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終章:師匠との恋
男装令嬢、騎士団に潜入!?②
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王城での職を辞したエドアルドが、正式な大使として働くまで研修として一年ほどスノーランドとフェリス国を往き来しなければならないのでこの間エドアルドが王城に来ることは一切ない。その期間に、エドアルドに扮したミリアが臨時的にブラン騎士団員として働くという筋書きだ。
(うーん、かなり無理がある気がするけど、シルベスター様なら押し通せそうな気がする・・・)
「ミリアちゃんの働きっぷりは報告を受けてるよ。この僕がみすみす優秀な君を手放すと思ってるのかな?」
「・・・評価していただいているのは嬉しいですが、やっぱり・・・」
「もし承諾してくれなかったら、君はしばらくこの家に監禁されたように過ごすんだろうなぁ~。僕は君の外出を禁止できる権限もあるからね」
「ぐっ・・・」
シルベスターはさりげなく、にこやかにミリアを脅す作戦にでたようだ。
「分かりましたよ!働きますから!」
ミリアは降参した。
「わ~嬉しいよ、ミリアちゃん!じゃあ、ここにミリアちゃん用の騎士団の制服と、王都研究所製の脱げないカツラとその他もろもろ、置いておくから」
シルベスターは呆気にとられるような速さで去っていった。
(・・・用意周到すぎる)
側には『王都研究所マールによる脱げないカツラ装着方法』と『王都研究所マールによる胸に優しいサラシの装着方法』というしおりが置いあった。靴はシークレットシューズで高くなっているのに、とても軽く動きやすい。
(マール、あなた研究所で何してんの・・・)
王都研究所の謎は深まるばかりであった。
ー翌日ー
(うーん、カツラが超フィットするし、胸のサラシも圧迫感がないけど・・・どうなってるんだろう?)
ミリアは騎士団の制服に身を包み、見慣れた城内のブラン騎士団の訓練場へと向かった。
「ミリア、まさかシルベスターがこんな事を君にさせるとは・・・無理しなくていいんだぞ。俺が抗議しに行くからな」
「大丈夫です。なんだかんだいって、私、ここでの仕事好きですから」
ランドルフは複雑そうな顔をしていた。ミリアが男装で働くと知っているのはランドルフだけで、他の団員には秘密だ。
「分かった。君が納得しているなら仕方ない。ここでは君をエドと呼ぶからな」
「はい」
「やっぱりその前に・・・」
ランドルフはミリアに顔を近づけ、唇にチュッとキスをした。
「君をしばらく男の部下として扱わないとなんだ。その前にミリアを味わっておきたいだろう?」
ミリアの頬はカーーっと赤くなり俯いた。
「っ・・・そんなリンゴみたいな真っ赤な可愛い顔されたら、君をエドとして扱えないじゃないか」
「ランドルフ騎士団長がこんなことするからじゃないですか!」
「ははは、すまんすまん。我慢できなくて。はぁ・・・しかたない、今から団員に紹介しにいこうか」
「皆のもの、ここにいるのは少しの間来てもらっていたミリア=ロングの弟でエドアルド=ロングだ。しばらくの間こちらで働くこととなったので、色々と教えてあげるように」
「こんにちは。皆さんエドって呼んでください。宜しくお願いします」
団員たちに囲まれ質問攻めにあった。彼らにはばれていないようだ。やはり男同士だということで、ミリアとして滞在していた時よりも、気さくに話しかけられた。
『ミリアさんにそっくりだ!』
『美男ですね』
『エドもミリアさんのように強いんでしょうか』
ミリアは際どい質問ははぐらかしながら、怒号の1日を終えた。
(うーん、かなり無理がある気がするけど、シルベスター様なら押し通せそうな気がする・・・)
「ミリアちゃんの働きっぷりは報告を受けてるよ。この僕がみすみす優秀な君を手放すと思ってるのかな?」
「・・・評価していただいているのは嬉しいですが、やっぱり・・・」
「もし承諾してくれなかったら、君はしばらくこの家に監禁されたように過ごすんだろうなぁ~。僕は君の外出を禁止できる権限もあるからね」
「ぐっ・・・」
シルベスターはさりげなく、にこやかにミリアを脅す作戦にでたようだ。
「分かりましたよ!働きますから!」
ミリアは降参した。
「わ~嬉しいよ、ミリアちゃん!じゃあ、ここにミリアちゃん用の騎士団の制服と、王都研究所製の脱げないカツラとその他もろもろ、置いておくから」
シルベスターは呆気にとられるような速さで去っていった。
(・・・用意周到すぎる)
側には『王都研究所マールによる脱げないカツラ装着方法』と『王都研究所マールによる胸に優しいサラシの装着方法』というしおりが置いあった。靴はシークレットシューズで高くなっているのに、とても軽く動きやすい。
(マール、あなた研究所で何してんの・・・)
王都研究所の謎は深まるばかりであった。
ー翌日ー
(うーん、カツラが超フィットするし、胸のサラシも圧迫感がないけど・・・どうなってるんだろう?)
ミリアは騎士団の制服に身を包み、見慣れた城内のブラン騎士団の訓練場へと向かった。
「ミリア、まさかシルベスターがこんな事を君にさせるとは・・・無理しなくていいんだぞ。俺が抗議しに行くからな」
「大丈夫です。なんだかんだいって、私、ここでの仕事好きですから」
ランドルフは複雑そうな顔をしていた。ミリアが男装で働くと知っているのはランドルフだけで、他の団員には秘密だ。
「分かった。君が納得しているなら仕方ない。ここでは君をエドと呼ぶからな」
「はい」
「やっぱりその前に・・・」
ランドルフはミリアに顔を近づけ、唇にチュッとキスをした。
「君をしばらく男の部下として扱わないとなんだ。その前にミリアを味わっておきたいだろう?」
ミリアの頬はカーーっと赤くなり俯いた。
「っ・・・そんなリンゴみたいな真っ赤な可愛い顔されたら、君をエドとして扱えないじゃないか」
「ランドルフ騎士団長がこんなことするからじゃないですか!」
「ははは、すまんすまん。我慢できなくて。はぁ・・・しかたない、今から団員に紹介しにいこうか」
「皆のもの、ここにいるのは少しの間来てもらっていたミリア=ロングの弟でエドアルド=ロングだ。しばらくの間こちらで働くこととなったので、色々と教えてあげるように」
「こんにちは。皆さんエドって呼んでください。宜しくお願いします」
団員たちに囲まれ質問攻めにあった。彼らにはばれていないようだ。やはり男同士だということで、ミリアとして滞在していた時よりも、気さくに話しかけられた。
『ミリアさんにそっくりだ!』
『美男ですね』
『エドもミリアさんのように強いんでしょうか』
ミリアは際どい質問ははぐらかしながら、怒号の1日を終えた。
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