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第一章:再会
正妃の執念
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(・・・??)
何も起こる気配はない。
なだらかにお茶会は進んでいく。第三王女に控えている侍女の顔が真っ青になっているように見えたが、その後も何事もなく茶会がとうとう終わろうとしたとき、正妃ベラが身を正した。
「皆さん、実は今朝この素敵なお茶会を毒を盛って害そうとしていた人がいるって聞いたのよ」
正妃の発言に皆がざわざわしだす。
「私や庭師達が苦労して作り上げているこの空間を醜い陰謀で汚そうとするなんて、私許せない。私の言っていること、分かるわよね。娘の侍女であるあなたよ、チャーミーさん」
先ほどから顔を青くしていたみつ編みの侍女がはっとして正妃と目を合わせた。
「あなたは、死なない程度の毒を私の娘のお茶に入れて、他の侍女達を脅してシャーロットのせいなるように仕組んでいたのよね」
その侍女はカタカタと震えだし、一歩後退る。
「チャーミー、あなた・・・なんでそんなこと!!嘘よね。嘘なのよね」
第三王女は悲痛に叫んだ。チャーミーは観念したようで、ポツポツと語りだした。
「・・・ある人にシャーロット様を貶めるよう手伝ってくれって言われたんです。私は嫌だって言ったのに、この毒は猛毒性はないから数日で回復するものだって聞いて。もしやらなかったら身寄りのない母と私には一切支援しないと言ってきて、それでしかたなく・・・」
するとチャーミーはそっと下着の中から小瓶を取り出し、その小瓶の中身を煽ろうとした。自害しようとしたのだ。
しかし正妃ベラの侍女二人が素早く彼女の腕を
掴み、小瓶を取り上げる。彼女らは意外と力がありそうだ。死んだほうがましだと叫ぶチャーミーの抵抗虚しく、彼女は憔悴したように下を向き連れていかれる。暫くして侍女達が戻ってきた。少しの沈黙のあと、シャーロットが発言する。
「・・・義母様、知っていたんですね」
「あら、私にも情報網はありましてよ。この茶会は皆さんに毎回楽しんでほしいもの。事件なんて起きたら禁止されちゃうじゃない。そんなの御免だわ」
しれっとベラは扇子で口元を隠した。その口元はニヤリと笑っているのか、その目は月型に細められた。
「このお茶会はね、綺麗な木や花に囲まれて、綺麗な皆さんで楽しんで貰えるように細部まで細かく計算しているのよ。男性の立ち入りを禁止しているのは、その風景にゴツゴツした男が入り込んだら台無しになっちゃうからなの。でもね。ここだけの話、今日はちょっと危険だったから、男が参加するのを許してあげたの」
皆がキョロキョロするが男性がいる様子はない。
「今私の後ろにたっているでしょ。この二人よ」
明らかに女性に見える二人は、よく見ると背が少し高く、長袖を着ているの体型があまり分からないようになっているが、思えば少しがっしりしているように思える。
「シルベスターがね、どうしてもって言うから私、女装できる綺麗な男性を連れてきなさいって言ったのよ。何人か面接してなんとか二人、見れなくもない騎士を選んだの、それから二人はわたしの本来の侍女に磨きあげてもらったのよ」
正妃ベラの侍女は一日で騎士二人を美女に変えてしまったのだ。ベラの執念は凄まじかった。
何も起こる気配はない。
なだらかにお茶会は進んでいく。第三王女に控えている侍女の顔が真っ青になっているように見えたが、その後も何事もなく茶会がとうとう終わろうとしたとき、正妃ベラが身を正した。
「皆さん、実は今朝この素敵なお茶会を毒を盛って害そうとしていた人がいるって聞いたのよ」
正妃の発言に皆がざわざわしだす。
「私や庭師達が苦労して作り上げているこの空間を醜い陰謀で汚そうとするなんて、私許せない。私の言っていること、分かるわよね。娘の侍女であるあなたよ、チャーミーさん」
先ほどから顔を青くしていたみつ編みの侍女がはっとして正妃と目を合わせた。
「あなたは、死なない程度の毒を私の娘のお茶に入れて、他の侍女達を脅してシャーロットのせいなるように仕組んでいたのよね」
その侍女はカタカタと震えだし、一歩後退る。
「チャーミー、あなた・・・なんでそんなこと!!嘘よね。嘘なのよね」
第三王女は悲痛に叫んだ。チャーミーは観念したようで、ポツポツと語りだした。
「・・・ある人にシャーロット様を貶めるよう手伝ってくれって言われたんです。私は嫌だって言ったのに、この毒は猛毒性はないから数日で回復するものだって聞いて。もしやらなかったら身寄りのない母と私には一切支援しないと言ってきて、それでしかたなく・・・」
するとチャーミーはそっと下着の中から小瓶を取り出し、その小瓶の中身を煽ろうとした。自害しようとしたのだ。
しかし正妃ベラの侍女二人が素早く彼女の腕を
掴み、小瓶を取り上げる。彼女らは意外と力がありそうだ。死んだほうがましだと叫ぶチャーミーの抵抗虚しく、彼女は憔悴したように下を向き連れていかれる。暫くして侍女達が戻ってきた。少しの沈黙のあと、シャーロットが発言する。
「・・・義母様、知っていたんですね」
「あら、私にも情報網はありましてよ。この茶会は皆さんに毎回楽しんでほしいもの。事件なんて起きたら禁止されちゃうじゃない。そんなの御免だわ」
しれっとベラは扇子で口元を隠した。その口元はニヤリと笑っているのか、その目は月型に細められた。
「このお茶会はね、綺麗な木や花に囲まれて、綺麗な皆さんで楽しんで貰えるように細部まで細かく計算しているのよ。男性の立ち入りを禁止しているのは、その風景にゴツゴツした男が入り込んだら台無しになっちゃうからなの。でもね。ここだけの話、今日はちょっと危険だったから、男が参加するのを許してあげたの」
皆がキョロキョロするが男性がいる様子はない。
「今私の後ろにたっているでしょ。この二人よ」
明らかに女性に見える二人は、よく見ると背が少し高く、長袖を着ているの体型があまり分からないようになっているが、思えば少しがっしりしているように思える。
「シルベスターがね、どうしてもって言うから私、女装できる綺麗な男性を連れてきなさいって言ったのよ。何人か面接してなんとか二人、見れなくもない騎士を選んだの、それから二人はわたしの本来の侍女に磨きあげてもらったのよ」
正妃ベラの侍女は一日で騎士二人を美女に変えてしまったのだ。ベラの執念は凄まじかった。
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