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第二章:恋の芽
夜のお出かけ③
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「ミリちゃん、許してよ~~お詫びに舞台裏招待してあげるから、ね?」
「・・・舞台裏ですか?」
「主演のマーサにも会えるかもよ」
「っ・・・」
「今日ミリちゃんが買ってた舞台パンフレットにサインも貰えちゃうかもよ」
「ぐっ・・・ゆ、許しましょう」
ミリアは簡単に物で釣れる現金な奴である。ミリアを怒らせた際にミリアの好きな店のお菓子など渡すとケロッと機嫌が治ることは弟のエドアルドはよーく知っていることだ。戦略家であるキースもミリアの性格を把握してきているようだ。
「あら、キース今日は来てくれたのね」
「チコちゃん今日はチケットくれてありがと~。そのお陰で今日はこんな可愛い子とデートできたよ」
「やだ、この子・・・劇団に欲しいわ!皆~!来て~!!男役の卵よ~!!」
「え、なに。うわぁ~ベラ様の大好物だわ」
ザワザワと先ほど舞台に立っていた女優さんたちが群がってくる。ミリアは緊張と感動で固まっている。
この劇団は正妃ベラが取り仕切っており、団員は皆女性だ。なので女優でも男型と女型に別れており、男型は基本的に男性を演じるのだ。しばらくすると奥から今日の主演で少年から成長した青年役を見事に務めあげたマーサがやってきた。
「あら、あなた・・・」
「今日の舞台、とても感動しました!もう私涙が止まらなくって思いだすだけで今も涙が・・・」
ミリアはまたハンカチを取り出し涙をぬぐった。
「ふふっ、ありがとう!とっても嬉しいわ。それよりあなた、今日は副団長と一緒なの・・・?団長はどうしたのよ」
「??なんで団長が?マーサさんお知り合いですか?」
「ううん、なんでもないの(うわー三角関係かしら!?これはベラ様に報告よ!)」
なにかマーサがぶつぶつと言っていたが、ミリアは他の団員達に「是非男役を!」「いや、女役でもイケるわよ!」などと勧誘され何も聞こえなかった。
「もう、皆イケメンの僕を差し置いてミリちゃんに群がって!」
「あなた顔はいいけど筋肉がねぇ」
「そんなぁ~でもミリちゃんはだめだよ~王城でお仕事してるんだから」
「あら・・・残念。でも王城ってことはベラ様はきっともう目をつけてるわね。間違いないわ」
「是非また来てね。待ってるわ」
「はい!ありがとうございました!また来ます」
(あ~楽しかった)
ミリアは劇団員たちの色々なお話を聞けて大満足な1日であった。サインもちゃっかり貰い、ほくほく顔である。ミリアの家の前に馬車が止まり、キースにお礼を言った。
「今日は本当にありがとうございました、キースさん。お姉さんにも後日ドレスのお礼の手紙送りますので」
「ミリちゃんが喜んでくれてよかったよ。でもお礼は言葉じゃなくて、ココにしてほしいな」
キースは自分の頬を指し、キスをねだった。今日はチケットから始まり、舞台裏へ招待などと感謝してもしきれない事をミリアにしてくれた。
(頬くらいなら・・・いいか)
「しょうがないですね・・・目をつぶってください」
チュッー
ミリアはキースの頬に一瞬だけ、触れる程度にキスをしてあげた。キースは嬉しそうに「じゃあ、また明日」と言って馬車を出発させ帰っていった。
「・・・舞台裏ですか?」
「主演のマーサにも会えるかもよ」
「っ・・・」
「今日ミリちゃんが買ってた舞台パンフレットにサインも貰えちゃうかもよ」
「ぐっ・・・ゆ、許しましょう」
ミリアは簡単に物で釣れる現金な奴である。ミリアを怒らせた際にミリアの好きな店のお菓子など渡すとケロッと機嫌が治ることは弟のエドアルドはよーく知っていることだ。戦略家であるキースもミリアの性格を把握してきているようだ。
「あら、キース今日は来てくれたのね」
「チコちゃん今日はチケットくれてありがと~。そのお陰で今日はこんな可愛い子とデートできたよ」
「やだ、この子・・・劇団に欲しいわ!皆~!来て~!!男役の卵よ~!!」
「え、なに。うわぁ~ベラ様の大好物だわ」
ザワザワと先ほど舞台に立っていた女優さんたちが群がってくる。ミリアは緊張と感動で固まっている。
この劇団は正妃ベラが取り仕切っており、団員は皆女性だ。なので女優でも男型と女型に別れており、男型は基本的に男性を演じるのだ。しばらくすると奥から今日の主演で少年から成長した青年役を見事に務めあげたマーサがやってきた。
「あら、あなた・・・」
「今日の舞台、とても感動しました!もう私涙が止まらなくって思いだすだけで今も涙が・・・」
ミリアはまたハンカチを取り出し涙をぬぐった。
「ふふっ、ありがとう!とっても嬉しいわ。それよりあなた、今日は副団長と一緒なの・・・?団長はどうしたのよ」
「??なんで団長が?マーサさんお知り合いですか?」
「ううん、なんでもないの(うわー三角関係かしら!?これはベラ様に報告よ!)」
なにかマーサがぶつぶつと言っていたが、ミリアは他の団員達に「是非男役を!」「いや、女役でもイケるわよ!」などと勧誘され何も聞こえなかった。
「もう、皆イケメンの僕を差し置いてミリちゃんに群がって!」
「あなた顔はいいけど筋肉がねぇ」
「そんなぁ~でもミリちゃんはだめだよ~王城でお仕事してるんだから」
「あら・・・残念。でも王城ってことはベラ様はきっともう目をつけてるわね。間違いないわ」
「是非また来てね。待ってるわ」
「はい!ありがとうございました!また来ます」
(あ~楽しかった)
ミリアは劇団員たちの色々なお話を聞けて大満足な1日であった。サインもちゃっかり貰い、ほくほく顔である。ミリアの家の前に馬車が止まり、キースにお礼を言った。
「今日は本当にありがとうございました、キースさん。お姉さんにも後日ドレスのお礼の手紙送りますので」
「ミリちゃんが喜んでくれてよかったよ。でもお礼は言葉じゃなくて、ココにしてほしいな」
キースは自分の頬を指し、キスをねだった。今日はチケットから始まり、舞台裏へ招待などと感謝してもしきれない事をミリアにしてくれた。
(頬くらいなら・・・いいか)
「しょうがないですね・・・目をつぶってください」
チュッー
ミリアはキースの頬に一瞬だけ、触れる程度にキスをしてあげた。キースは嬉しそうに「じゃあ、また明日」と言って馬車を出発させ帰っていった。
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