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第二章:恋の芽
騎士団のお仕事③
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朝ミリアはいつもより早起きし、髪をぎゅっと上で縛り上げた。今日から毎日、朝一時間だけブラン騎士団の練習に参加させてもらえることになったのだ。家の庭で素振りするなどの自主練習は行ってきたものの、本格的に練習するのは久々である。ミリアはストレッチを入念に行い、ランドルフへと指導を仰いだ。
「では、宜しくおねがいします」
「ああ、じゃあまずは君が騎士団の練習に付いていけるか見たいので俺が相手しよう。俺に襲いかかってきて俺の剣を奪え。時間は三分だ」
(師匠との練習・・・久しぶりだ)
ミリアは一呼吸入れ、様子をみる。彼はじっとその位置に立ったままで、動く様子はない。ミリアはランドルフの死角になる後ろめがけて走り、ふわりと舞い、一回転してランドルフに足蹴りを食らわせたが、ランドルフはびくともしない。
ズサッーーー
ミリアは着地し、今度は低姿勢になり足を狙った。しかしランドルフは打撃を受けた様子がない。ミリアはさらに様々な角度から攻撃した。気づくとミリアは奥に奥にと誘導されていたらしく、壁際間近の位置に立っていた。しばらくするとランドルフはミリアの腕を掴み壁に私を打ち付けた。
「周りを見ながら判断しろ。目の前だけに気を取られていては駄目だ」
「くっ・・・」
精一杯体を捻り、手を解こうとするが、ランドルフの手がミリアの腕をがっちり掴んで壁に押し付けているのでミリアは標本にされているような気分だ。
「はぁ、はぁ・・・」
もがけばもがく程に体力が消耗されていく。
「どうした、その程度でシャーロット様を助けれると思ってるのか」
(師匠のいつもの煽りに乗っちゃだめだ・・・冷静に・・・状況を判断しないと)
ミリアは勢いよくランドルフに唾を浴びせた。驚いたランドルフの手の拘束が緩む。右手の拘束が外れ、ランドルフの腰の剣に手を伸ばした。鞘に手が届きそうだ。
ピーーーーーー
三分の合図が鳴る。
「はぁ・・・はぁ・・ありがとうございました」
「なかなか筋がいいな。速さは十分だ。あとは一撃の重さを増やしていく練習もしよう。君はブラン騎士団の練習に十分付いていけるだろう。うちで一番小柄なトムとペアになって練習に励んでくれ」
「はい」
ー数日後ー
「いたたたたた。今日は練習きつかったですね」
「ミリちゃん今日もお疲れ~なかなか筋がいいと思うよ。あんだけ練習付いていけるなら、きっとうちの団でも上位だね」
「いやいや、でもランドルフ騎士団長、いくらやったって全然打撃受けないんですよね・・・」
「いや~あいつに打撃与えれる人なんて世界探してもなかなかいないよ。僕は戦略的に彼に打撃与えれるけどね。よし、今から団長に打撃与えちゃおー!」
キースはミリアを椅子に座らせ、「ミリちゃんは座ってるだけでいいから」と言ってミリアの肩を揉み始めた。
「いやキースさんにそんな事してもらうなんて!」
「僕はテクニシャンだから疲れも痛みも取れちゃうよ、ね?ちょっとだけ」
少し強引だったが、言葉の通り彼の手は大きくて熱いのでお風呂で肩を揉んでもらっているような気持ちになり、ミリアも体の力が抜けていった。
「んん~~キースさんの、熱くて気持ちいいです~・・・」
「だいぶ解れてきたみたいだね。もう少し強く攻めてあげよう」
「ああん・・・キースさん!!」
「ああ・・・ミリちゃんの声腰にくる~」
ーバン!!ーーーーー
顔を真っ青にして部屋に入ってきたのはランドルフである。
「おま・・・おま・・・おまえら・・・職場で破廉恥なことを!!」
「ランドルフ騎士団長!すみません、仕事を始める前に少し休憩をしておりました。今すぐ取りかかります」
「団長さんは何か勘違いしたのかなぁ~(ニヤニヤ)」
ランドルフの顔は怒りと恥ずかしさで青から赤に変わり、「サボってないで仕事しろ!!」と言うと、キースは「はいはい」と言って部屋をそそくさと出ていった。
ランドルフはしかめっ面で席につき、乱暴に仕事を始めた。ミリアはその横で気まずそうに与えられた仕事をこなしていった。
「では、宜しくおねがいします」
「ああ、じゃあまずは君が騎士団の練習に付いていけるか見たいので俺が相手しよう。俺に襲いかかってきて俺の剣を奪え。時間は三分だ」
(師匠との練習・・・久しぶりだ)
ミリアは一呼吸入れ、様子をみる。彼はじっとその位置に立ったままで、動く様子はない。ミリアはランドルフの死角になる後ろめがけて走り、ふわりと舞い、一回転してランドルフに足蹴りを食らわせたが、ランドルフはびくともしない。
ズサッーーー
ミリアは着地し、今度は低姿勢になり足を狙った。しかしランドルフは打撃を受けた様子がない。ミリアはさらに様々な角度から攻撃した。気づくとミリアは奥に奥にと誘導されていたらしく、壁際間近の位置に立っていた。しばらくするとランドルフはミリアの腕を掴み壁に私を打ち付けた。
「周りを見ながら判断しろ。目の前だけに気を取られていては駄目だ」
「くっ・・・」
精一杯体を捻り、手を解こうとするが、ランドルフの手がミリアの腕をがっちり掴んで壁に押し付けているのでミリアは標本にされているような気分だ。
「はぁ、はぁ・・・」
もがけばもがく程に体力が消耗されていく。
「どうした、その程度でシャーロット様を助けれると思ってるのか」
(師匠のいつもの煽りに乗っちゃだめだ・・・冷静に・・・状況を判断しないと)
ミリアは勢いよくランドルフに唾を浴びせた。驚いたランドルフの手の拘束が緩む。右手の拘束が外れ、ランドルフの腰の剣に手を伸ばした。鞘に手が届きそうだ。
ピーーーーーー
三分の合図が鳴る。
「はぁ・・・はぁ・・ありがとうございました」
「なかなか筋がいいな。速さは十分だ。あとは一撃の重さを増やしていく練習もしよう。君はブラン騎士団の練習に十分付いていけるだろう。うちで一番小柄なトムとペアになって練習に励んでくれ」
「はい」
ー数日後ー
「いたたたたた。今日は練習きつかったですね」
「ミリちゃん今日もお疲れ~なかなか筋がいいと思うよ。あんだけ練習付いていけるなら、きっとうちの団でも上位だね」
「いやいや、でもランドルフ騎士団長、いくらやったって全然打撃受けないんですよね・・・」
「いや~あいつに打撃与えれる人なんて世界探してもなかなかいないよ。僕は戦略的に彼に打撃与えれるけどね。よし、今から団長に打撃与えちゃおー!」
キースはミリアを椅子に座らせ、「ミリちゃんは座ってるだけでいいから」と言ってミリアの肩を揉み始めた。
「いやキースさんにそんな事してもらうなんて!」
「僕はテクニシャンだから疲れも痛みも取れちゃうよ、ね?ちょっとだけ」
少し強引だったが、言葉の通り彼の手は大きくて熱いのでお風呂で肩を揉んでもらっているような気持ちになり、ミリアも体の力が抜けていった。
「んん~~キースさんの、熱くて気持ちいいです~・・・」
「だいぶ解れてきたみたいだね。もう少し強く攻めてあげよう」
「ああん・・・キースさん!!」
「ああ・・・ミリちゃんの声腰にくる~」
ーバン!!ーーーーー
顔を真っ青にして部屋に入ってきたのはランドルフである。
「おま・・・おま・・・おまえら・・・職場で破廉恥なことを!!」
「ランドルフ騎士団長!すみません、仕事を始める前に少し休憩をしておりました。今すぐ取りかかります」
「団長さんは何か勘違いしたのかなぁ~(ニヤニヤ)」
ランドルフの顔は怒りと恥ずかしさで青から赤に変わり、「サボってないで仕事しろ!!」と言うと、キースは「はいはい」と言って部屋をそそくさと出ていった。
ランドルフはしかめっ面で席につき、乱暴に仕事を始めた。ミリアはその横で気まずそうに与えられた仕事をこなしていった。
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