリアちゃんに一切知られないようにしたわ」
「そんなことが・・・」
「でも、私と子供たちはランドルフさんの本気を分かってる。彼ね、非番のときに子供たちに剣を教えてくれてるのよ」
「ランドルフが・・・?」
「ええ、あの有名な“女戦士ミリア”の舞台のヒーローだもの」
「舞台・・・?」
「ええ、あなたとランドルフさんの恋と勇気の物語よ」
その舞台は小説化されたそうで、カミラがそれを貸してくれた。誇張されている面があるらしいが、ミリアの実話をベースとしているらしい。
(そ、そんなものがあったなんて・・・恥ずかしすぎるわ)
「近々アングレの第二王子フォスターがスノーランドに来るわ。ヴィヴィアン王女も一緒にね・・・それまでにミリアちゃん、あなたの気持ちを決めるべきだわ」
(ヴィヴィアン王女・・・ランドルフの恋人)
ーツキン
ミリアは胸の痛みを感じた。カミラはミリアの表情に確信する。
「皆ミリアちゃんの味方よ。あなたのお祖父様お祖母様もケネスもエドアルドも、あなたの気持ちを大事にしたいと思ってる。だからあなたが彼と一緒にいたいと言うのなら、私たちは何でもするわ」
「・・・ありがとう」
ミリアは家族の温かさにホロリと涙した。
「ミリア王女・・・どうしましたか?」
ぼんやりと考え込むミリアにランドルフは覗きこんだ。
「ランドルフ・・・今日あなたと剣の練習してもいいかしら」
「ええ・・・いいですよ」
今日、実剣はやはり危ないとのことで、竹刀を使い練習することとなった。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「やっぱ筋肉が衰えてるみたいだな」
「記憶喪失になってから全然運動してないもの」
ミリアは何度も何度もランドルフと打ち合うが、一本も取れない。それが悔しくて堪らなかった。
「あ~!悔しいわ!なんでそんな強いのよ!」
「そりゃあ、好きな奴に追い越されたくないからな」
ランドルフは得意そうにミリアの竹刀を取り上げ、ミリアに顔を近づける。
ードキン
「今日は全然目線を合わせてくれなかったですね」
「そ、そんなことないわ」
「俺はずっと君の瞳を見ていたいのに」
「も、もう、からかわないで!///」
「申し訳ございません、ミリア王女」
わざと綺麗な騎士の礼をミリアに向けた。ミリアは平常心を装ってその日をなんとかやり過ごした。
夜、ミリアはカミラに貸してもらった小説を読むことにした。
(どうしよう、ドキドキが止まらない)
「ミリア王女、階段です。お手を」
「あ、ありがとう・・・」
ランドルフが階段を降りるときにエスコートをしてくれる。手が少し触れているだけで、夜にあんなことをしたにも関わらず、なぜか恥ずかしくなって目が合っても反らしてしまう。
(やだ・・・なんで・・・)
ミリアはそんな時、叔父ケネスの妻であるカミラとお茶をする機会があった。子供たちは庭で駆け回っている。
「ミリアちゃんが記憶喪失になって、色々ケネスに口止めされたわ。皆ミリアちゃんが心配だったの。ヴィヴィアン王女と婚約するランドルフさんを思い出させないように彼のことはミリアちゃんに一切知られないようにしたわ」
「そんなことが・・・」
「でも、私と子供たちはランドルフさんの本気を分かってる。彼ね、非番のときに子供たちに剣を教えてくれてるのよ」
「ランドルフが・・・?」
「ええ、あの有名な“女戦士ミリア”の舞台のヒーローだもの」
「舞台・・・?」
「ええ、あなたとランドルフさんの恋と勇気の物語よ」
その舞台は小説化されたそうで、カミラがそれを貸してくれた。誇張されている面があるらしいが、ミリアの実話をベースとしているらしい。
(そ、そんなものがあったなんて・・・恥ずかしすぎるわ)
「近々アングレの第二王子フォスターがスノーランドに来るわ。ヴィヴィアン王女も一緒にね・・・それまでにミリアちゃん、あなたの気持ちを決めるべきだわ」
(ヴィヴィアン王女・・・ランドルフの恋人)
ーツキン
ミリアは胸の痛みを感じた。カミラはミリアの表情に確信する。
「皆ミリアちゃんの味方よ。あなたのお祖父様お祖母様もケネスもエドアルドも、あなたの気持ちを大事にしたいと思ってる。だからあなたが彼と一緒にいたいと言うのなら、私たちは何でもするわ」
「・・・ありがとう」
ミリアは家族の温かさにホロリと涙した。
「ミリア王女・・・どうしましたか?」
ぼんやりと考え込むミリアにランドルフは覗きこんだ。
「ランドルフ・・・今日あなたと剣の練習してもいいかしら」
「ええ・・・いいですよ」
今日、実剣はやはり危ないとのことで、竹刀を使い練習することとなった。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「やっぱ筋肉が衰えてるみたいだな」
「記憶喪失になってから全然運動してないもの」
ミリアは何度も何度もランドルフと打ち合うが、一本も取れない。それが悔しくて堪らなかった。
「あ~!悔しいわ!なんでそんな強いのよ!」
「そりゃあ、好きな奴に追い越されたくないからな」
ランドルフは得意そうにミリアの竹刀を取り上げ、ミリアに顔を近づける。
ードキン
「今日は全然目線を合わせてくれなかったですね」
「そ、そんなことないわ」
「俺はずっと君の瞳を見ていたいのに」
「も、もう、からかわないで!///」
「申し訳ございません、ミリア王女」
わざと綺麗な騎士の礼をミリアに向けた。ミリアは平常心を装ってその日をなんとかやり過ごした。
夜、ミリアはカミラに貸してもらった小説を読むことにした。
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