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第二章:恋の芽
騎士団のお仕事Side:ランドルフ
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ランドルフは首のキスマークが消えてすこし残念だと感じていた頃。(あんな噛みついたようなキスマークつけて、何があったんだ・・と団員が裏で噂していたのだが)
ミリアが騎士団に会計士として手伝いにくるとシルベスターから連絡があった。ランドルフはミリアが手伝いにくることは反対だった。あんなむさ苦しいところに女性が来るところではないと思ったからだ。しかしシルベスターにそんな理由で女性の才能を潰してしまうのは駄目だと言われた。女性でも働ける環境を作ることが上の人間の仕事だと言われたのだ。全くその通りだと反省し、了解したのだった。
結果。
ミリアはたくましかった。まずは彼女のレベルを図ろうと、ランドルフの剣を三分で奪うように伝えた。彼女はヒラヒラと舞いながらランドルフの死角に打ち込んでくる。少し焦ったがミリアを追い込み、冷静さを失わすために煽った。彼女は唾をランドルフの目に浴びせ、剣を取ろうと手を伸ばしたところで時間の終わりが告げられた。
(・・・シルベスターがミリア殿を危険に放り込もうとする理由がこれか・・・こりゃ彼女が育てば団長級になるぞ)
ランドルフとしてはミリアには危険を犯してほしくない。しかしこれほどの才能をちらつかせれば誰もが欲しがる人材であろう。女性でなければ・・・
(彼女は強さと女性であることの葛藤をしてきたのだな)
彼女は頭も速く、会計の仕事も男性顔負けの仕事ぶりである。キースはそんなミリアをかなり気に入ったようだ。それには気づいていたので、部屋の外からキースとミリアのなまめかしい声が聞こえてきたときは、絶望に襲われた。
キースが考えた嫌がらせだと分かるも、苛立ちが募るばかりだった。
(彼女がキースと仲良くするのも、騎士団員と楽しそうに話をするのもすごく嫌になる・・・)
ランドルフはミリアの頬に手を当て、彼女の体温を感じようとした。物足りなくなり彼女をぎゅっと抱き締めた。ミリアも嫌ではないようで、力を抜いていた。
(この醜い感情が恋なのか・・・)
ランドルフは三十才を越えて初恋をしたのだった。ランドルフは無意識にミリアを抱きしめている状況にハッとし、冷静さを取り戻すために部屋を飛び出して、冬だったが水を何度も被った。「ぬおぉおお!!」と雄叫びをあげていると他の団員は「団長、なんかやべー修行してる」と言って不思議そうにランドルフを見ていた。
(駄目だ、駄目だ、駄目だ!これでは仕事に支障をきたしてしまう!!)
ランドルフはミリアを別の部屋に移し、なるべく会わないようにした。朝の練習はランドルフが手合わせするとき以外は一切話すことはなかった。遠くから練習風景を眺めてため息をこぼす日が続いた。
(俺は一人で生きていくと決めたんだ・・・これでいい)
「ね~団長最近ミリちゃんと距離置いてるじゃん~なんかあったの?」
「お前には関係ないことだ、キース」
「どうせ初恋募らせてるんでしょ~そりゃ三十才の大の大人が初恋なんてね。ぶふっ、じっくり悩むといいよ。その間に僕がミリちゃん奪っちゃってもしらないよ~ん♪」
そう言ってキースは去っていった。
ミリアが騎士団に会計士として手伝いにくるとシルベスターから連絡があった。ランドルフはミリアが手伝いにくることは反対だった。あんなむさ苦しいところに女性が来るところではないと思ったからだ。しかしシルベスターにそんな理由で女性の才能を潰してしまうのは駄目だと言われた。女性でも働ける環境を作ることが上の人間の仕事だと言われたのだ。全くその通りだと反省し、了解したのだった。
結果。
ミリアはたくましかった。まずは彼女のレベルを図ろうと、ランドルフの剣を三分で奪うように伝えた。彼女はヒラヒラと舞いながらランドルフの死角に打ち込んでくる。少し焦ったがミリアを追い込み、冷静さを失わすために煽った。彼女は唾をランドルフの目に浴びせ、剣を取ろうと手を伸ばしたところで時間の終わりが告げられた。
(・・・シルベスターがミリア殿を危険に放り込もうとする理由がこれか・・・こりゃ彼女が育てば団長級になるぞ)
ランドルフとしてはミリアには危険を犯してほしくない。しかしこれほどの才能をちらつかせれば誰もが欲しがる人材であろう。女性でなければ・・・
(彼女は強さと女性であることの葛藤をしてきたのだな)
彼女は頭も速く、会計の仕事も男性顔負けの仕事ぶりである。キースはそんなミリアをかなり気に入ったようだ。それには気づいていたので、部屋の外からキースとミリアのなまめかしい声が聞こえてきたときは、絶望に襲われた。
キースが考えた嫌がらせだと分かるも、苛立ちが募るばかりだった。
(彼女がキースと仲良くするのも、騎士団員と楽しそうに話をするのもすごく嫌になる・・・)
ランドルフはミリアの頬に手を当て、彼女の体温を感じようとした。物足りなくなり彼女をぎゅっと抱き締めた。ミリアも嫌ではないようで、力を抜いていた。
(この醜い感情が恋なのか・・・)
ランドルフは三十才を越えて初恋をしたのだった。ランドルフは無意識にミリアを抱きしめている状況にハッとし、冷静さを取り戻すために部屋を飛び出して、冬だったが水を何度も被った。「ぬおぉおお!!」と雄叫びをあげていると他の団員は「団長、なんかやべー修行してる」と言って不思議そうにランドルフを見ていた。
(駄目だ、駄目だ、駄目だ!これでは仕事に支障をきたしてしまう!!)
ランドルフはミリアを別の部屋に移し、なるべく会わないようにした。朝の練習はランドルフが手合わせするとき以外は一切話すことはなかった。遠くから練習風景を眺めてため息をこぼす日が続いた。
(俺は一人で生きていくと決めたんだ・・・これでいい)
「ね~団長最近ミリちゃんと距離置いてるじゃん~なんかあったの?」
「お前には関係ないことだ、キース」
「どうせ初恋募らせてるんでしょ~そりゃ三十才の大の大人が初恋なんてね。ぶふっ、じっくり悩むといいよ。その間に僕がミリちゃん奪っちゃってもしらないよ~ん♪」
そう言ってキースは去っていった。
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