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シュバルツとライトの会話
しおりを挟む「え~!!まだキスもしてないの!?」
「・・・私はセナの命を助けるために夫婦になった訳で・・・セナに何も夫婦としての関係を強要したい訳ではない」
セナを保護するため、幸せのためには愛人を迎えるのもやぶさかではないとのライトの発言に、ウイスキーを片手にもっていたシュバルツが驚いて落としそうになっている。
「はぁ?お前彼女好きなん、まじで気がつてないの?セナちゃんのこと・・・今もセナちゃんに早く会いたいから僕に早く帰れって顔してるじゃないか」
「・・・そ、そんなことは決して・・・」
(彼女との関係は、友情・・・?いや、その言葉は違うな。同士・・・いや違う)
「あーあ、二十五歳にもなって初恋とか面倒でしかないなぁ」
シュバルツはやれやれと首を振っている。ライトはこれ以上シュバルツに何を言っても反論できないと思い黙りこんだ。
「本当にセナちゃんに愛人ができてもいいと思ってるの?そんなんだね」
「・・・ああ。彼女が幸せなら」
「ふぅ~ん、そうか・・・。じゃあこれ、言ってもいいのかな。実は最近ダラス共和国の戦士で捕虜から解放された奴が彼女に会わせろってしつこいのがいるんだよね。そいつがセナちゃんの婚約者だったって言うんだ」
(なんだって・・・)
「そう言うなら会わせてもいいよね」
「・・・それが本当であれば・・・構わないが」
(セナには、婚約者がいたのか・・・二人は愛し合っていた?)
ぐるぐるとライトは思考を巡らした。もし二人が本当に愛し合っているのであれば、ライトは邪魔者である。
──パリン──
力を入れすぎてライトの握っていたウイスキーの入ったグラスは粉々に割れてしまう。
「ちょ、ちょっとライト・・そんな鬼みたいな顔して、本当に気づいてないのかよ!!こわっ!!」
シュバルツの目はライトを残念な奴だと哀れんでいる。髪を掻きあげ、これ以上言っても無駄だとシュバルツは判断した。
「じゃ、僕は帰るとするか。また、そいつ一回連れて行くから会わせてみよう」
「ああ・・・分かった」
シュバルツはそう言ってそそくさと帰っていった。
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