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第二章:恋の芽
騎士団のお仕事
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ミリアは新しい短剣をガーターベルトに固定し、今日も侍女としての仕事へと向かった。ミリアは途中侍女長に呼ばれ、昼食後にシルベスターの執務室に向かうように言われたのだ。
ーコンコンーーー
「殿下、シャーロット様付き侍女のミリアさんがお越しです」
「ああ、入ってもらって」
「失礼します」
ミリアは執事であるシュバルツに部屋へと通された。
「やあ、ミリアちゃん、急に呼び出してごめんね!」
「いえ・・・」
「いやぁ、ミリアちゃん新しい帯剣の申請してたでしょ?ちょっと見せてよ」
「??は、はい。失礼します」
ミリアはスカートの中に手を入れ、ランドルフから貰った短剣をシルベスターに見せた。
「げほっ・・・ごほ、ごほ。ミリアちゃん、そんな堂々とスカートから・・・」
「??いけませんでしたか?」
「いや、いいんだ。ちょっと嫉妬しちゃう人もいるかな~なんて」
ミリアはそっと短剣をシルベスターに手渡した。それをまじまじと見たシルベスターははぁ、とため息をついた。
「いやぁ、執念を感じる剣だね。こんな素晴らしい短剣は見たことないよ」
「ランドルフ騎士団長には本当に良くしていただきました」
「うんうん、それでなんだけど、シャーロットの回りも最近落ち着いてきただろう?だからミリアちゃんには、午前だけブラン騎士団の事務の手伝いをしてほしいと思ってね」
「!?私がですか?」
「そうそう、あそこ脳筋ばっかだけだから、ちゃーんと予算とか計算できる人いないんだよー。ついでに騎士団の朝練に参加するといいよ。素晴らしい剣も貰ったんだし、体もきちんと鍛えとかないとでしょ?存分に練習してもらってたら、またシャーロットの護衛とかにも役にたつだろうしさ。大丈夫。ブラン騎士団員は口が固いから、女性である君が練習してるってことは口外しないように厳しく言っておくからさ」
(私なんかがやっていいのだろうか・・・)
女性の会計士は未だにいない。最近シャーロットを中心に働く女性を応援するプロジェクトが動いているのだが、なかなか浸透していかないのが現状である。シルベスターも進展しない女性の教育・労働体制に気を揉んでいるそうだ。そこで王城から徐々に浸透させようと、女性雇用を強化しているところだ。そんなミリアが騎士団の会計をするとは、かなり思いきったことなのである。
(シルベスター様やシャーロット様やの期待を裏切れない・・・)
「是非やらせてください」
「ミリアちゃんならそう言ってくれると思ったよ。じゃあ色々準備進めとくから、来週からさっそく頼むね」
「はい!」
ーコンコンーーー
「殿下、シャーロット様付き侍女のミリアさんがお越しです」
「ああ、入ってもらって」
「失礼します」
ミリアは執事であるシュバルツに部屋へと通された。
「やあ、ミリアちゃん、急に呼び出してごめんね!」
「いえ・・・」
「いやぁ、ミリアちゃん新しい帯剣の申請してたでしょ?ちょっと見せてよ」
「??は、はい。失礼します」
ミリアはスカートの中に手を入れ、ランドルフから貰った短剣をシルベスターに見せた。
「げほっ・・・ごほ、ごほ。ミリアちゃん、そんな堂々とスカートから・・・」
「??いけませんでしたか?」
「いや、いいんだ。ちょっと嫉妬しちゃう人もいるかな~なんて」
ミリアはそっと短剣をシルベスターに手渡した。それをまじまじと見たシルベスターははぁ、とため息をついた。
「いやぁ、執念を感じる剣だね。こんな素晴らしい短剣は見たことないよ」
「ランドルフ騎士団長には本当に良くしていただきました」
「うんうん、それでなんだけど、シャーロットの回りも最近落ち着いてきただろう?だからミリアちゃんには、午前だけブラン騎士団の事務の手伝いをしてほしいと思ってね」
「!?私がですか?」
「そうそう、あそこ脳筋ばっかだけだから、ちゃーんと予算とか計算できる人いないんだよー。ついでに騎士団の朝練に参加するといいよ。素晴らしい剣も貰ったんだし、体もきちんと鍛えとかないとでしょ?存分に練習してもらってたら、またシャーロットの護衛とかにも役にたつだろうしさ。大丈夫。ブラン騎士団員は口が固いから、女性である君が練習してるってことは口外しないように厳しく言っておくからさ」
(私なんかがやっていいのだろうか・・・)
女性の会計士は未だにいない。最近シャーロットを中心に働く女性を応援するプロジェクトが動いているのだが、なかなか浸透していかないのが現状である。シルベスターも進展しない女性の教育・労働体制に気を揉んでいるそうだ。そこで王城から徐々に浸透させようと、女性雇用を強化しているところだ。そんなミリアが騎士団の会計をするとは、かなり思いきったことなのである。
(シルベスター様やシャーロット様やの期待を裏切れない・・・)
「是非やらせてください」
「ミリアちゃんならそう言ってくれると思ったよ。じゃあ色々準備進めとくから、来週からさっそく頼むね」
「はい!」
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