秘密の師弟関係

ほのじー

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第一章:再会

サイド:シルベスター&シャーロット

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一方、その頃ーーーーー

シルベスターはシャーロットに庭園で重要な連絡事項を伝え終え、最近侍女となったミリアについての話にシフトしていった。

「ぐふっ。ランドルフの奴ミリアちゃんが弟子だったって事気づいてないみたいだな」
「ふふふ、そうみたいですわねお兄様。でもミリアさんのこと少し気にしてるわよ。ほら、今もランドルフ騎士団長ちらちらミリアさんのこと見てるもの」

シルベスターはランドルフをそっと見ると確かにミリアの方を気にしているようだった。するとミリアと目が合ってしまったので、誤魔化すようにウインクをする。

シルベスターはシャーロットを狙っているのは城内の人間、しかもかなりシャーロットに近い人物に協力者がいると考えている。シャーロットのお茶に猛毒チリヌスが微量だが仕込まれていた際も毒味係が直前に毒味したにもかかわらず、シャーロットの手に渡ってしまった。幸運にもシャーロットは匂いに気付き、お茶を飲むことはなかった。毒味係を疑ったが彼女に不審な動きは一切なく、この猛毒チリヌスは素手で触れない為、ビンなどの容器が見つかるはずなのに彼女の回りのどこからも証拠は見つからなかった。

「でもまあミリアちゃんが来てくれたし、シャーロットの問題はすぐに解決しそうだな。まぁ少しミリアちゃんに危険が伴っちゃうけどね」
「それにしてもお兄様ったら意地悪ね。ランドルフ騎士団長にミリアさんのことも何もお伝えしないなんて・・・」

シルベスターとシャーロットはミリアについての背景は全て調査済みで、彼女が幼少期に男装をしていたことも、ランドルフの元で剣を習っていたことも全て知っている。そしてこのシャーロットの回りで起こっている事件に関してもシャーロット、シルベスター、ミリア、そして信頼のできる数人のみが知ることである。ランドルフは信頼しているので伝えてもよかったが、ミリアを関わらせるにあたり、女性に危ない役割を与えると知ったら反対されると思い、とりあえず黙っていようと思ったのだ。

「くっくっく。ランドルフが当時可愛がってた弟子のエドがミリアちゃんのことだって気づいたら絶対びっくりするだろうなぁ?あの冷静な鉄仮面のランドルフがびっくりする顔、是非とも拝みたいけど、変なところ鈍感なあいつが果たして気づくかな~」
「うふふふ、私はさきほどお兄様がランドルフ騎士団長をミリアさんに紹介したとき、ミリアさんの無表情なお顔が崩れかけた瞬間を見てもう笑いをこらえるのが大変でしたわ~~」
「ふっ、あの二人意外とお似合いかもな」
「あら!男だと思っていた弟子が実は心惹かれる女性でした。なんて、とってもスキャンダラスだわ~~!」

そんな会話が行われていたことなど、ミリアもランドルフも知るよしもない。
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