8 / 121
第一章:再会
日常
しおりを挟む
ーーミリアの記憶が走馬灯のように蘇ってくる
(少し顔に深みが増してるけど、間違いない、師匠だ)
「こいつはブラン騎士団長で僕の友人でもある、ランドルフ=ハーバード。よく僕の護衛に就いてくれるから、彼のことも宜しく頼むよ」
第一王子シルベスターが師匠であるランドルフを紹介すると、師匠はミリアのことをじっと見つめ、騎士らしい姿勢でミリアに礼をする。
「ランドルフだ。宜しく」
「・・・はい、ミリアです。宜しくお願い致します」
ミリアは師匠にばれるのではないかとドキドキしながら挨拶するが、あっさりと挨拶を済ませ、庭園へと向かった。彼はミリアに全く気づいていないようだ。それもそれで少し悲しいが、気づかれると不味いのでひとまず安心だ。
(師匠、さらにかっこよくなってるなぁ)
元々端正な顔をしていたのだが、年齢も加わり、何か近寄りがたいような、強そうなのにどこか哀愁が漂っている様子で、そこがまた女性にウケそうだ。
今日シャーロットが部屋を出る際に付く騎士ペータ(彼もブラン騎士団の一員である)と共に庭園から少し離れた位置に控える。そしてその横には第一王子付きの騎士と侍女長が控えていた。
この国の騎士団を説明すると
ブラン騎士団は主に王城内の警備や王族の警護をする部隊
ノアール騎士団は主に国外との衝突時に動く部隊
ルージュ騎士団は主に国内での衝突時に動き、戦争が起こっている場合にノアール騎士団の後方支援を行う部隊
ヴェール騎士団は主に国内の警備や犯罪の取り締まり、そして災害時の避難誘導などを行う部隊
この4つの騎士団で形成されている。
なのでシルベスターやシャーロットが部屋を出る際には城内でも常にブラン騎士団の騎士が一人か二人控えているのである。
警護対象であるシャーロットとシルベスターは、庭園の真ん中にある椅子に座り、楽しそうに話に花を咲かせているようだ。ミリアたちは少し離れた位置に控えているのでくすくすと笑い声は聞こえるが、はっきりと何を話しているんのかは聞こえない。
するとシルベスターはミリアの方に視線を向け、ウインクをしてきたように見えた。ふと横を見るとランドルフと目が合ってしまったのでサッと顔を反らしシルベスターとシャーロットの様子を観察していた。
(少し顔に深みが増してるけど、間違いない、師匠だ)
「こいつはブラン騎士団長で僕の友人でもある、ランドルフ=ハーバード。よく僕の護衛に就いてくれるから、彼のことも宜しく頼むよ」
第一王子シルベスターが師匠であるランドルフを紹介すると、師匠はミリアのことをじっと見つめ、騎士らしい姿勢でミリアに礼をする。
「ランドルフだ。宜しく」
「・・・はい、ミリアです。宜しくお願い致します」
ミリアは師匠にばれるのではないかとドキドキしながら挨拶するが、あっさりと挨拶を済ませ、庭園へと向かった。彼はミリアに全く気づいていないようだ。それもそれで少し悲しいが、気づかれると不味いのでひとまず安心だ。
(師匠、さらにかっこよくなってるなぁ)
元々端正な顔をしていたのだが、年齢も加わり、何か近寄りがたいような、強そうなのにどこか哀愁が漂っている様子で、そこがまた女性にウケそうだ。
今日シャーロットが部屋を出る際に付く騎士ペータ(彼もブラン騎士団の一員である)と共に庭園から少し離れた位置に控える。そしてその横には第一王子付きの騎士と侍女長が控えていた。
この国の騎士団を説明すると
ブラン騎士団は主に王城内の警備や王族の警護をする部隊
ノアール騎士団は主に国外との衝突時に動く部隊
ルージュ騎士団は主に国内での衝突時に動き、戦争が起こっている場合にノアール騎士団の後方支援を行う部隊
ヴェール騎士団は主に国内の警備や犯罪の取り締まり、そして災害時の避難誘導などを行う部隊
この4つの騎士団で形成されている。
なのでシルベスターやシャーロットが部屋を出る際には城内でも常にブラン騎士団の騎士が一人か二人控えているのである。
警護対象であるシャーロットとシルベスターは、庭園の真ん中にある椅子に座り、楽しそうに話に花を咲かせているようだ。ミリアたちは少し離れた位置に控えているのでくすくすと笑い声は聞こえるが、はっきりと何を話しているんのかは聞こえない。
するとシルベスターはミリアの方に視線を向け、ウインクをしてきたように見えた。ふと横を見るとランドルフと目が合ってしまったのでサッと顔を反らしシルベスターとシャーロットの様子を観察していた。
10
お気に入りに追加
796
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
【完結】街一番の有名人は、薬草クッキーがお好き
青空爽
恋愛
レノンは武器屋の一角にスペースを借りてクッキー屋さんを営んでいる。そのクッキーをよく買いに来てくれる常連さんがいた。その人の名前はゼルバと言い、泣く子も黙るSランク冒険者だ。今日もクッキーを買いに来てくれたのでいつも通り接客していたら、突然ゼルバに告白されてーー!?
真面目なゼルバとちょっと気弱なレノンの恋のお話です。不定期更新。小説家になろう様でも投稿しています。宜しくお願いします。
【完結】ちびっ子元聖女は自分は成人していると声を大にして言いたい
かのん
恋愛
令嬢に必要な物は何か。優雅さ?美しさ?教養?どれもこれも確かに必要だろう。だが、そうではない。それがなければ、見向きもされず、それがなければ、壁の花にすらなれない。それとはなにか。ハッキリ言おう。身長である!!!
前世聖女であったココレットが、今世は色恋に花を咲かせようと思っていた。しかし、彼女には今世身長が足りなかった。
これは、自分は成人していると声を大にして言いたい元聖女のはじまりの話。
書きたくなって書いた、勢いと思いつきのお話です。それでも良い方はお読みください。
薄幸の王女は隻眼皇太子の独占愛から逃れられない
宮永レン
恋愛
エグマリン国の第二王女アルエットは、家族に虐げられ、謂れもない罪で真冬の避暑地に送られる。
そこでも孤独な日々を送っていたが、ある日、隻眼の青年に出会う。
互いの正体を詮索しない約束だったが、それでも一緒に過ごすうちに彼に惹かれる心は止められなくて……。
彼はアルエットを幸せにするために、大きな決断を……!?
※Rシーンにはタイトルに「※」印をつけています。
忘れられた薔薇が咲くとき
ゆる
恋愛
貴族として華やかな未来を約束されていた伯爵令嬢アルタリア。しかし、突然の婚約破棄と追放により、その人生は一変する。全てを失い、辺境の町で庶民として生きることを余儀なくされた彼女は、過去の屈辱と向き合いながらも、懸命に新たな生活を築いていく。
だが、平穏は長く続かない。かつて彼女を追放した第二王子や聖女が町を訪れ、過去の因縁が再び彼女を取り巻く。利用されるだけの存在から、自らの意志で運命を切り開こうとするアルタリア。彼女が選ぶ未来とは――。
これは、追放された元伯爵令嬢が自由と幸せを掴むまでの物語。ざまあ要素たっぷりの胸がすくような展開と、新たな一歩を踏み出す彼女の成長を描きます!
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
ただ貴方の傍にいたい〜醜いイケメン騎士と異世界の稀人
花野はる
恋愛
日本で暮らす相川花純は、成人の思い出として、振袖姿を残そうと写真館へやって来た。
そこで着飾り、いざ撮影室へ足を踏み入れたら異世界へ転移した。
森の中で困っていると、仮面の騎士が助けてくれた。その騎士は騎士団の団長様で、すごく素敵なのに醜くて仮面を被っていると言う。
孤独な騎士と異世界でひとりぼっちになった花純の一途な恋愛ストーリー。
初投稿です。よろしくお願いします。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる