秘密の師弟関係

ほのじー

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第一章:再会

再会

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「シャーロット様、本日のドレスはどれに致しましょうか」

第二王女であるシャーロットと第一王子であるシルベスターは毎週必ず庭園でお茶をしながら報告会をするそうだ。

「そうねぇ、お兄様が褒めて下さった水色のドレスにしようかしら」

サッと先輩侍女サブリナがクローゼットに移動し、水色で腰のあたりからふんわりと広がるベルラインのドレスを持ってくる。ミリアはドレスに針など何も刺さっていないことを確認してから背中に付いている大きめのリボンをキュッと結んだ。

「シャーロット様、シルベスター様がお迎えにいらっしゃいましたよ」

侍女長が第一王子の迎えを知らせに部屋に入ってくる。

「さぁ、参りましょうか」


ミリアは気持ちを引き締め、シャーロットの斜め後ろに控え、廊下に出た。

「やぁ、シャーロット。今日はこの水色ドレスを着てきてくれたのかい」

スラリと長い腕を大袈裟に広げ、太陽によってキラキラと反射している黄金色の髪を靡かせて迎えにきたのが、次期国王となる第一王子シルベスターだ。

「ええ、お兄様がこのドレスを褒めてくださったから、またこれを着てきたの」

シャーロットは本当に嬉しそうにクルリと体を一周させてドレスの裾をつまみ上げた。そんなシャーロットを第一王子は微笑ましく見ていたが、ふっと後ろに控えていたミリアの事に気づく。

「ああ、君があの新しく入ったシャーロットの侍女だね」

「は、はい。ミリアと申します。どうぞ宜しくお願いします殿下」

急に話を振られてミリアは声が少し上擦ってしまったが、一呼吸し体勢を整え、侍女らしく控えめにさっとお辞儀をする。

「ははは、そんな緊張することはないよ。へぇ、シャーロットにこんな綺麗な侍女が付いたんだね、羨ましいなぁ。ミリアちゃん、私の事はシルベスターと呼んでくれ。シャーロットのこと宜しく頼むよ」


「恐れ入ります」


するとシャーロットはふんわりと私の腕に抱きつきながら口を尖らせた。



「私とミリアはとっても仲良くなれそうですの。お兄様もミリアを気に入ったようですけど、お兄様には貸してさしあげませんからね!!」


ーーーキュンッ



シャーロットの可愛らしい言葉に口がにやつきそうになったものの、ふっと第一王子の横にいる男性に目が入った。




ミリアは目を見開く。




(し、師匠・・・・・・!!??)




そこにいたのは、弟の服を借り男装していた時代、剣を習っていた道場の師匠であった。
    
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