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スノーランド婚約結婚編
スノーランドへの訪問(後)Side:ランドルフ
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「おい!!マール!!!お前ミリアに何が起こってるか知ってるんだろ!!」
シルベスターは王子としてきっと口を割らないだろう。ランドルフはマールの元へと向かった。
「ランドルフ騎士団長・・・こんな遅くにどうしたんですか・・・」
マールは遅くまで研究室に籠っているので、彼を探すのは容易かった。
ーーダン!!
鬼の形相でランドルフは実験台を叩きつけた。
「や、やめてください・・・僕の研究の賜物たちが壊れちゃいますよ・・・」
「じゃあ、はっきりと答えてもらおうか。ミリアに何があったんだ!なんで彼女に嘘をついた!」
マールはハァっとため息をついてランドルフに詳細を語った。
「彼女の話し方で、すぐに彼女が記憶喪失だと分かりました。それで僕は彼女の幼なじみの振りをしたんです。そう言えば彼女が心をすぐに開いてくれると思ったから・・・」
ランドルフはマールをまだ睨み付けたままだ。ここにもライバルがいたのかと、心にモヤっとした気持ちが芽生える。
「安心してください・・・僕は彼女とどうこうなろうとは思ってませんよ。僕は仕事がこんなですし、結婚には向きません。彼女はそうだなぁ・・・僕の一番の研究対象とでも言っておきましょうか」
マールは淡々と話しだした。ミリアは足を滑らして頭を打ってしまったそうだ。ミリアの周りはエドアルドをはじめ皆過保護である。ミリアがまた無茶をしないように王女として教育し、フェリス国でのこともエドアルドはわざとミリアに多くは語らなかった。
「エドアルドさんに確認しましたが・・・騎士として働いていたことも伝えていなかったようです。もちろんあなたと恋人だったこともね・・・」
(ミリア・・・君は俺のことを忘れてしまったのか)
ランドルフは悲壮な表情を浮かべた。ランドルフの気持ちを知るマールはランドルフに憐れんだ。
(剣道場で教えていたあの頃も・・・騎士団で一緒にいたことも・・・俺たちが心を交わしあったことも・・・全てなくなってしまったんだ)
ランドルフはふらふらと入ってきたドアに向かった。マールはランドルフを呼び止めた。
「ランドルフ騎士団長・・・僕はミリアさんを幸せにしてあげれるのもあなただけだと思っています。だから・・・そんな記憶喪失ごときで諦めないことです。僕はあなたを応援してますよ、あのリッヒというやつよりはよっぽどね・・・」
ランドルフはマールの研究室を出ていったが、そのマールの言葉が深く耳に残っていた。
(いったい、どうすれば・・・)
次の日、エドアルドがスノーランドに戻ってきたようだ。シルベスターなどフェリス国の皆で食事をすることになったのだが、エドアルドはミリアを独占した様子で、片時も離れようとはしなかった。夜が更け、男たち数人は残って葉巻を吸いながらカードゲームで賭けをしながら他愛ない話をしていたのだが、エドアルドがお手洗いに立った際、ランドルフはエドアルドをドアの前で呼び止めた。
「エドアルド君・・・ミリアのこと、何で教えてくれなかったんだ」
「ランドルフ騎士団長、僕はミリ姉が一番なんです。アングレの王女と婚約しようとしている男のことなんて・・・きっと忘れた方がいい」
「でもっ・・・」
エドアルドはランドルフを睨み付けた。どんな強い敵と対峙しても怯まないランドルフだが、エドアルドのその目が、どの敵より恐ろしいと思った。
「どんだけミリ姉が、悲しんでたか・・・知ってんのかよ」
静かにエドアルドが話し出す。
「毎日毎日、空元気で笑った振りして、夜ベッドでずーっと泣いてたんだぞ。朝だっていっつも隈ができてて、ちゃんと寝れてなかったんだよ。それを僕は見てられなかった!!!!」
(ミリアが・・・)
「記憶喪失になったことで、ミリ姉はちゃーんと寝れるようになった。僕はそれで良かったと思ったんだ。ランドルフ騎士団長、僕はあなたがフェリス国の為にヴィヴィアン王女と婚約しなければならないのは分かってる。あなたを責めたりはしないよ・・・でもね」
エドアルドはランドルフに一歩、また一歩と近づいていった。
「ミリ姉のことを思うなら・・・このままほっといてやってくれよ。お願いだ・・・」
エドアルドは深くランドルフに頭を下げる。
「エドアルド君・・・」
ーーーカツン・・・
「ランドルフ、エドアルド君、こんなところで内緒話かい?」
シルベスターがこちらに気づいて近づいてきた。キラキラとした金髪をかきあげ、シルベスターは一言言った。
「僕はこの問題を解決する鍵を握ってるんだけど・・・聞きたい?その成功率は、ランドルフの努力次第ってところだけどね」
ニコニコと微笑むシルベスターに、ランドルフはゴクリと唾を飲んで、その可能性にすがった。
シルベスターは王子としてきっと口を割らないだろう。ランドルフはマールの元へと向かった。
「ランドルフ騎士団長・・・こんな遅くにどうしたんですか・・・」
マールは遅くまで研究室に籠っているので、彼を探すのは容易かった。
ーーダン!!
鬼の形相でランドルフは実験台を叩きつけた。
「や、やめてください・・・僕の研究の賜物たちが壊れちゃいますよ・・・」
「じゃあ、はっきりと答えてもらおうか。ミリアに何があったんだ!なんで彼女に嘘をついた!」
マールはハァっとため息をついてランドルフに詳細を語った。
「彼女の話し方で、すぐに彼女が記憶喪失だと分かりました。それで僕は彼女の幼なじみの振りをしたんです。そう言えば彼女が心をすぐに開いてくれると思ったから・・・」
ランドルフはマールをまだ睨み付けたままだ。ここにもライバルがいたのかと、心にモヤっとした気持ちが芽生える。
「安心してください・・・僕は彼女とどうこうなろうとは思ってませんよ。僕は仕事がこんなですし、結婚には向きません。彼女はそうだなぁ・・・僕の一番の研究対象とでも言っておきましょうか」
マールは淡々と話しだした。ミリアは足を滑らして頭を打ってしまったそうだ。ミリアの周りはエドアルドをはじめ皆過保護である。ミリアがまた無茶をしないように王女として教育し、フェリス国でのこともエドアルドはわざとミリアに多くは語らなかった。
「エドアルドさんに確認しましたが・・・騎士として働いていたことも伝えていなかったようです。もちろんあなたと恋人だったこともね・・・」
(ミリア・・・君は俺のことを忘れてしまったのか)
ランドルフは悲壮な表情を浮かべた。ランドルフの気持ちを知るマールはランドルフに憐れんだ。
(剣道場で教えていたあの頃も・・・騎士団で一緒にいたことも・・・俺たちが心を交わしあったことも・・・全てなくなってしまったんだ)
ランドルフはふらふらと入ってきたドアに向かった。マールはランドルフを呼び止めた。
「ランドルフ騎士団長・・・僕はミリアさんを幸せにしてあげれるのもあなただけだと思っています。だから・・・そんな記憶喪失ごときで諦めないことです。僕はあなたを応援してますよ、あのリッヒというやつよりはよっぽどね・・・」
ランドルフはマールの研究室を出ていったが、そのマールの言葉が深く耳に残っていた。
(いったい、どうすれば・・・)
次の日、エドアルドがスノーランドに戻ってきたようだ。シルベスターなどフェリス国の皆で食事をすることになったのだが、エドアルドはミリアを独占した様子で、片時も離れようとはしなかった。夜が更け、男たち数人は残って葉巻を吸いながらカードゲームで賭けをしながら他愛ない話をしていたのだが、エドアルドがお手洗いに立った際、ランドルフはエドアルドをドアの前で呼び止めた。
「エドアルド君・・・ミリアのこと、何で教えてくれなかったんだ」
「ランドルフ騎士団長、僕はミリ姉が一番なんです。アングレの王女と婚約しようとしている男のことなんて・・・きっと忘れた方がいい」
「でもっ・・・」
エドアルドはランドルフを睨み付けた。どんな強い敵と対峙しても怯まないランドルフだが、エドアルドのその目が、どの敵より恐ろしいと思った。
「どんだけミリ姉が、悲しんでたか・・・知ってんのかよ」
静かにエドアルドが話し出す。
「毎日毎日、空元気で笑った振りして、夜ベッドでずーっと泣いてたんだぞ。朝だっていっつも隈ができてて、ちゃんと寝れてなかったんだよ。それを僕は見てられなかった!!!!」
(ミリアが・・・)
「記憶喪失になったことで、ミリ姉はちゃーんと寝れるようになった。僕はそれで良かったと思ったんだ。ランドルフ騎士団長、僕はあなたがフェリス国の為にヴィヴィアン王女と婚約しなければならないのは分かってる。あなたを責めたりはしないよ・・・でもね」
エドアルドはランドルフに一歩、また一歩と近づいていった。
「ミリ姉のことを思うなら・・・このままほっといてやってくれよ。お願いだ・・・」
エドアルドは深くランドルフに頭を下げる。
「エドアルド君・・・」
ーーーカツン・・・
「ランドルフ、エドアルド君、こんなところで内緒話かい?」
シルベスターがこちらに気づいて近づいてきた。キラキラとした金髪をかきあげ、シルベスターは一言言った。
「僕はこの問題を解決する鍵を握ってるんだけど・・・聞きたい?その成功率は、ランドルフの努力次第ってところだけどね」
ニコニコと微笑むシルベスターに、ランドルフはゴクリと唾を飲んで、その可能性にすがった。
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