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ガイル⑩
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会場に入ると皆の視線が突き刺さる。ガイルは国の英雄と呼ばれた男で、名もほとんど知られていない男爵が一代限りといっても伯爵位を国王に頂いたと時の人となった。しかし軍の中では「無謀な賭けに出て勝った男」と陰口を叩かれていることを知っている。
(懐かしい顔ぶれもあるな・・・)
サラはレイラとチャーリーをダンスに送りとどけ、たどだとしい二人のダンスを微笑ましく見ていた。知り合いと何人か挨拶していたのだが、もうほどんどガイルは軍に関与していなかったので軍人たちはガイルに近づこうとはしなかった。しかし一人だけガイルに話しかける者がいた。
「シーガル伯爵、お久しぶりです」
「ランクス少佐、久しぶりだな」
「実は最近、大佐になりました」
「おお、そうだったか、すまん。昇格おめでとう」
「ありがとうございます」
ランクスはガイルの作戦から生き残った人間の一人である。ガイルが表彰をされ伯爵位を貰ってから一度も会っていなかったが、彼はヴェール伯爵に気に入られ、出世コースを順調に進めているようだ。
「さすがシーガル伯爵、綺麗な方を同伴されていますね」
「あ、ああ。レディ、こちら昔の部下でランクスだ」
「はじめまして、サラ・ノートンです」
「はじめまして・・・て、あれ?どこかで見たことあるような・・・」
サラは引きつった笑みを浮かべた。サラに力が入り、組んでいたガイルの腕に彼女の指が食い込んだ。
(知り合いか?)
「いやぁ、死んだ元上司がたまに見せてくれた奥さんの写真にそっくりで・・・勘違いですね、失礼しました」
「そ、そうですか」
「その人もサラって名前だった気がします。いやぁ、瓜二つってやつですね。彼の奥さんも貴方のように美しくて記憶に残ってたんです」
その後もランクスが陽気にガイルとサラに話をしていたが、ガイルはサラの様子が気になった。
「サラ・・・?」
小声で彼女に囁くが、彼女はガイルを見て目を反らせた。明らかに動揺している様子でガイルはサラを庭に連れていった。庭のベンチに腰掛け、ガイルはサラの様子を伺った。
「大丈夫か、サラ」
「え、ええ。少し人に酔ってしまって・・・」
「無理するな」
遠くから軽快なダンスの音が聞こえてくる。しばらくその音楽を静かに聴いていた。しかしサラが寂しげで熱の籠った顔をガイルに向けているにに気づく。ガイルはサラの頬を触り顔を近づけると、彼女は目を瞑った。
「ん・・・」
──クチュ──
サラのキスは以前より積極的で、ガイルは彼女に答えるように彼女に熱を渡す。どこか寂しそうで壊れそうな雰囲気に気付きガイルはサラの欲望を満たそうと彼女の口内を何度も往復した。
「口を・・・開けろ」
ガイルは口に溜まった唾液を彼女の中にトロリと流し込んだ。口を開きながら恍惚した表情を浮かべる彼女はいやらしくもあり美しい。彼女の下半身がもぞもぞと動きだし、彼女も興奮しているのだと分かる。
「こんな人の家の庭で・・・興奮してるのか」
「・・・違っ」
サラは顔を真っ赤にしながらうつ向いた。ガイルはサラの先ほどの辛そうな表情が消えてホッとした。
「じゃあ、スカートを捲って証明しろ」
「え・・・」
「興奮してなかったら下着は濡れてないだろう?確認だ」
サラはゴクリと唾を飲み込み、スカートを遠慮がちに捲った。
(懐かしい顔ぶれもあるな・・・)
サラはレイラとチャーリーをダンスに送りとどけ、たどだとしい二人のダンスを微笑ましく見ていた。知り合いと何人か挨拶していたのだが、もうほどんどガイルは軍に関与していなかったので軍人たちはガイルに近づこうとはしなかった。しかし一人だけガイルに話しかける者がいた。
「シーガル伯爵、お久しぶりです」
「ランクス少佐、久しぶりだな」
「実は最近、大佐になりました」
「おお、そうだったか、すまん。昇格おめでとう」
「ありがとうございます」
ランクスはガイルの作戦から生き残った人間の一人である。ガイルが表彰をされ伯爵位を貰ってから一度も会っていなかったが、彼はヴェール伯爵に気に入られ、出世コースを順調に進めているようだ。
「さすがシーガル伯爵、綺麗な方を同伴されていますね」
「あ、ああ。レディ、こちら昔の部下でランクスだ」
「はじめまして、サラ・ノートンです」
「はじめまして・・・て、あれ?どこかで見たことあるような・・・」
サラは引きつった笑みを浮かべた。サラに力が入り、組んでいたガイルの腕に彼女の指が食い込んだ。
(知り合いか?)
「いやぁ、死んだ元上司がたまに見せてくれた奥さんの写真にそっくりで・・・勘違いですね、失礼しました」
「そ、そうですか」
「その人もサラって名前だった気がします。いやぁ、瓜二つってやつですね。彼の奥さんも貴方のように美しくて記憶に残ってたんです」
その後もランクスが陽気にガイルとサラに話をしていたが、ガイルはサラの様子が気になった。
「サラ・・・?」
小声で彼女に囁くが、彼女はガイルを見て目を反らせた。明らかに動揺している様子でガイルはサラを庭に連れていった。庭のベンチに腰掛け、ガイルはサラの様子を伺った。
「大丈夫か、サラ」
「え、ええ。少し人に酔ってしまって・・・」
「無理するな」
遠くから軽快なダンスの音が聞こえてくる。しばらくその音楽を静かに聴いていた。しかしサラが寂しげで熱の籠った顔をガイルに向けているにに気づく。ガイルはサラの頬を触り顔を近づけると、彼女は目を瞑った。
「ん・・・」
──クチュ──
サラのキスは以前より積極的で、ガイルは彼女に答えるように彼女に熱を渡す。どこか寂しそうで壊れそうな雰囲気に気付きガイルはサラの欲望を満たそうと彼女の口内を何度も往復した。
「口を・・・開けろ」
ガイルは口に溜まった唾液を彼女の中にトロリと流し込んだ。口を開きながら恍惚した表情を浮かべる彼女はいやらしくもあり美しい。彼女の下半身がもぞもぞと動きだし、彼女も興奮しているのだと分かる。
「こんな人の家の庭で・・・興奮してるのか」
「・・・違っ」
サラは顔を真っ赤にしながらうつ向いた。ガイルはサラの先ほどの辛そうな表情が消えてホッとした。
「じゃあ、スカートを捲って証明しろ」
「え・・・」
「興奮してなかったら下着は濡れてないだろう?確認だ」
サラはゴクリと唾を飲み込み、スカートを遠慮がちに捲った。
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