秘密の師弟関係

ほのじー

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スノーランド婚約結婚編

研究員鉱山へ

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「皆さん、くれぐれもお気をつけて行ってきてください。ハルティ山は熊や狼もいますので・・・これはスノーランドに伝わる安全のお守りです。皆さんお受け取り下さい」
「ミリア王女・・・!感謝します」
「ミリアさん・・・ありがとう・・・」


研究員たちはミリアの気づかいに感動する。彼らはそのお守りを胸ポケットにそっとしまった。


ミリアは研究員たちのお見送りをしていた。ミリアは外出を禁止されているので(とにかく家族が過保護だ)王城内で、彼らの成功を祈ることにした。お守りはミリア手製なのだが、不器用なミリアをマイヤー先生が手伝ってくれたので、なんとか完成することができたのだ。


「いってらっしゃい!」
『いってきます!』


研究員たちは雪の中を進んでいった。



「さあ、ミリア王女、寒いので中にお入り下さい」
「待ってリッヒ。彼らが見えなくなるまでお見送りするわ」


はじめは研究員たちも振り返り、手を振っていた。しかかし研究員たちの後ろ姿は徐々に小さくなり、完全に見えなくなった。


「では、中に入りましょうか、ミリア王女」
「ええ、ホットココアでも飲みたいわ」
「侍女に準備させましょう」


さすがにずっと外にいたので体が冷えてしまったようだ。執事のリッヒはテキパキと指示をし、部屋にストーブを付け、侍女がホットココアを持ってきた。リッヒも側に控えている。ミリアの手はかじかみ、足の先もひんやりとしている。


「はぁ~ココアが暖かい~」
「お疲れ様でございます。とりあえず一段落ですね・・・ミリア王女はよく頑張っておられます」


リッヒは毛布をミリアの肩に被せ、ミリアを労った。


「初の国務だもの。張り切っちゃうわ」
「でもミリア王女が自ら作られたお守りを彼らが貰うなんて羨ましいですよ」
「ふふふ、リッヒもお守りが欲しかったの?」
「ミリア王女の手作りのものでしたら、何でも大切にしますよ」
「あら、大げさね、リッヒは!では今度何か作って差し上げようかしら」
「はい、お願いします」


リッヒは嬉しそうな笑みを浮かべた。


(なんだか彼、私のこと敬いすぎじゃないかしら)


スノーランドの王族に相当な忠誠を誓っているのだろう。ミリアに対しても敬った態度を取る彼だ。


リッヒはソファーに座っているミリアに近づき、膝まずいた。そしてミリアの手をそっと取った。


「こんなに手が冷えてらっしゃる」
「ええ・・・」


リッヒは自身の手でミリアの手をさすった。リッヒの手は暖房器具のように暖かい。


「リッヒ、私の手冷たいでしょ?いいのよ、そんなことしなくて」
「いえ、こんな可愛らしい手が冷えては駄目です」



リッヒはミリアの手に顔を近づける。中指に彼の唇が触れた。



(今、指にキスした!?///)



「さあ、ミリア女王、冷えた体を温めましょう。もうすぐ温泉の準備が整いましたので、風呂場へどうぞ」
「わ、分かったわ///」



ードクッドクッ



(やだ、私だけ恥ずかしがってるみたいじゃない。リッヒってば天然タラシね・・・)
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