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終章:師匠との恋
王都研究所の謎
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ミリアは午後、もう二十代後半騎士団員のサントスと、シルベスターの護衛を任されることとなった。サントスは団員で一番体が大きく、ミリアは体格が合わないので練習で一緒になることはない。無口であまり交流はないが、朝いつも花に水をあげている様子を見かける。きっと優しい性格なのであろう。
「今日は王都研究所へ視察に行くよ。いろいろと頼んでるものもあるからね」
王都研究所は王城の東側にある丸い巨塔の上階である。シルベスターとその騎士団員は例外的に入ることができるが、基本的には進入禁止である。
(なんか、薄暗くて怖いな・・・)
幽霊屋敷のようなたたずまいのこの場所は、床も壁も石でできており、底冷えをする寒さもあった。
小さな研究室がいくつもあり、シルベスターは一人一人研究者に声をかけ、研究過程を確認していた。さまざまな道具や薬草などが置いてあり、ミリアはほどんど何を作っているのか理解できなかった。
ートントンッ
「いらっしゃい、シルベスター坊っちゃん」
「シルベスター様、こんにちは・・・」
「やあ、ヨハネス先生、マール君。実験ははかどってる?」
「今開発してるのはねぇ・・・」
このお方が研究所を仕切るヨハネス・フォン=ポリニャック氏である。戦争時に爆発にも耐える戦機を作ったり、他にも様々な日用品の開発まで行っている方だ。マールはその助手をしているらしく、次代のヨハネスと呼ばれているそうだ。そんなマールがミリアに気づいた。
「会えて嬉しいな・・・ミリアさ・・・もごもご」
(!!)
ミリアはマールの口を必死に塞ぐ。相変わらず小声で呟くように話すので他の人に聞こえなかったことを祈る。
「マ、マール、僕はエドだよ!」
「クンカクンカ・・・でもこの手の汗の良い匂いはミリ・・・もごもごもご」
「しー!」
「ははは、エドアルド君はマールと仲が良いんだね。今からしばらくヨハネス先生とお話しするから君はマール君の研究でも見てなよ」
「は、はい!」
ここは他の研究室と違い、だいぶ広いスペースになっている。マールはいくつかの最近頼まれて作った道具を見せてくれた。
「あ、このカツラ!」
「そうです・・・ミリアさんの今着けているカツラは宴会の時にミリアさんの髪の毛拾ってそれを元に忠実に再現したものなんですよ・・・」
「え!私の為に作ってくれてるやつだったの、これ?」
「はい・・・ミリアさんの為だったのでだいぶ力入っちゃいました・・・ミリアさんのお胸の形、サイズを視姦して計算して負担のないサラシも作りました・・・」
「・・・マール、あなた仕事選びなさいよ」
ミリアは呆れて手を額に当てた。その手を外した時に台に置いてあったシリコンのような棒の素材にベルトが付いた道具を落としてしまった。
「ん?これは何?」
「あ~それは、ベラ様から頼まれた・・・女性同士が性行為する際に・・・攻める側が着けて本物のような陰茎を楽しめるというものです・・・」
「!!///」
ミリアは最近騎士団員のボブに性行為について教えてもらったのだが、男根を女性のあの部分に出し入れをすると言っていた。
(なにこれ、お風呂で見たエドのやつより、硬くて大きい・・・これが入るの??)
「かなりこういった依頼が来るので、大変なんですよ・・・これらは副業なんですけど儲かるのでね。今シルベスター様からの依頼で、女性器に挿入した感覚を得れるホールを作ってるんですが、ミリアさんの女性器の型取ってもいいですか・・・?ハアハア」
「マール、仕事は選びなさい!!」
ミリアはげっそりと疲れたのだが、ヨハネスとシルベスターがやっと話終えたらしく、彼らがミリアとマールのところまでやってきた。シルベスターがミリアに耳打ちする。
『時が来たらランドルフにいくつか試作品を送っておくからね。ミリアちゃんもきっと楽しめるよ』
(!!!!)
ミリアの顔が茹で蛸のように赤くなる。固まってしまったミリアは、マールに最新ポータブルレントゲンカメラでパシャパシャ撮られていることに気づかなかった。
「へっへっへ、これでミリアさんのドールを・・・」
不吉なことを呟くマールであった。
「今日は王都研究所へ視察に行くよ。いろいろと頼んでるものもあるからね」
王都研究所は王城の東側にある丸い巨塔の上階である。シルベスターとその騎士団員は例外的に入ることができるが、基本的には進入禁止である。
(なんか、薄暗くて怖いな・・・)
幽霊屋敷のようなたたずまいのこの場所は、床も壁も石でできており、底冷えをする寒さもあった。
小さな研究室がいくつもあり、シルベスターは一人一人研究者に声をかけ、研究過程を確認していた。さまざまな道具や薬草などが置いてあり、ミリアはほどんど何を作っているのか理解できなかった。
ートントンッ
「いらっしゃい、シルベスター坊っちゃん」
「シルベスター様、こんにちは・・・」
「やあ、ヨハネス先生、マール君。実験ははかどってる?」
「今開発してるのはねぇ・・・」
このお方が研究所を仕切るヨハネス・フォン=ポリニャック氏である。戦争時に爆発にも耐える戦機を作ったり、他にも様々な日用品の開発まで行っている方だ。マールはその助手をしているらしく、次代のヨハネスと呼ばれているそうだ。そんなマールがミリアに気づいた。
「会えて嬉しいな・・・ミリアさ・・・もごもご」
(!!)
ミリアはマールの口を必死に塞ぐ。相変わらず小声で呟くように話すので他の人に聞こえなかったことを祈る。
「マ、マール、僕はエドだよ!」
「クンカクンカ・・・でもこの手の汗の良い匂いはミリ・・・もごもごもご」
「しー!」
「ははは、エドアルド君はマールと仲が良いんだね。今からしばらくヨハネス先生とお話しするから君はマール君の研究でも見てなよ」
「は、はい!」
ここは他の研究室と違い、だいぶ広いスペースになっている。マールはいくつかの最近頼まれて作った道具を見せてくれた。
「あ、このカツラ!」
「そうです・・・ミリアさんの今着けているカツラは宴会の時にミリアさんの髪の毛拾ってそれを元に忠実に再現したものなんですよ・・・」
「え!私の為に作ってくれてるやつだったの、これ?」
「はい・・・ミリアさんの為だったのでだいぶ力入っちゃいました・・・ミリアさんのお胸の形、サイズを視姦して計算して負担のないサラシも作りました・・・」
「・・・マール、あなた仕事選びなさいよ」
ミリアは呆れて手を額に当てた。その手を外した時に台に置いてあったシリコンのような棒の素材にベルトが付いた道具を落としてしまった。
「ん?これは何?」
「あ~それは、ベラ様から頼まれた・・・女性同士が性行為する際に・・・攻める側が着けて本物のような陰茎を楽しめるというものです・・・」
「!!///」
ミリアは最近騎士団員のボブに性行為について教えてもらったのだが、男根を女性のあの部分に出し入れをすると言っていた。
(なにこれ、お風呂で見たエドのやつより、硬くて大きい・・・これが入るの??)
「かなりこういった依頼が来るので、大変なんですよ・・・これらは副業なんですけど儲かるのでね。今シルベスター様からの依頼で、女性器に挿入した感覚を得れるホールを作ってるんですが、ミリアさんの女性器の型取ってもいいですか・・・?ハアハア」
「マール、仕事は選びなさい!!」
ミリアはげっそりと疲れたのだが、ヨハネスとシルベスターがやっと話終えたらしく、彼らがミリアとマールのところまでやってきた。シルベスターがミリアに耳打ちする。
『時が来たらランドルフにいくつか試作品を送っておくからね。ミリアちゃんもきっと楽しめるよ』
(!!!!)
ミリアの顔が茹で蛸のように赤くなる。固まってしまったミリアは、マールに最新ポータブルレントゲンカメラでパシャパシャ撮られていることに気づかなかった。
「へっへっへ、これでミリアさんのドールを・・・」
不吉なことを呟くマールであった。
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