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第一章:再会
二回目の拘束
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四半期に一度、王妃が開催するこのお茶会は、男子禁制である。必然的にこの茶会の警備は手薄になってしまうのだ。お茶会に招かれているのは王妃と第二王女含め十二人。そこに侍女が一人ずつ控えている。シャーロットに付いていく侍女はもちろんミリアである。
ミリアはシャーロットの部屋に行く前にすたすたと廊下を歩いていると、シルベスターが立ち止まり白衣を着た男と会話しているようだった。その後シルベスターとチラッと目が合い、シルベスターは一緒に話していた男と話が終わったのか別の方向に去っていった。
「お嬢さん、ハンカチ落ちましたよ」
先ほどシルベスターと話していた男が屈んでハンカチを拾い、ミリアに手渡した。姿勢が悪く顔色も悪そうだったので老人かと思ったが、よく見ると意外と若そうな顔立ちをしていた。もしかすると二十代なのかもしれない。
「ありがとうございます」
「いえ」
ミリアはハンカチをポケットにしまい、白衣の男はそう言って去っていった。
廊下を進み、角を曲がるとふと後ろからのかすかな殺気に気づいた。
「ぐぅっ・・・!」
気づいたときには遅く、口を手で塞がれ引きずられて一室に連れ込まれ、手を拘束されたまま硬い床に乱暴にうつ伏せの格好にさせられた。
「はぁ・・・はぁ」
「お前、何者だ」
ミリアは聞き覚えのある声にギクッとした。
(!?師匠・・・!?)
「さっき白衣の男と何か交換していたな、何をしていた」
「ハンカチを拾っていただいただけです!」
ダンーー!!
拳がミリアの目の前を掠め、床にヒビが入る。
(鉄製の床にヒビが入ったんですけど・・・!!どんだけ怪力なんですかー!!)
「嘘言うな!ビンのようなものを手渡してるのをこの目でみたぞ」
(ど、どうごまかそう。師匠て前から目がめっちゃ良いもんな・・・)
その後ランドルフはミリアをその部屋にあった硬い紐で拘束した。二十四時間以内に二回も拘束されるとはミリアも運がないと言える。しかも今回の縛り方は複雑で色々なところで紐がクロスしてあり、身動き一つできない。
ランドルフはミリアの服をまさぐり、ポケットからハンカチと小瓶を取り出した。
「この小瓶はなんなんだ」
「・・・ただの栄養材です」
ヒュッ!!
ミリアの目の前に剣の先が掠める。
「嘘をつくな。お前は前から怪しいと思ってたんだ。パーティー会場でのお前の身のこなしの良さも不自然だった、それと今お前の手の触りごこち。この手は剣を触る奴の手だ」
「たまたま護身術を少々習っていただけです・・・」
ランドルフは服に他にポケットがないか調べた後、さらにスカートの中に手を入れごそごそと太ももをまさぐった。
「ーーーなっ!!!」
ミリアは赤面し反抗しようとしたが、拘束によって動くとヒリヒリとした痛みが襲う。ランドルフはミリアが太もものガーターベルトに隠していた短剣を探り当てた。
「やっぱり隠していたか」
ーーーバンー!!
「ミリアちゃ~ん、大丈夫!?」
ランドルフの殺気が急激に膨れ上がる。その殺気にミリアは当てられ手が震えそうになる。そんな絶体絶命の場面に、緊張感なく第一王子であるシルベスターが入ってきた。
ミリアはシャーロットの部屋に行く前にすたすたと廊下を歩いていると、シルベスターが立ち止まり白衣を着た男と会話しているようだった。その後シルベスターとチラッと目が合い、シルベスターは一緒に話していた男と話が終わったのか別の方向に去っていった。
「お嬢さん、ハンカチ落ちましたよ」
先ほどシルベスターと話していた男が屈んでハンカチを拾い、ミリアに手渡した。姿勢が悪く顔色も悪そうだったので老人かと思ったが、よく見ると意外と若そうな顔立ちをしていた。もしかすると二十代なのかもしれない。
「ありがとうございます」
「いえ」
ミリアはハンカチをポケットにしまい、白衣の男はそう言って去っていった。
廊下を進み、角を曲がるとふと後ろからのかすかな殺気に気づいた。
「ぐぅっ・・・!」
気づいたときには遅く、口を手で塞がれ引きずられて一室に連れ込まれ、手を拘束されたまま硬い床に乱暴にうつ伏せの格好にさせられた。
「はぁ・・・はぁ」
「お前、何者だ」
ミリアは聞き覚えのある声にギクッとした。
(!?師匠・・・!?)
「さっき白衣の男と何か交換していたな、何をしていた」
「ハンカチを拾っていただいただけです!」
ダンーー!!
拳がミリアの目の前を掠め、床にヒビが入る。
(鉄製の床にヒビが入ったんですけど・・・!!どんだけ怪力なんですかー!!)
「嘘言うな!ビンのようなものを手渡してるのをこの目でみたぞ」
(ど、どうごまかそう。師匠て前から目がめっちゃ良いもんな・・・)
その後ランドルフはミリアをその部屋にあった硬い紐で拘束した。二十四時間以内に二回も拘束されるとはミリアも運がないと言える。しかも今回の縛り方は複雑で色々なところで紐がクロスしてあり、身動き一つできない。
ランドルフはミリアの服をまさぐり、ポケットからハンカチと小瓶を取り出した。
「この小瓶はなんなんだ」
「・・・ただの栄養材です」
ヒュッ!!
ミリアの目の前に剣の先が掠める。
「嘘をつくな。お前は前から怪しいと思ってたんだ。パーティー会場でのお前の身のこなしの良さも不自然だった、それと今お前の手の触りごこち。この手は剣を触る奴の手だ」
「たまたま護身術を少々習っていただけです・・・」
ランドルフは服に他にポケットがないか調べた後、さらにスカートの中に手を入れごそごそと太ももをまさぐった。
「ーーーなっ!!!」
ミリアは赤面し反抗しようとしたが、拘束によって動くとヒリヒリとした痛みが襲う。ランドルフはミリアが太もものガーターベルトに隠していた短剣を探り当てた。
「やっぱり隠していたか」
ーーーバンー!!
「ミリアちゃ~ん、大丈夫!?」
ランドルフの殺気が急激に膨れ上がる。その殺気にミリアは当てられ手が震えそうになる。そんな絶体絶命の場面に、緊張感なく第一王子であるシルベスターが入ってきた。
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