秘密の師弟関係

ほのじー

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第一章:再会

茶会の裏側(前)Side:シルベスター

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ーーバン!!ーー


話は遡ること、今朝ミリアとランドルフのどたばた劇があった直後である。鬼の形相のランドルフがシルベスターの執務室に入ってきた。

「あ、ランドルフ。お前ミリアちゃんにちゃんと謝ったか」

部下たちが震え上がるランドルフの怒りをさらりと受け流そうとするシルベスターは手に持っていた書類を一旦置く。

「シルベスター、すべて説明しろ!」

公共の場ではシルベスターを殿下と呼んでいるランドルフであるが、二人だけの時は昔のようにシルベスターと名前で呼んでいる。幼少期からランドルフはシルベスターの友人であり、何でも伝えてくれていると思っていたが、今回、シルベスターがランドルフにミリアのことを何も報告しなかったことが、疑問であると共に、怒りを感じていた。

シルベスターは観念したようにすべての説明を行った。(ミリアが弟子だったことは言わなかったが)ランドルフの怒りは収まらないようで、さらに眉毛がつり上がっていく。

「理由は分かった。しかし、あの侍女をそんな危険に遇わせるとは・・・信じられん!!即刻中止しろ!!」
「ランドルフは絶対反対すると思ってたから言わなかったんだよ、でも今回ミリアちゃんのお陰で接触を図った奴らの居場所が分かったし、今後を思うと危険を伴っても実行するべきだと考えたんだ。ミリアちゃんにはちゃんとシャドウに見守らせてるし、大事には至らないと思うよ」

「・・・実行犯は分かったのか?」
「ミリアちゃんを襲った人たちのアジトは、なんとヴェール騎士団が追っていた裏で麻薬取引しているグループの麻薬製造場所でもあったことが分かったんだ。今からヴェール騎士団に向かわせて、ついでに指示をだしている奴の名前を吐かせるよ」
「・・・それ、俺が行ってくる」
「は?」

ランドルフは本気のようだ。シルベスターはランドルフが頑固で、なかなか引かないことを知っている。シルベスターは「ふぅ」ととため息をついた。

「・・・分かったよ。くれぐれも殺さずに、黒幕を吐かすんだよ。」
「ああ、分かっている」

(うわ~ランドルフ、こりゃガチでキレてるなぁ。あのランドルフに勝てる奴なんて世界中探してもいないだろうな~犯人さん、御愁傷様)

シルベスターは胸元で指を十字にクロスさせ、これからランドルフに歯向かおうとする奴らに少し同情した。

「影、ランドルフについてって逐一報告してくれ」
「御意」

サッと影が移動していくのが分かった。

(さあ、作戦変更しないきゃだめかもなぁ。ちょっと考え直すか)




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