秘密の師弟関係

ほのじー

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第一章:再会

拘束

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「ぅう~ん」


目を開けるとランプがひとつだけ点いた薄暗い寝室らしき部屋の中心に椅子が一つ。腕を縛りつけられミリアは拘束されていた。


(眠らされた?ここはどこ・・)



何か薬を飲まされたのか、意識がはっきりするまでしばらく時間を要した。
そして意識がはっきりしてきたところで浅黒い肌のターバンを着けた男性が入ってくる。



「起きたのか。どうだ、目覚めは」
「・・・こんな風に連れてこられて目覚め良いと思う?」



ミリアは不機嫌に唾を男の顔に吐きつける。そして男はゆっくりと右手の甲で顔を拭う。


「威勢のいい嬢ちゃんじゃねえか。いつまで持つかな」
「ふんっ、早くこの縄をときなさい!」



ガチャッ



部屋のドアが開く。ツルリとした肌触りの大きな生地を前でクロスして紐で縛った寝間着(東国では浴衣と言われるそうだ)を羽織ったサブリナが部屋に入ってきた。



「ごめんなさいね、ミリアさん。こんな無理やり連れてきたくはなかったのだけど、上の命令で逆らえなかったのよ」
「なんでこんなことを・・・」
「ミリアさんには副業として仕事してもらおうと思ったけれど、断られちゃったから。それなら無理やりやらすしかないじゃない。まぁせいぜい頑張ってね。ミリアさん」


手をプラプラとふりながらサブリナは去っていった。


ターバンの男はその後懐から透明に近い白色の液体が入った小瓶を取り出した。



「あんたにやってもらいたいことは、明日、王妃主宰のお茶会でこのビンを第二王女の服に忍ばせること。そして毒を飲んだ人物が病室に運ばれた後に、“第二王女が怪しいビンを持っていたところを見た”って言ってくれればいいだけだ」
「シャーロット様をはめようっての?」
「殺すわけじゃないし、そんな難しいことじゃないだろう?」
「そんなことするわけないでしょ!?」



ミリアは断固拒否する。ターバンの男はかがみこみ、ミリアに目線を合わせ、子供を諭すように語りだす。


「嬢ちゃん、今頃お前の家の中に不審者が入ってるだろうよ。間違って嬢ちゃんの弟、傷つけちゃうかもなぁ~?仲良しなんだろ?」
「くっ・・・エドには何もするな!!」
「そろそろ捕まってるだろうから、鞭で何回もひっぱたいて拷問しようかな、それとも水責めで苦しめようかなぁ・・・」


この仕事は危険が伴うと分かっていたが、まさかエドアルドにまで危害を加えるとは想定外だった。


「・・・わかった、わかったからエドには手を出さないでくれ」
「いい子だ。でもまぁ、お前の仕事が終わるまでお前の弟は監視させるからな。王城に協力者が複数いるし。誰かに言ったら弟の命はないと思えよ。あと、それまで弟とは接触禁止するからな」
「・・・わかった」



そして男から計画の詳細を聞き、ミリアの拘束は解けた。その日はその部屋で一夜を終え、次の日の朝その部屋から出ることができたのだった。
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