21 / 39
ガイル⑩
しおりを挟む
会場に入ると皆の視線が突き刺さる。ガイルは国の英雄と呼ばれた男で、名もほとんど知られていない男爵が一代限りといっても伯爵位を国王に頂いたと時の人となった。しかし軍の中では「無謀な賭けに出て勝った男」と陰口を叩かれていることを知っている。
(懐かしい顔ぶれもあるな・・・)
サラはレイラとチャーリーをダンスに送りとどけ、たどだとしい二人のダンスを微笑ましく見ていた。知り合いと何人か挨拶していたのだが、もうほどんどガイルは軍に関与していなかったので軍人たちはガイルに近づこうとはしなかった。しかし一人だけガイルに話しかける者がいた。
「シーガル伯爵、お久しぶりです」
「ランクス少佐、久しぶりだな」
「実は最近、大佐になりました」
「おお、そうだったか、すまん。昇格おめでとう」
「ありがとうございます」
ランクスはガイルの作戦から生き残った人間の一人である。ガイルが表彰をされ伯爵位を貰ってから一度も会っていなかったが、彼はヴェール伯爵に気に入られ、出世コースを順調に進めているようだ。
「さすがシーガル伯爵、綺麗な方を同伴されていますね」
「あ、ああ。レディ、こちら昔の部下でランクスだ」
「はじめまして、サラ・ノートンです」
「はじめまして・・・て、あれ?どこかで見たことあるような・・・」
サラは引きつった笑みを浮かべた。サラに力が入り、組んでいたガイルの腕に彼女の指が食い込んだ。
(知り合いか?)
「いやぁ、死んだ元上司がたまに見せてくれた奥さんの写真にそっくりで・・・勘違いですね、失礼しました」
「そ、そうですか」
「その人もサラって名前だった気がします。いやぁ、瓜二つってやつですね。彼の奥さんも貴方のように美しくて記憶に残ってたんです」
その後もランクスが陽気にガイルとサラに話をしていたが、ガイルはサラの様子が気になった。
「サラ・・・?」
小声で彼女に囁くが、彼女はガイルを見て目を反らせた。明らかに動揺している様子でガイルはサラを庭に連れていった。庭のベンチに腰掛け、ガイルはサラの様子を伺った。
「大丈夫か、サラ」
「え、ええ。少し人に酔ってしまって・・・」
「無理するな」
遠くから軽快なダンスの音が聞こえてくる。しばらくその音楽を静かに聴いていた。しかしサラが寂しげで熱の籠った顔をガイルに向けているにに気づく。ガイルはサラの頬を触り顔を近づけると、彼女は目を瞑った。
「ん・・・」
──クチュ──
サラのキスは以前より積極的で、ガイルは彼女に答えるように彼女に熱を渡す。どこか寂しそうで壊れそうな雰囲気に気付きガイルはサラの欲望を満たそうと彼女の口内を何度も往復した。
「口を・・・開けろ」
ガイルは口に溜まった唾液を彼女の中にトロリと流し込んだ。口を開きながら恍惚した表情を浮かべる彼女はいやらしくもあり美しい。彼女の下半身がもぞもぞと動きだし、彼女も興奮しているのだと分かる。
「こんな人の家の庭で・・・興奮してるのか」
「・・・違っ」
サラは顔を真っ赤にしながらうつ向いた。ガイルはサラの先ほどの辛そうな表情が消えてホッとした。
「じゃあ、スカートを捲って証明しろ」
「え・・・」
「興奮してなかったら下着は濡れてないだろう?確認だ」
サラはゴクリと唾を飲み込み、スカートを遠慮がちに捲った。
(懐かしい顔ぶれもあるな・・・)
サラはレイラとチャーリーをダンスに送りとどけ、たどだとしい二人のダンスを微笑ましく見ていた。知り合いと何人か挨拶していたのだが、もうほどんどガイルは軍に関与していなかったので軍人たちはガイルに近づこうとはしなかった。しかし一人だけガイルに話しかける者がいた。
「シーガル伯爵、お久しぶりです」
「ランクス少佐、久しぶりだな」
「実は最近、大佐になりました」
「おお、そうだったか、すまん。昇格おめでとう」
「ありがとうございます」
ランクスはガイルの作戦から生き残った人間の一人である。ガイルが表彰をされ伯爵位を貰ってから一度も会っていなかったが、彼はヴェール伯爵に気に入られ、出世コースを順調に進めているようだ。
「さすがシーガル伯爵、綺麗な方を同伴されていますね」
「あ、ああ。レディ、こちら昔の部下でランクスだ」
「はじめまして、サラ・ノートンです」
「はじめまして・・・て、あれ?どこかで見たことあるような・・・」
サラは引きつった笑みを浮かべた。サラに力が入り、組んでいたガイルの腕に彼女の指が食い込んだ。
(知り合いか?)
「いやぁ、死んだ元上司がたまに見せてくれた奥さんの写真にそっくりで・・・勘違いですね、失礼しました」
「そ、そうですか」
「その人もサラって名前だった気がします。いやぁ、瓜二つってやつですね。彼の奥さんも貴方のように美しくて記憶に残ってたんです」
その後もランクスが陽気にガイルとサラに話をしていたが、ガイルはサラの様子が気になった。
「サラ・・・?」
小声で彼女に囁くが、彼女はガイルを見て目を反らせた。明らかに動揺している様子でガイルはサラを庭に連れていった。庭のベンチに腰掛け、ガイルはサラの様子を伺った。
「大丈夫か、サラ」
「え、ええ。少し人に酔ってしまって・・・」
「無理するな」
遠くから軽快なダンスの音が聞こえてくる。しばらくその音楽を静かに聴いていた。しかしサラが寂しげで熱の籠った顔をガイルに向けているにに気づく。ガイルはサラの頬を触り顔を近づけると、彼女は目を瞑った。
「ん・・・」
──クチュ──
サラのキスは以前より積極的で、ガイルは彼女に答えるように彼女に熱を渡す。どこか寂しそうで壊れそうな雰囲気に気付きガイルはサラの欲望を満たそうと彼女の口内を何度も往復した。
「口を・・・開けろ」
ガイルは口に溜まった唾液を彼女の中にトロリと流し込んだ。口を開きながら恍惚した表情を浮かべる彼女はいやらしくもあり美しい。彼女の下半身がもぞもぞと動きだし、彼女も興奮しているのだと分かる。
「こんな人の家の庭で・・・興奮してるのか」
「・・・違っ」
サラは顔を真っ赤にしながらうつ向いた。ガイルはサラの先ほどの辛そうな表情が消えてホッとした。
「じゃあ、スカートを捲って証明しろ」
「え・・・」
「興奮してなかったら下着は濡れてないだろう?確認だ」
サラはゴクリと唾を飲み込み、スカートを遠慮がちに捲った。
11
お気に入りに追加
297
あなたにおすすめの小説
この裏切りは、君を守るため
島崎 紗都子
恋愛
幼なじみであるファンローゼとコンツェットは、隣国エスツェリアの侵略の手から逃れようと亡命を決意する。「二人で幸せになろう。僕が君を守るから」しかし逃亡中、敵軍に追いつめられ二人は無残にも引き裂かれてしまう。架空ヨーロッパを舞台にした恋と陰謀 ロマンティック冒険活劇!
皇帝陛下は皇妃を可愛がる~俺の可愛いお嫁さん、今日もいっぱい乱れてね?~
一ノ瀬 彩音
恋愛
ある国の皇帝である主人公は、とある理由から妻となったヒロインに毎日のように夜伽を命じる。
だが、彼女は恥ずかしいのか、いつも顔を真っ赤にして拒むのだ。
そんなある日、彼女はついに自分から求めるようになるのだが……。
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
〈短編版〉騎士団長との淫らな秘め事~箱入り王女は性的に目覚めてしまった~
二階堂まや
恋愛
王国の第三王女ルイーセは、女きょうだいばかりの環境で育ったせいで男が苦手であった。そんな彼女は王立騎士団長のウェンデと結婚するが、逞しく威風堂々とした風貌の彼ともどう接したら良いか分からず、遠慮のある関係が続いていた。
そんなある日、ルイーセは森に散歩に行き、ウェンデが放尿している姿を偶然目撃してしまう。そしてそれは、彼女にとって性の目覚めのきっかけとなってしまったのだった。
+性的に目覚めたヒロインを器の大きい旦那様(騎士団長)が全面協力して最終的にらぶえっちするというエロに振り切った作品なので、気軽にお楽しみいただければと思います。
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
【R-18】逃げた転生ヒロインは辺境伯に溺愛される
吉川一巳
恋愛
気が付いたら男性向けエロゲ『王宮淫虐物語~鬼畜王子の後宮ハーレム~』のヒロインに転生していた。このままでは山賊に輪姦された後に、主人公のハーレム皇太子の寵姫にされてしまう。自分に散々な未来が待っていることを知った男爵令嬢レスリーは、どうにかシナリオから逃げ出すことに成功する。しかし、逃げ出した先で次期辺境伯のお兄さんに捕まってしまい……、というお話。ヒーローは白い結婚ですがお話の中で一度別の女性と結婚しますのでご注意下さい。
寡黙な彼は欲望を我慢している
山吹花月
恋愛
近頃態度がそっけない彼。
夜の触れ合いも淡白になった。
彼の態度の変化に浮気を疑うが、原因は真逆だったことを打ち明けられる。
「お前が可愛すぎて、抑えられないんだ」
すれ違い破局危機からの仲直りいちゃ甘らぶえっち。
◇ムーンライトノベルズ様へも掲載しております。
【R18】助けてもらった虎獣人にマーキングされちゃう話
象の居る
恋愛
異世界転移したとたん、魔獣に狙われたユキを助けてくれたムキムキ虎獣人のアラン。襲われた恐怖でアランに縋り、家においてもらったあともズルズル関係している。このまま一緒にいたいけどアランはどう思ってる? セフレなのか悩みつつも関係が壊れるのが怖くて聞けない。飽きられたときのために一人暮らしの住宅事情を調べてたらアランの様子がおかしくなって……。
ベッドの上ではちょっと意地悪なのに肝心なとこはヘタレな虎獣人と、普段はハッキリ言うのに怖がりな人間がお互いの気持ちを確かめ合って結ばれる話です。
ムーンライトノベルズさんにも掲載しています。
天然王妃は国王陛下に溺愛される~甘く淫らに啼く様~
一ノ瀬 彩音
恋愛
クレイアは天然の王妃であった。
無邪気な笑顔で、その豊満過ぎる胸を押し付けてくるクレイアが可愛くて仕方がない国王。
そんな二人の間に二人の側室が邪魔をする!
果たして国王と王妃は結ばれることが出来るのか!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる