104 / 121
スノーランド婚約結婚編
ミリアの記憶Sideシルベスター
しおりを挟む
「ミリア!!!!」
ランドルフはミリアの元に駆け寄った。ミリアの顔は青白く、意識がない。
「シルベスター・・・ミリアに何を言ったんだ」
「いや、僕は世間話をしていただけだよ」
「お前は何を知ってるんだ!何か隠しているんだろ?俺に教えてくれ!!」
ランドルフはシルベスターに必死に請うが、シルベスターは誰にも言わないようにエドアルドに言われているのでランドルフにも伝えることはできない。
「僕は何も言うことはできないけど・・・一度君にミリアちゃんと話す機会を設けよう。エドアルド君からは怒られるだろうけどね・・・これだと君にフェアじゃないしな」
一度ゆっくりとミリアと話し合えばランドルフも自ずと答えを導きだすだろう。しかしランドルフはアングレの王女との問題を解決していない。このままだと彼は彼女と結婚することとなるので、ミリアがこのまま記憶をなくしてしまっていた方が幸せなんじゃないかと思うこともある。
(う~ん、でもランドルフとミリアちゃんが一緒になれる可能性はまだ残ってるんだよね)
シルベスターにとってアングレという大国との良好な関係を持つことはとても大事だ。スノーランドのような小国はどの国からもあまり相手にされないだろう。
「ねぇ、ランドルフ。僕は友情より自分の国が第一だけど、君とミリアちゃんには幸せになってほしいんだよ」
シルベスターは小声でランドルフに伝えた。ランドルフに聞こえたかは分からないが、ランドルフはミリアを凍えないように抱き止めて、彼女を城の中へと連れていこうとしている。
するとスノーランドの執事がこちらに焦った表情で駆け寄ってきた。
「どうかなさいましたか!!」
「リッヒ殿。ミリアちゃんが失神してしまったようです。医務室へ連れて行ってあげてください」
シルベスターがそう答えると、リッヒは意識のないミリアがランドルフに抱えられていることに気づいた。
「騎士様、私がミリア王女を連れていきますので、ありがとうございます」
「いや、俺が連れていこう」
ランドルフはミリアから手を放したくなかった。しかしリッヒは頑なにランドルフをミリアから引き離そうとする。
「フェリス国の騎士様の手を煩わせるにはいきませんので!」
リッヒはそう言って、細身なのにしっかりとついた筋肉でランドルフからミリアを受け止め、彼女をお姫様抱っこの形で持ち上げた。ハラリと落ちたミリアの前髪をリッヒは払い、彼女の髪を自然な動作で撫でた。その仕草はまるで恋人を扱うような、そんな動作であった。
(ここにもランドルフのライバルがいるなぁ、はぁ・・・さすがの僕でもミリアちゃんの心は操作できないからね)
切なげにランドルフは医務室へ向かうリッヒとミリアの姿を目で追っていた。
騎士の一人がランドルフの肩に手を乗せる。
「団長、あなたにはアングレ国のヴィヴィアン王女がいるんですから、2頭を追うものは1頭も得ずですよ。諦めましょう」
「・・・」
ミリアとランドルフは元恋人だということをここにいる数人の騎士たちは知っている。ミリアはランドルフに吹っ切れ、ランドルフはヴィヴィアンの恋人であるのにミリアに未練たらたらなのだと思っている。
(騎士たち、分かってないなぁ。ランドルフはミリアちゃんだけしか要らないんだよ)
「まぁ・・・頑張れよ、ランドルフ」
シルベスターはランドルフの不運を哀れんだ。
ランドルフはミリアの元に駆け寄った。ミリアの顔は青白く、意識がない。
「シルベスター・・・ミリアに何を言ったんだ」
「いや、僕は世間話をしていただけだよ」
「お前は何を知ってるんだ!何か隠しているんだろ?俺に教えてくれ!!」
ランドルフはシルベスターに必死に請うが、シルベスターは誰にも言わないようにエドアルドに言われているのでランドルフにも伝えることはできない。
「僕は何も言うことはできないけど・・・一度君にミリアちゃんと話す機会を設けよう。エドアルド君からは怒られるだろうけどね・・・これだと君にフェアじゃないしな」
一度ゆっくりとミリアと話し合えばランドルフも自ずと答えを導きだすだろう。しかしランドルフはアングレの王女との問題を解決していない。このままだと彼は彼女と結婚することとなるので、ミリアがこのまま記憶をなくしてしまっていた方が幸せなんじゃないかと思うこともある。
(う~ん、でもランドルフとミリアちゃんが一緒になれる可能性はまだ残ってるんだよね)
シルベスターにとってアングレという大国との良好な関係を持つことはとても大事だ。スノーランドのような小国はどの国からもあまり相手にされないだろう。
「ねぇ、ランドルフ。僕は友情より自分の国が第一だけど、君とミリアちゃんには幸せになってほしいんだよ」
シルベスターは小声でランドルフに伝えた。ランドルフに聞こえたかは分からないが、ランドルフはミリアを凍えないように抱き止めて、彼女を城の中へと連れていこうとしている。
するとスノーランドの執事がこちらに焦った表情で駆け寄ってきた。
「どうかなさいましたか!!」
「リッヒ殿。ミリアちゃんが失神してしまったようです。医務室へ連れて行ってあげてください」
シルベスターがそう答えると、リッヒは意識のないミリアがランドルフに抱えられていることに気づいた。
「騎士様、私がミリア王女を連れていきますので、ありがとうございます」
「いや、俺が連れていこう」
ランドルフはミリアから手を放したくなかった。しかしリッヒは頑なにランドルフをミリアから引き離そうとする。
「フェリス国の騎士様の手を煩わせるにはいきませんので!」
リッヒはそう言って、細身なのにしっかりとついた筋肉でランドルフからミリアを受け止め、彼女をお姫様抱っこの形で持ち上げた。ハラリと落ちたミリアの前髪をリッヒは払い、彼女の髪を自然な動作で撫でた。その仕草はまるで恋人を扱うような、そんな動作であった。
(ここにもランドルフのライバルがいるなぁ、はぁ・・・さすがの僕でもミリアちゃんの心は操作できないからね)
切なげにランドルフは医務室へ向かうリッヒとミリアの姿を目で追っていた。
騎士の一人がランドルフの肩に手を乗せる。
「団長、あなたにはアングレ国のヴィヴィアン王女がいるんですから、2頭を追うものは1頭も得ずですよ。諦めましょう」
「・・・」
ミリアとランドルフは元恋人だということをここにいる数人の騎士たちは知っている。ミリアはランドルフに吹っ切れ、ランドルフはヴィヴィアンの恋人であるのにミリアに未練たらたらなのだと思っている。
(騎士たち、分かってないなぁ。ランドルフはミリアちゃんだけしか要らないんだよ)
「まぁ・・・頑張れよ、ランドルフ」
シルベスターはランドルフの不運を哀れんだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
792
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる