秘密の師弟関係

ほのじー

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終章:師匠との恋

団長の思い人Side:キース(前)

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キースは生まれた頃から顔が良く、誰からももてはやされて育った。初恋も叶え、若いときから優しいお姉さんたちに夜のお相手もしてもらっていた。


(女ってちょろいな・・・)


キースがにっこり微笑めば誰もが堕ちてしまう。裕福な商家に生まれたのでお金をちらつかせてキースが三人で行為をしたいと言えば喜んで彼女たちは体を開いた。


そんな堕落的な生活をしているなか、騎士学校でまだ見習いをしていた時代ランドルフという人物に出会った。始めはいつも放課後練習しているので、努力家なのだと感心していたのだが、ある時パートナーになってから息ぴったりで気が合う仲間となった。

「お前もそろそろ落ち着けよ、キース」
「ランドルフは女拒んでばっかしだよな、もうちょっと遊ぼうぜ」


戦争が始まり、女に気をとられている時間はなくなった。人が大量に死ぬのを見て、死を覚悟したくらいだ。


(女残して戦争行きたくないってランドルフの気持ちが少し分かったよ)


キースはそれからも程々に遊んではいたが、本気になれる人物はいなかった。恋を遊びとして捕らえるだけだった。

そんな中、出会ったのがミリア・ロングである。雪合戦のチームが一緒になり、中性的で他の女性とは少し違った雰囲気を持ち、体の身のこなしも良く、キースはなんとなく彼女が気になった。ランドルフはミリアと知り合いのようで、彼もミリアを気にかけているのが分かった。


(ランドルフがあんだけ女性を気にするなんて、珍しい・・・)


雪合戦の打ち上げでも酒に酔ったミリアをランドルフが送っていったのにも驚いた。


(女慣れしてる俺でもあのミリちゃんの笑顔に見とれちゃったもんなぁ・・・)


あの笑顔はランドルフに向けたものであったのがあんなに悔しいとは思わなかった。


しばらくすると彼女は午前中騎士団に会計の仕事をするようになった。前も思っていたが、朝練のミリアの身のこなしは男性顔負けの強さを持っていた。しかしこの国では女性は手足が細く、家庭に籠っていることが良しとされるので、彼女はこの国では生きにくいだろうと可哀想に思った。


アクティブな女性である彼女の魅力は軽減されることはなかった。むしろフェリス国の風習こそがマイノリティなのではないかと考えるようになった。


(あの健康的な肌、そして程よい筋肉、それに釣り合わない大きな胸。あのアンバランスさがイイんだよなぁ~)


仕事中ミリアへのイタズラも楽しんだ。ランドルフはミリアと距離を取り出したので、これがチャンスだとキースは思い、ミリアを誘い出した。


「ね~団長最近ミリちゃんと距離置いてるじゃん~なんかあったの?」
「お前には関係ないことだ、キース」
「どうせ初恋募らせてるんでしょ~そりゃ三十才の大の大人が初恋なんてね。ぶふっ、じっくり悩むといいよ。その間に僕がミリちゃん奪っちゃってもしらないよ~ん♪」



(本当に奪っちゃうからね・・・)



その時は本当にそう思っていた。
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